中国ドラマ「琅琊榜(ろうやぼう)~麒麟の才子、風雲起こす~」の主人公・梅長蘇は、知略に長け、冷静沈着な人物です。
過去の悲しみと復讐心を秘め、自分の命を削りながら、12年前に赤焔軍を陥れた者たちへの復讐を遂げようとします。
彼は冷静で知略に長けた策士であると同時に、過去の傷を抱える繊細な人物です。
梅長蘇は実在の人物ではなく、架空のキャラクターです。でも彼の人物像は古代中国の名軍師たち。三国時代の諸葛亮、南北朝時代の韋叡、前漢の李陵など、様々な人物の要素を組み合わせたキャラクターとして描かれています。
この記事では梅長蘇(ばい ちょうそ)の設定や人物像。モデルになった実在の人物はどのような人たちなのかを紹介します。
ドラマ「琅琊榜」の梅長蘇
梅長蘇とはどんな人?
梅長蘇(ばい ちょうそ)は、中国のテレビドラマ『琅琊榜(ろうやぼう)~麒麟の才子、風雲起こす~』の主人公です。
別名: 梅長蘇(ばい ちょうそ)、蘇 哲(そ てつ)
役職: 江左盟(こうさ めい)宗主
あだ名:麒麟の才子
過去の身分: 赤焔軍(せきえんぐん)少帥
年齢: 推定30歳前後
容姿: 以前とは異なる容貌(毒による影響)
性格: 知略に長け、冷静沈着。内には過去の悲しみと復讐心を秘めている。
特技: 知略、策略、人心掌握術
家族: 父:林 燮(りん しょう)、その他一族は梅嶺の戦いで皆殺しにされた。
梅長蘇のドラマの中での人物像
梅長蘇はかつて赤焔軍を率いていた将軍・林燮(りんしょう)の息子、林殊(りんしゅ)でした。
しかし12年前の梅嶺の戦いでの裏切りにより赤焔軍は壊滅。林一族も絶え、自身も重傷を負い辛うじて生き残りました。
その後、梅長蘇は毒に侵され以前とは違う顔形になりました。琅琊閣の協力を得て秘密結社・江左盟(こうさ めい)の宗主となり“麒麟の才子”として名を知られるようになったのです。
梅長蘇は知略に長けた冷静沈着な人物。でもその内側には過去の悲しみや復讐心が渦巻いています。彼は自らの命を削りながら、12年前に赤焔軍を陥れた者たちへの復讐を遂げようとしているのでした。
梅長蘇の魅力
梅長蘇の魅力は知略はもちろんですが、複雑な人間性にあります。冷静で知略に長けた策士であると同時に、過去の傷を抱える繊細な人物。とても意志の強い人物なのです。それでいて靖王に対して強い友情を持っているのです。
梅長蘇は実在する?モデルは?
琅琊榜(ろうやぼう)の主人公 梅長蘇は素晴らしい知略と策略を持ち、多くの人々を操る天才的な戦略家です。魅力的なキャラクターですが、実在するのでしょうか?
実在しない架空のキャラクター
梅長蘇という人物は歴史上には実在しません。小説やドラマのために作られた架空のキャラクターです。
また特定の人物をモデルにしたのでもありません。
でも彼の知略や人心掌握術は古代中国の名軍師たちが用いた戦略に通じるものがあります。部分的には参考にしたと思われる人物もいます。
ここでは梅長蘇のモデルになったとされる人物たちを紹介しましょう。
三国時代・諸葛亮(しょかつりょう)
梅長蘇の人物像を語る上で欠かせないのが三国時代の名軍師 諸葛亮(しょかつりょう)です。
字:孔明
生没年:181-234年。
国:後漢→蜀漢(後漢~三国時代)
天才軍師、共通する知略と策略
梅長蘇と諸葛亮の二人に共通するのはずば抜けた知略と策略です。
諸葛亮は三国時代に蜀の丞相として劉備を支えた名軍師です。彼の「天下三分の計」は、蜀の建国に大きく貢献しました。「三国志演義」の影響で策略家・軍師のイメージが強いですが、実際にはそれだけでなく軍事や政治・外交・技術快活など様々な分野で活躍した人物です。人材不足の劉備・蜀漢陣営では貴重な人材でした。
梅長蘇は「麒麟の才子」と称されその計略は誰も思いつかないもので敵を翻弄し味方を勝利に導きます。
死の間際に最後の戦いに挑む
梅長蘇と諸葛亮に共通するのが、人生の最後に国を背負って大軍を相手に戦って戦場で亡くなったことです。
梅長蘇は冤罪を晴らし、靖王を後継者の座にすえました。ところが他国が一斉に攻めてきます。靖王が受け継ぐはずの梁を守るためには誰かが戦場に行かねばなりません。そこで梅長蘇が再び戦場へと赴きます。
戦いが終わり梁には平和が戻ってきました。でも梅長蘇は戻ってきませんでした。
一方、諸葛亮は蜀の未来を託されました。彼は強大な魏に対抗するため北伐を繰り返し魏と戦いました。その道のりは決して平坦ではなく、五丈原(ごじょうげん)の戦いで魏の大軍を相手に戦い力尽きます。
戦場での死、その意味
梅長蘇と諸葛亮。二人の最期は戦場でした。しかし彼らの死は決して無駄ではありませんでした。
梅長蘇は赤焔軍の魂を胸に正義を貫きました。梁は彼の意思を受け継ぐため新しく創設された軍に「長林軍」の名を与え、梅長蘇の魂を永遠に残そうとします。
諸葛亮は蜀漢の未来を信じ最後まで諦めませんでした。彼の忠義と献身は後世に語り継がれる英雄の姿として人々の心に残り。1700年以上たった今でも語り継がれています。
忠義と復讐心、異なる動機
知略に長けた二人ですが、その動機には違いがあります。梅長蘇は過去の冤罪を晴らし、復讐を果たすために策略を巡らせます。彼の行動には強い復讐心と汚名を返上したいという強い意志があります。
一方、諸葛亮は乱れた世の中を漢のもとに統一したいという思い。そして同じ志をもつ劉備への忠義をもって天下統一を目指しました。
彼の行動は忠誠心と理想に支えられています。
異なる生きた時代、物語の背景
梅長蘇と諸葛亮は生きた時代も違います。「琅琊榜」は架空の国を舞台にした物語ですが。三国時代の後に訪れた南北朝時代の梁がモデルになり。劇中での国名も梁です。
一方、諸葛亮が生きた三国時代は中国史上でも特に争いが激しかった時代の一つ。多くの英雄豪傑が覇権を争いました。
梅長蘇と諸葛亮には似ている部分と違う部分があるのですが。
梅長蘇の天才的な軍略は三国時代の名軍師、諸葛亮を彷彿とさせます。公式サイトでも「孔明を超える」と書かれており、制作者も意識しているのが分かります。
その他の梅長蘇のモデル達
でも梅長蘇の人物像は諸葛亮だけをモデルにしたのではありません。他にも参考にしたと思われる人物がいます。
南北朝時代・韋叡(いえい)
生没年:442-520年。
国:梁(南北朝時代)
梁の武帝時代に活躍した将軍。梁はドラマの琅邪榜の舞台になった国です。
韋叡は病弱で馬にも乗れませんでしたが、天才的な指揮能力を持ち戦場での戦いで何度も勝利しました。
梅長蘇の病弱な体と素晴らしい軍略は韋叡と共通する部分があります。
前漢・李陵(りきょう)
生没年:?-紀元前74年。
国:前漢→匈奴
漢の将軍でしたが、匈奴の大軍と戦って力尽き降伏。
李陵は捕虜になっても匈奴に寝返るのを拒否していましたが、武帝は激怒して家族を処刑。
李陵は裏切り者とされました。それを聞いた李陵は匈奴の将軍となって漢と戦いました。
梅長蘇の復讐心は李陵の境遇と重なる部分があります。
まとめ
梅長蘇は実在の人物ではなく、架空のキャラクターです。
特定の人物がモデルというわけではありませんが、歴史上の様々な人物の要素を組み合わせたキャラクターとして設定されています。彼の知略は諸葛亮、病弱な指揮官は韋叡、裏切り者にされ復讐するところは李陵など。
梅長蘇の人物像はこれらの要素が複雑に絡み合ってできているようです。だから魅力的なキャラクターになっているのですね。
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やっぱり気になる最終回。
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