尚食の喩美人は実在する?史実の喩賢妃と「魚呂の乱」を解説!

喩美人 2.2 明の皇后・側室・公主
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中国ドラマ『尚食』に登場する喩美人は、宮廷の人間模様に深く関わる謎の多い人物です。

彼女の存在は宮廷内の人間関係にも大きな影響を与える可能性がありました。その悲劇的な運命は印象に残ったという人も多いと思います。

ここではドラマで描かれた喩美人の姿と、そのモデルとされる史実の喩賢妃について詳しく解説します。

 

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ドラマ『尚食』に登場する喩美人とは?

ドラマ『尚食』に登場する喩美人は永楽帝の妃嬪の一人です。あまり目立つ妃嬪では内容ですが、宮廷の複雑な権力争いや人間関係の中で重要な役割を演じます。

皇帝の寵愛を受ける喩美人の性格と背景

喩美人は表面上は穏やかな印象を与えるかもしれません。でも彼女の内面には、皇太子(朱高熾)の庶母であるという強い自負があり、そのプライドを傷つけられると言葉で反論する場面もありました。

物語の序盤では皇帝からの寵愛を長らく受けていない状況が描かれます。ですが観花宴の夜には異例にも皇帝が彼女のもとで就寝するという展開がありました。彼女は皇帝から全く相手にされてないわけではありません。

喩美人を取り巻く人間関係:姚子衿や他の妃嬪との関係性

喩美人は主人公の姚子衿とは親しい関係ではありません。でも彼女の存在は姚子衿の運命にも間接的に影響を与えます。

観花宴での出来事や、その後の展開で尚食局の料理人たち、特に姚子衿と殷紫萍も巻き込まれてしまうのです。

他の妃嬪たちとは郭側妃のようにぶつかることもあれば、荘妃のように事件に巻き込まれてしまう人もあり。宮廷内の人間関係は複雑です。

 

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ドラマ『尚食』での喩美人の運命と結末

注意:ここからはドラマの核心的なネタバレを含みます。

ドラマ『尚食』では喩美人の運命は悲劇的です。彼女は宮廷内で起こった火災事件の首謀者になりました。

彼女の行動が物語に与えた影響

火災事件の容疑者として捕らえられた喩美人は激しい拷問を受けました。皮膚が裂けるほど殴られてもなお「太子が黒幕だ」と主張し続けたのです。

この頑なな態度の裏には、ある人物との密約と家族、特に継母に追い出された弟妹を守りたいという強い願いがあったのです。

家族のために策略に加担

姚子衿の調べにより、喩美人が重い病に侵され余命いくばくもないことが分かりました。

彼女はこの病状と家族を守るという切実な願いによって突き動かされていたのです。

最終的に彼女は密約相手である游一帆によって弟妹が安全に保護されたことを確認し安堵して静かに息を引き取ります。

この事件は一見すると皇太子を陥れるための策略のように思えますが。ちょっと調べると漢王が皇太子に罪をなすりつけたことがわかるようになっています。

游一帆は漢王への復讐を企んでおり、そのためにこの策略を考えたのです。

喩美人はその争いとは別に自分が犠牲になることで家族を助ける。という目的で游一帆に協力していたのです。

 

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尚食 喩美人のモデル:史実の喩賢妃とは?

ドラマの喩美人にはモデルとなった史実の人物がいます。それが明朝の第3代皇帝 永楽帝の側室 喩賢妃です。

謎多き喩賢妃の生涯と没年

喩賢妃に関する歴史的記録は非常に少ないです。

  • 生没年:生年月日不明、没年月日1421年
  • (ゆ)氏
  • :永楽帝
  • 子供:なし
  • 称号:昭順賢妃、後に忠敬昭順賢妃 

彼女は永楽帝に寵愛されていたと伝えられますが、詳しい生涯は謎に包まれています。

永楽19年(1421年)3月22日に死去したと記録されており。永楽帝は朝廷を休み手厚い祭祀を捧げました。その葬儀は、当時の妃嬪としては非常に豪華なものだったと伝えられています。

 

喩賢妃の死を巡る衝撃の事件:魚呂の乱の真相

喩賢妃の死の時期と前後して、明の宮廷では「魚呂の乱」と呼ばれる大規模な事件が発生しました。

これは、彼女の死の背景を推測する上で重要な手がかりとなります。

朝鮮とティムール朝の記録に見る「魚呂の乱」の異なる視点

魚呂の乱」は明朝の公式記録にはほとんど残されていません。でも朝鮮の史書『朝鮮世宗実録』と、ティムール朝の使者の記録『サハハル遣使中国記』にその記述が見られます。

朝鮮の記録:『朝鮮世宗実録』

この記録では、永楽帝の寵愛する王貴妃の死後に賈呂と宮人の魚氏が宦官と密通したことが発覚。自害したとされます。永楽帝は激怒し、関係者2800人を処刑したと記されています。

この時、「」と「」が同じ発音であることから、朝鮮の使者が「喩賢妃」の死を「魚氏」と混同して記録した可能性も指摘されています。

朝鮮の記録は明に貢女として送られた多くの朝鮮人宮女が犠牲になったことから、永楽帝の悪逆ぶりを誇張して書いている部分があるかもしれません。

ティムール朝の記録:『サハハル遣使中国記』

ティムール朝の記録では永楽帝の寵妃の盛大な葬儀の準備中に紫禁城で大火災が発生し、多くの犠牲者が出たことが記されています。

この記録には寵妃の名前は書かれていませんが、時期的に喩賢妃の死と重なります。ティムール朝の記録は朝鮮の記録に比べて客観的で、他国の出来事として淡々と記されています。

これは自国の国民が犠牲になった朝鮮とは異なり、感情的な脚色が入っていないためと考えられます。

これらの記録から「魚呂の乱」の詳細は不明な点が多いものの、喩賢妃の死と同時期に宮廷内で何か大きな事件が起こったことは確かなようです。

喩賢妃の葬儀と紫禁城の火災の関連性

ティムール朝の記録にある紫禁城の大火災は、ちょうどの葬儀の準備中に発生しています。永楽帝は火災後「天帝が私を怒って宮殿を焼いた」と述べ、非常に悲しんだとされています。

この火災が永楽帝のその後の病状に影響を与えた可能性も指摘されています。

ドラマ『尚食』ではこの史実の火災と喩美人の死を巧みに結びつけ、よりドラマティックな展開を作り上げているのですね。

 

ドラマ『尚食』の喩美人を演じた女優は?

ドラマ『尚食』で喩美人を演じたのは、中国の女優曾一萱(ツェン・イーシュエン)です。1992年4月20日生まれで、湖北省恩施州出身です。

彼女は2013年の映画『天将場』で注目を集め、2018年のドラマ『如懿伝』では如懿の侍女で後に裏切って慎貴人になる者になる阿箬(あじゃく)を演じて一躍人気を集めました。

その繊細な演技で喩美人の複雑な内面や悲劇的な運命を見事に表現しています。

主な出演作品は以下の通りです。
  • 2018年:『如懿伝』(阿箬)
  • 2021年:『上陽賦』(王倩)
  • 2021年:『風起洛陽』(掌秋使)
  • 2022年:『江湖英雄伝』(朱小腰)
  • 2024年:『風起西州』(雲伊)

2023年には香港映画『風再起時』で主人公の情婦である小燕を演じ、限られた出演シーンながらも強烈な印象を残しました。

彼女はその繊細な演技で喩美人の複雑な内面や悲劇的な運命を見事に表現しました。何かを企んでいそうな悪女の役も得意です。曾一萱は他にも多くのドラマに出演しており、その演技力は高く評価されています。

 

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まとめ

ドラマ『尚食』の喩美人は永楽帝の寵愛を受けながらも宮廷の陰謀に巻き込まれ、家族のために自らの命を犠牲にした悲劇的な人物でした。

彼女のモデルとされる史実の喩賢妃の生涯は謎が多く「魚呂の乱」と呼ばれる宮廷での大事件との関連性も噂されています。

ドラマではこの史実の空白部分を巧みに埋め喩美人にをドラマチックに脚色。登場回数は短いですが印象的なキャラクターにしました。

 

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