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天盛帝 寧世徴は実在する?鳳凰の飛翔の皇帝のモデルは誰?

『鳳凰の飛翔(天盛長歌)』の天盛帝・寧世徴(ニンシージョン)は実在しない架空の皇帝です。でも寧世徴の人物設定には中国史らしい要素がしっかり混ざっています。

この記事では、寧世徴の設定や描写を手がかりに、モデル候補として挙がる皇帝たちとの共通点・違いを紹介していきます。

 

この記事で分かること

  • 寧世徴が架空なのに「史実にいそう」と思わせる理由
  • 唐高祖 李淵がモデル候補とされる理由
  • 李淵と寧世徴の決定的な違い
  • 李淵以外のモデル候補(唐太宗・李世民、後梁太祖・朱全忠)

 

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寧世徴は実在しない架空の皇帝

ドラマ『鳳凰の飛翔(原題:天盛長歌)』は複雑な人間関係や権力闘争が魅力のドラマです。

曲者ぞろいの登場人物が多い『鳳凰の飛翔』でもとくに威厳と底知れぬ策略を見せる人物といえば天盛帝・寧世徴です。

圧倒的な力を持ち猜疑心の強い皇帝を見ていると本当にいそうですが。

天盛帝・寧世徴は史実に存在しない架空の皇帝です。

ドラマの舞台になっている「天盛王朝」そのものが原作小説『凰権』やドラマのために作られた架空の王朝なのです。

そのため寧世徴という人物は歴史上には存在しないのですが。中国ドラマは架空といっても長い歴史の中で積み重ねられた様式美やパターンを必ず含んでいます。

人物像系の中にも歴史上の人物の一部を借りてきたりしている例もよくあります。

では寧世徴にもモデルがいるのではないか?と考えても不思議ではありません。そこで寧世徴のモデルになったのか誰かを調べてみましょう。

 

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寧世徴のモデルは唐の高祖?

寧世徴は以下の特徴を持つ人物として設定されています。

天盛王朝の建国者

寧世徵最大の特徴は前王朝である大成王朝を倒して天盛王朝を建国した人物です。

前王朝の外戚の立場から挙兵して、王朝交代を成し遂げました。

大成王朝の公侯出身

寧世徵は大成王朝の公侯として仕えていました。辺境を守る軍閥や在野から急に出てきた人物ではなく、前王朝の中央に近いところにいてある程度、力を持っていた人物なのです。

強い猜疑心

寧世徵は猜疑心の強いのが特徴です。原作小説『凰権』よりドラマ版『鳳凰の飛翔(天盛長歌)』方がその性格が強く表現され、冷酷さ策略家としての一面が強調されています。

  • 実の子でも政治の駒として利用する
  • 皇子たちの動向を常に監視する
  • 臣下の忠誠をそのまま受け取らない
  • 表面上の言葉より裏の意図を読む

皇帝としての威厳よりも、疑念を抱えた支配者として描かれます。

感情を表に出さない

寧世徵は喜怒哀楽に乏しく、怒りや悲しみを直接爆発させるタイプではありません。むしろ沈黙や曖昧な言葉で相手を試す描写が多いです。

そのため臣下も皇子も、寧世徵の真意をなかなか読み切れません。策士の寧弈ですら寧世徵の真意をなかなか知ることはできない描写があります。

 

皇子が多く争っている

寧世徵には複数の皇子がいます。十皇子まで確認できますから少なくとも10人の息子はいることになります。その中でドラマに登場するのは7人ほど。

皇太子はすでに決まっていますが、完全には信用していません。皇太子に力が集中するのを恐れ、そのため他の皇子を使って牽制させようとします。

皇子同士も後継者の地位を得ようと争っています。

 

建国の英雄よりも「晩年の皇帝」

ドラマでは皇帝の建国時の活躍は描かれず。皇帝の晩年から始まります。問題になるのは誰を後継者にするかということです。

クーデターで地位を失う

ドラマ終盤。寧齊や火鳳幫による政変のによって寧世徵は負傷。死んだことになってしまいます。実際には生きていて最終的に寧弈へと皇位を譲ることになるのですが。結果的には政変が地位を失うきっかけになったのです。

 

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寧世徴のモデルは唐 高祖 李淵?

だと言われるのか。そこには、歴史の「骨組み」とも言える3つの大きな共通点があります。

寧世徴のモデルは唐 高祖 李淵?

これらの条件を見てみるとある歴史上の皇帝と似ている事に気が付きます。

それが唐を建国した高祖 李淵です。

李淵と寧世徵はどこが似ているのか比べてみましょう。

前朝を倒した建国皇帝である

寧世徴は前王朝 大成の外戚(皇帝の親族)でしたが、乱世の中で挙兵して天盛という新王朝を建国しました。

これは高祖李淵も同じです。彼は前王朝「隋」の皇帝(煬帝)の従兄弟でした。李淵の母は隋の建国者 楊堅の正室の姉。李淵は隋皇室の親戚として高い地位に付いていました。そこから隋末期の混乱の最中に挙兵、隋の恭帝から皇位を奪って唐を建国しました。

 

王朝初期の凄惨な「皇子問題」

『鳳凰の飛翔』のドラマの中心になるのは寧世徴の息子たちが繰り広げる後継者争いです。

李淵も後継者問題には悩まされました。高祖 李淵 には皇太子・李建成がいましたが。李建成、斉王李元吉と功績の大きい秦王 李世民は対立。やがて兄弟殺しの悲劇「玄武門の変」へと発展しました。

高祖 自身も優秀な息子 李世民を頼りにし、高い地位を与えましたが。そのことがかえって皇太子側の警戒を高め息子同士の対立を煽ることになってしまいます。

こまかな経緯は違うものの、建国の英雄も後継者問題には悩み息子同士が争うのは止められないという点では似ています。

 

視覚的な「唐風」の世界観

『鳳凰の飛翔』は架空王朝ですが、建物や衣装など、美術設計には唐時代の雰囲気が強く出ています。

派手な中華王朝風とは違う重みと深みのある色使いの衣装。胡服の着用。女性の額の装飾。奥行きがあり、左右対称を重んじる壮麗な宮殿建築

こうした美術的な設定をみると唐の要素を取り込んでつくられているのがわかります。

唐風の世界で建国皇帝、息子たちが権力争い。と聞けば高祖 李淵を想像してしまいます。

 

唐高祖と違う部分

でも寧世徴は高祖 李淵とはかなり違う部分もあります。ドラマの面白さを追求するために、ドラマオリジナルの演出がされています。

性格描写の「陰湿さと孤独」

史実の唐高祖 李淵 は時には優柔不断と評価されることもあります。でも基本的には貴族的な気品と包容力を持った人物として記録されています。

それに対して寧世徴は猜疑心の塊のような人物として描かれます。誰一人として信じず、実の息子ですら駒として扱う冷たさと厳しさがあります。そんな心理戦もドラマ独自の魅力です。

 

 劇的な「偽死と譲位」の演出

ドラマの終盤、寧世徴は逼宮(クーデター)によって追い詰められ、自分の死を偽装してまで寧弈の真意を試そうとします。

史実の高祖 李淵は玄武門の変によって李世民に実権を握られ、半ば強制的に譲位させられました。政変によって地位を退くのは似てますが、李淵は死を装うといった奇策は使っていません。強制的に地位を奪われています。

寧世徴の死の偽装は多少わざとらしくも感じますが、いかにも中国ドラマらしい最後のどんでん返しの演出といえます。

 

唐高祖以外のモデルは?

唐の高祖以外にモデルになりそうな人物はいるでしょうか?性格的には李淵よりもよく似た人物がいます。

唐 太宗 李世民

寧世徴は性格的には太祖 李淵よりは太宗 李世民に近いと言えるかも知れません。

李世民は自身は有能な皇帝で王朝建国にも参加しました。でも晩年は後継者問題が起きて息子たちを処分しています。

長男 李承乾を皇太子にしたものの信じる事ができず、魏王 李泰を優遇。野心を持った李泰は皇位を狙い、李承乾の評判を落とそうとしました。焦った李承乾は挙兵を企みますが失敗。廃されました。李泰も太子にはなれず左遷。問題の少なかった李治が継の皇帝になっています。

名前に「世」が付いているのも共通点。

 

後梁 太祖 朱全忠(晃)

前朝を滅ぼした建国皇帝で猜疑心が強く後継者問題で荒れた人物といえば、五代十国時代の後梁を建国した 太祖 朱全忠も候補になります。

朱全忠は唐に仕えた軍閥のリーダー。一時は黄巣の乱で弱体化した唐を支える重臣の地位にいました。しかし唐の皇帝から皇位を奪って唐を滅ぼし、自らが皇帝に即位し朱晃と名乗ります。

朱全忠は猜疑心が強く、些細なことで臣下を罰していました。7人の息子がいたものの、朱全忠が後継者に指名したのは養子の博王 朱友文。

ところが実子の郢王 朱友珪が怒って挙兵。朱全忠と朱友文は殺害され、朱友文が即位。朱友文に反発する皇子や臣下が挙兵して朱友文は殺害され、四男の朱友貞が即位しました。

皇子の反乱で皇帝が死亡するところが朱全忠の末路に似ています。(ドラマでは偽装ですが)

 

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まとめ

鳳凰の飛翔の飛翔は架空王朝が舞台。天盛帝・寧世徴も実在の人物ではありません。架空の人物です。

でもその設定やキャラクターの性格には唐高祖・李淵をはじめ、唐太宗・李世民や朱全忠といった複数の皇帝たちの要素が組み合わさっているといえます。

建国の経緯や後継者争い、猜疑心の強さ、そして晩年の権力争いなど、歴史上のできごとをもとにして、ドラマならではの心理描写や演出を加えることで、エンタメ作品で見応えのある皇帝ができあがったといえます。

だからこそ寧世徴は実在しないのに、どこかいそうなリアリティを感じさせる存在になっているのといえそうですね。

 

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この記事を書いた人

歴史ブロガー・フミヤ

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京都在住。2017年から歴史ブログを運営し、これまでに1500本以上の記事を執筆。50本以上の中国歴史ドラマを視聴し、史実とドラマの違いを正史(『二十四史』『資治通鑑』など)に基づき初心者にもわかりやすく解説しています。

詳しい経歴や執筆方針は プロフィールをご覧ください。

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