主演の趙麗穎(チャオ・リーイン)と馮紹峰(ウィリアム・フォン)が実生活でも夫婦だったことでも話題となった、中国時代劇の傑作『明蘭~才媛の春~』。北宋・宋仁宗の時代を舞台に、庶子として生まれた女性が知恵と静かな強さで人生を切り開く物語です。この記事では、キャスト・相関図・全体あらすじ・史実背景・見どころをわかりやすく解説します。
この記事で分かること
- 『明蘭~才媛の春~』全73話のあらすじと物語の流れ
- 北宋時代の社会制度と女性の生き方のリアル
- 史実(仁宗~英宗期)をもとにしたドラマ構成の背景
明蘭 才媛の春 あらすじ全73話一覧
明蘭 才媛の春 ドラマの概要
ドラマの舞台は中国、北宋・宋仁宗の時代です。
主人公の明蘭は名家・盛家で側妻の子として生まれました。幼くして母を亡くし理不尽な身分や順序のルールの中でずっと耐え忍んで生きてきます。
そんな彼女が結ばれるのは、やがて戦で大きな功績を立てる顧廷燁。結婚後の彼女は家の中だけでなく国を揺るがすような問題にも直面しますが、女性としての賢さと誇りを胸に真っ直ぐに立ち向かっていきます。
1話から73話の一覧
第1–4話
揚州の名家・盛家で庶子の明蘭は、母の急逝と家の序列の厳しさを目の当たりにし、才を隠して生きる術を覚える。祖母の庇護を得つつ一族は都へ船出し、明蘭の新たな環境が始まる。
第5–8話
私塾で学ぶ明蘭は斉衡に想われるが、身分差と母・平寧郡主の警戒が立ちはだかる。顧廷燁(白ヨウ)が再登場し、礼法の師・孔氏の指導で明蘭は「外は従順、内は剛」を磨く。
第9–12話
濡れ衣事件の再調査が進む中、科挙の会試で長柏は合格、顧廷燁と斉衡は落第。家内の不公平を孔氏が正し、斉衡は明蘭の励ましで再起を誓う。
第13–16話
顧廷燁は受験停止で進路変更を迫られ、盛家は軟禁騒ぎや家政の混乱に揺れる。明蘭は家の差配を任され、馬球大会で機転を見せて友の遺品を取り戻そうと動く。
第17–20話
斉衡は明蘭に正妻として娶ると誓うが、家格の壁は厚い。顧廷燁は余家との縁談を巡って朱曼娘の本性を知り、ついに決別の決断を下す。
第21–24話
斉衡は母を説得できず苦戦、顧廷燁は逃げた朱曼娘を追う旅へ。明蘭は宥陽の本家で従姉たちの問題に関わり、顧廷燁は軍で功を立て始める。
第25–28話
本家の大奥様が急逝し、明蘭は度重なる危機を顧廷燁の支えで切り抜ける。斉衡は拉致事件を受け王家に迫られ、明蘭を想いながらも苦渋の決断を下す。
第29–32話
傷心の明蘭に医師・賀弘文の縁談が持ち上がる一方、墨蘭は玉の輿を狙って危険な密会に踏み込む。密会発覚で盛家は騒然、伯爵家からは明蘭も抱き合わせの条件が突き付けられる。
第33–36話
墨蘭は強引に伯爵家へ嫁ぎ、林キン霜は失脚。都では立太子を巡る反乱が起き、明蘭は密詔と兵符の受け渡しで密かな功を立て、新帝即位後も賀弘文との縁に波風が立つ。
第37–40話
如蘭の恋を知った明蘭は自らの結婚観を見直すが、顧廷燁の縁談工作で事態は急転。馬球での告白を経て、明蘭はついに顧廷燁と盛大な婚礼を挙げる。
第41–44話
婚家の継母・秦氏や叔母勢の圧力に明蘭は正面から対峙し、澄園の主として間者を一掃。家政と人心を掌握しつつ、顧廷燁との信頼も少しずつ深まる。
第45–48話
荘園視察で不正を摘発し手腕を示す明蘭。一方、斉衡は残党粛清を進め、顧廷燁は兄から遺書と家の未来を託され、母・白氏の名誉回復へ動き出す。
第49–52話
顧廷燁は爵位を継ぎ明蘭は郡夫人となるが、秦氏と白亭預、朱曼娘の陰謀が再燃。朱曼娘の刃が顧廷燁を襲い、明蘭は側妻問題も抱えながら機略で応戦する。
第53–56話
盛大な祝宴の裏で後宮・名門の女たちの確執が噴出し、明蘭は調停役として信頼を得る。朝廷では実父の贈位を巡って政争が激化し、顧廷燁は皇太后の怒りを買いつつも明蘭の献身で支えられる。
第57–60話
塩政視察が火種となり、恒王一行に不祥事や事件が続発。顧廷燁は明蘭の懐妊を喜ぶも任務で出立、明蘭は如蘭や張氏の難産危機を救い、外戚の専横に一石を投じる。
第61–64話
皇后の信任を得た明蘭は大胆策で政局の火消しを図る。やがて大奥様毒殺未遂が発覚し、明蘭は康夫人と王家の罪を暴いて盛家の膿を出し切る。
第65–68話
王若弗は宥陽送りとなり、明蘭は家内を整える一方、秦氏は康夫人・白亭預・劉貴妃を動かして報復を仕掛ける。澄園の火災と暗殺未遂の中で明蘭は男児を出産、顧廷燁は生還して反撃の糸口を掴む。
第69–72話
王家の直訴と毒混入で顧廷燁は投獄・流罪となるが、明蘭は離縁を拒み直訴で夫の冤を訴え続ける。国境紛争と宮中クーデターが連動し、秦氏と朱曼娘の策動が最終局面へ。
第73話(最終回)
顧廷燁が戦場から帰還し明蘭を救出、反乱軍は瓦解。皇帝の大逆転の策で皇太后一派は失脚し、秦氏も敗走—明蘭と顧廷燁は信頼と伴走で家庭と政を守り抜く。
『明蘭 才媛の春』とはどんなドラマ?
ドラマの舞台は?
時代設定は北宋の仁宗時代を中心に、英宗期までが含まれます。舞台となるのは戦場や宮廷ではなく、広いお屋敷の中。家庭が戦いの場になっているのが大きな特徴です。
ドロドロした後宮ドラマとは違い、当時の社会のルールやそこで生きる人々の姿が描かれています。
封建時代の家制度や嫡庶の壁がある中で、一人の女性がどう生きていくかがテーマとなっています。
原題は?
「知否?知否?應是綠肥紅瘦」。宋代詩人・李清照の詩句から取られ 「外の華よりも内なる知恵」を象徴しています。
基本情報
- 原題:知否?知否?應是綠肥紅瘦(別表記:知否 知否)
- 制作・放送:2018年/正午陽光影視・湖南衛視
- 時代:北宋・仁宗~英宗期
- 話数:全73話
- 主演:趙麗穎(チャオ・リーイン)/馮紹峰(ウィリアム・フォン)/朱一龍(チュー・イーロン)
登場人物:盛家・顧家・斉家の関係は?
主要キャスト
盛明蘭(せい・めいらん)
演:チャオ・リーイン
ドラマの軸になる女性です。彼女は盛家の六女として生まれました。母を早くに亡くし、庶出のため父や姉たちから疎まれていまう。祖母の教育のおかげで才能のある女性に成長。感情よりも現実を見て家を守り夫を支えることを第一に考える人物です。
家の中では家政の立て直しや間者の摘発など冷静な判断力で次々と問題を解決。やがて宮中の騒乱にも巻き込まれますが、派手ではないのものの効果的な一手で大きな役割を果たします。
夫・顧廷燁が失脚しても決して離れず、直訴や証拠集めで彼を救おうと奔走しました。
顧廷燁(こ・ていよう)
演:ウィリアム・フォン
顧廷燁は盛明蘭とは対照的な“動の人”。感情で動き行動で切り開く、不器用ながらも真っすぐな男です。
寧遠侯府の次男として生まれ、母が商家の出であったため幼いころから差別を受けて育ちました。
若いころは放蕩の噂もありましたが、軍での功績によって再起。明蘭への想いは一途で、どんな危機の中でも彼女を信じ守り抜こうとします。
策よりも実行を重んじる性格ですが、いざという時には長い布石を打つこともあります。言葉では多くを語らず、背中で示す愛情が印象的です。
反乱の鎮圧や国境での出征など、前線での戦いに加え、家中の権力争いでも幾度となく試されます。失脚と復権を繰り返し、最終的に家と名誉を取り戻します。
斉衡(せい・こう)
演:チュ・イーロン
盛明蘭の初恋の人。穏やかで誠実な青年ですが、理想と現実の板挟みに苦みます。
名門の家に生まれ、正義感と礼節を重んじる性格。しかし母・平寧郡主の強い反対によって明蘭との恋は破れます。心の中には長く彼女への想いを残しながらも、諫官として自らの信念を貫き、権力に屈しない道を選びました。
盛墨蘭(せい・ぼくらん)
演:シー・シー
盛家の四女。庶出ですが上昇志向が強く、美貌と計算を武器に生きる女性です。
華やかさの裏に、いつも嫉妬と不安を抱えています。姉妹の中でも特に明蘭に対して複雑な感情を持ち、嫡出・庶出の差に執着し続けました。伯爵家への嫁入りで一時は成功をつかんだかに見えますが、陰謀と不正が露見し、次第に孤立していきます。
見栄と欲にとらわれ、最後は自らを追い詰めていく姿は、まるで“明蘭の鏡像”のよう。
彼女の破滅は、盛家に潜む歪みと人の心の弱さを象徴しているようです。
盛如蘭(せい・じょらん)
演:チャン・ジャーニン
盛家の五女で嫡出。明るく朗らかで純粋な心を持つ女性です。身分や格式にこだわらず、心の通う相手を選んで文炎敬と結ばれます。最初は世間知らずなところもありますが、結婚を通して人間的に成長していく姿が描かれます。
盛家・顧家・斉家
『明蘭~才媛の春~』のドラマは三つの名家:盛家・顧家・斉家が中心。
この三家が婚姻・血縁・政治を通じて複雑に結びつき、物語のすべての事件がここから生まれます。
それぞれの家には家格・出自・価値観の違いがあり、宋時代の社会をわかりやすく表現したものになっています。
- 盛家:地方官僚の家系。正妻と側室の子が複数おり、嫡庶の序列が物語の出発点。
主人公・明蘭は庶出。祖母の保護を受けて家政の才能を磨きました。 - 顧家:名門軍閥の家。次男・顧廷燁(こ・ていよう)は庶子出身ですが戦功を立てた実力派。
明蘭の夫となって家格の壁を超えた婚姻によって両家の価値観が衝突する。 - 斉家:文官貴族の家。斉衡(さい・こう)は明蘭の初恋相手。だが母・平寧郡主の反対で破談。
盛家では母系の争いが、顧家では兄弟間の対立が、 斉家では家格維持のための犠牲が描かれ、それぞれが明蘭の選択に影響を与えます。
明蘭 主演キャストが結婚?
主演の趙麗穎(チャオ・リーイン)と馮紹峰(ウィリアム・フォン)は、 本作『明蘭~才媛の春~』での共演をきっかけに交際をスタート。
撮影終了後の2018年に結婚を発表し、翌年には男児が誕生しました。劇中で夫婦を演じた二人が現実でも夫婦になったとあって当時は大きな話題となり、ドラマへの注目度も上がりました。
ただし2021年に二人は離婚を公表。結婚生活は約3年で幕を閉じました。それでもお互いを責めるようなことは一切なく、今も一緒に息子を育てているそうです。この別れ方は中国国内でも「お互いを尊重した円満なものだ」と、とても好意的に受け止められました。
(出典:https://www.zaobao.com.sg/entertainment/story20210423-1141582)
ドラマの中で描かれる顧廷燁と明蘭は熱い恋愛感情というより、お互いを信じ合い助け合いながら家を守る夫婦です。
二人の落ち着きのある演技は変に盛り上げすぎず、ドラマに説得力を与えてくれたと高く評価されています。
最終回はハッピーエンド?
- 顧家の宿敵・小秦氏が狂気の末に自滅、長年の因縁が終結。
- 皇帝・趙宗全と太后が和解、新しい時代の安定が訪れる。
- 明蘭と顧廷燁は家族に囲まれ、静かな幸福を手に入れる。
最終回では、宿敵・小秦氏が祠堂に火を放ち、自らの怨念もろとも身を焼いてしまいました。顧廷燁は炎の中から弟を間一髪で救い出します。これで長年、彼を縛りつけていた家の呪いがようやく断ち切られたのです。
宮廷では皇帝・趙宗全が黄金色の麦穂を手に取り豊作を心から喜びます。その姿を見た太后も、ついにそれを認め古い世代との争いは終わりを迎えました。
盛家にも明るい兆しが見え始めます。明蘭と顧廷燁は全ての困難を乗り越え、心穏やかな日々を迎えたのでした。
史実との比較:宋仁宗~英宗期の背景
舞台は北宋・仁宗の時代
ドラマ『明蘭~才媛の春~』の舞台は、政治が安定し文化が栄えた北宋の仁宗(1022〜1063年)の頃を参考にしています。
この時代は科挙制度が整い家格よりも個人の才能や学問が大切にされるようになりました。
でも実際には「正妻の子か、側室の子か」という生まれの違いや「名家か、そうでないか」という家柄の順位が厳しく残っていました。
側室の子として生まれた明蘭がこの「才能を重視する」という理想と「家柄に縛られる」という現実の矛盾が、彼女が戦い続けた理由です。
こちらも、硬い言葉を避け、テンポの良い文章に書き換えます。
後半は英宗~神宗時代の対立がモデル
物語の後半には、新しい皇帝として趙宗全が出てきます。これは、歴史上の英宗(趙曙)という人物にあたります。
ドラマでは太后が政治に口を出し、改革を進める派閥とぶつかる場面があります。この対立は英宗の時代から次の神宗の時代にかけて実際にあった曹太后が政治に介入した出来事をモデルに作られているのです。
このドラマは前の皇帝の時代から新しい皇帝の時代へと価値観が大きく変わっていく時期を盛家という一つの家庭の出来事として描き直したものだと言えます。
北宋時代は意外と女性が元気だった?
ネット上ではドラマの明蘭は『考え方や行動が現代的すぎる』という意見があります。確かに現代的に描かれていますが。全くの的外れかというとそうとも言い切れません。
北宋期は朱子学(宋学)ができる前。儒教はあっても明清期ほど厳しくはありません。女性の行動や再婚への制約も明清期に比べると緩やかでした。
家政・財産の管理を担う女性も多く、明蘭のように理性的に家を守る姿は当時として不自然ではありません。
むしろ明清期以降の儒教道徳が強まる中で、彼女のような女性像が失われていったともいえます。
私達が封建時代の女性像と思っているのは明清期のイメージ。北宋時代はそれほどではなかった一面もあるのです。
よくある質問(Q&A)
『明蘭~才媛の春~』は実話ですか?
史実をもとにした創作です。
北宋・宋仁宗期の家制度や女性の立場を忠実に再現しつつ、 登場人物や物語の展開はフィクションとして脚色されています。
原題「知否?知否?應是綠肥紅瘦」の意味は?
宋代の女流詩人・李清照の詩句で、「春の花が散り、青葉が繁る季節が来た」という意味。
外の華やかさよりも、内に宿る知恵と成熟を象徴しています。
最終回は悲しい結末ですか?
悲劇ではありません。
明蘭と顧廷燁は数々の試練を経て信頼を取り戻し、 愛と責任を両立させた“静かな幸福”の形で物語を締めくくります。
趙麗穎と馮紹峰は本当に夫婦だったのですか?
はい。『明蘭』の共演をきっかけに2018年に結婚、翌年に男児が誕生しました。
2021年に離婚を発表しましたが、現在も息子を共同で養育していると報じられています。
時代背景はいつ頃ですか?
北宋・宋仁宗(在位1022〜1063)の時代がモデル。
科挙制度が発展し、家柄より学識が重んじられる一方で、 嫡庶の差や門第意識が厳しかった時代です。
どんな人におすすめのドラマですか?
恋愛よりも人生と家族の現実を描く物語を好む人におすすめ。
華やかな宮廷劇よりも、静かに策略と知恵で生きる女性像に魅力を感じる方に向いています。
『明蘭』は実在の歴史に基づく?
舞台設定は架空ですが、北宋・仁宗期の制度や価値観を土台にしています。
結末はハッピーエンド?
夫婦は“家を守る”選択で再結束します。



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