中国ドラマ「後宮の涙」の最終回のあらすじと感想の紹介。ネタバレ注意!読む前に確認してください
「後宮の涙」もいよいよ最終回。婁氏との激しい権力闘争や反乱を経て隣国をも巻き込む波乱の展開を迎えます。
最終回では陳からの要求という危機を迎え、陸貞と高湛は究極の選択を迫られます。愛する人をそして国を守るために彼らが下した決断とは?
この記事では『後宮の涙』の最終回のあらすじとネタバレ。主要登場人物たちのその後の運命、そして史実との違いにも触れながら最終回を詳しく振り返ります。
後宮の涙 最終回に至る43・44話を振り返る
終盤、陸貞や高湛たちと婁氏一族との激しい戦いが中心となります。婁尚侍が処刑された後も婁皇太后は陰謀を巡らせ、ついに高演が病に倒れると反乱を起こし皇宮を制圧してしまいました。
この反乱で高演や蕭喚雲は軟禁され、陸貞も人質になってしまいます。でも陸貞の機転を利かせた勇気ある行動と高湛の活躍によって反乱軍は撃退されました。
しかし悲劇は続きます。逃亡した婁皇太后が隣国の魏と手を結んでしまったのです。
その結果、斉の都は陥落。この戦の中で高演は志半ばで命を落とし、蕭喚雲もまた幼い皇子・高緯を産み落とした後に息を引き取ります。
陸貞は蕭喚雲から高緯を託されることになりました。一方、魏の人質になっていた高湛でしたが、沈碧が犠牲となり辛くも脱出を果たし、隣国の陳の文帝に保護されることになります。
婁皇太后が皇子の偽者を用意して権力を握ろうとしたその時。高湛は軍を率いて劇的に帰還を果たしました。
そしてついに婁皇太后の野望を完全に打ち砕き敵討ちを果たすことができました。
こうして新たな皇帝として即位した高湛でしたが、彼を援助した陳の文帝がその見返りとして自身の娘 同昌公主を皇后に迎えるよう要求を突きつけてきたのです。
物語はこの複雑で緊迫した状況のままいよいよ最終回へと突入します。
後宮の涙 最終回(45話) 最後の選択 あらすじ
隣国・陳からの援助の見返りとして、陳の文帝は「娘の同昌公主を皇后にしろ」と要求してきました。しかも都の郊外には陳国の兵が駐留しているため、この要求を断るのは容易ではありませんでした。
高湛と陸貞にとっては過去最大の危機がやってきました。
一方、皇帝は持病の頭痛が悪化し服用している薬に中毒性があることが判明します。しかも越国夫人は解毒剤は自分の手元にしかなく、あと二日で公主を連れて国に帰り、その時には陳国の大軍が攻めてきて、皇帝も終わりだと言われてしまいます。
陸貞はついに愛する高湛を救うため、そして北斉の平和を守るために自身の幸せを犠牲にする決断をするのでした。
陸貞は自ら都を去り、同昌公主が高湛の妻となりました。ところが同昌公主にまつわるある衝撃的な事実が明らかになるのでした。
越国夫人はひざまずき、その真相を語ります。その夜、高湛は一人で陸貞が作ってくれた婚礼の服を抱きしめ、彼女のことを深く思いながら眠りにつくのでした。
さて。高湛の敵はいなくなり、高湛が皇帝に即位。国に平和は戻ってきたものの。陸貞は去ってしまいました。
でも高湛は皇帝になったのです。悲しんでばかりはいられません。
その後二人はどうなったのでしょうか?続きを紹介します。
主要登場人物たちの結末は?後宮の涙 最終回 その後の行方
陸貞と高湛の最後
陸貞は越国夫人との取引によって宮廷を離れますが、沈嘉彦からの手紙をきっかけに高湛と再会。二度と離れないことを誓い合いました。
陳の文帝の死後、高湛は念願叶って陸貞を皇后にしようとします。でも陸貞は罪のない同昌公主への配慮と自身が子供を産めない体であることから辞退。女官として高湛を支える道を選びます。
高湛はその決断を尊重。陸貞に一品の官位を与え国の商業や農業を担当する要職を任せました。
二人は正式な夫婦でなくても精神的なパートナーとして深く結ばれ、共に国を支えていくことになります。
でも幸せな時間は長くは続きませんでした。3年が経ち、河清四年(西暦565年)高湛は古傷が再発して病に倒れました。
彼は幼い太子に位を譲り、陸貞を国の政治を補佐する女侍中に任命。その3年後、高湛は愛する陸貞に見守られながら亡くなります。
愛する高湛に先立たれた陸貞でしたが、悲しみに暮れるだけでなく、高湛から託された国の未来を担うという志を胸に、女侍中として政治に携わり続けます。
高湛の死からさらに15年。陸貞にも最期のときがおとずれたのでした。
「終わり」
蕭喚雲と高演、その他の人々の最後
物語の中で重要な役割を担った蕭喚雲は幼い皇子を産み落とした後に命を落とし、高演も戦の中で矢を受けて亡くなりました。
悪役だった婁氏一族は高湛の帰還によって野望を打ち砕かれ。彼女たちも命を失います。
同昌公主はハンデをかかえながらも皇子の面倒を見るなど、皇后としての日々を全うしました。
沈嘉彦は最後まで陸貞と高湛を陰ながら支え続け、彼らの絆を見守った人物でした。
史実の陸女官と高湛死後の北斉
高緯は高湛の実の息子
ちなみに史実では武成帝・高湛が崩御した後、その息子の高緯(ドラマにも幼い皇子として登場)が皇帝に即位しました。高緯は高湛と胡皇后の息子。
高緯は愚かな皇帝
この後主・高緯は愚かな皇帝とされ、政治は混乱を極めます。蘭陵王として有名な高長恭などを自害に追い込み、北周を滅亡させました。
陸貞のモデル・陸令萱は悪女
ドラマの主人公・陸貞のモデルとされる陸令萱は高緯の時代に女侍中として大きな力を振るった人物。歴史上は政敵を陥れて殺害したり、都合のいい人事や賄賂や官位の売買で懐を肥やし。皇帝の寵愛する側室を養女にして胡皇后を失脚させ。皇太后の地位を狙った悪女として歴史に名を残しています。
北斉の滅亡
政治が乱れ有能な臣下を失った北斉は北周に攻められ滅亡。陸令萱は自害。高緯は逃亡したもの北周に捕らえられました。
そして北周の宮殿は廃墟となったのです。
ドラマとの違い
ドラマでは陸貞は清廉潔白で国のために尽くす人物として描かれ、高湛と共に国を治める姿が描かれました。史実の陸令萱は全く違う人物です。ドラマは史実を大胆に脚色していることがわかります。
このような史実との違いを知ると、ドラマが描きたかった「陸貞」という女性像の意味をより深く考えさせられますね。
後宮の涙を最終回まで見た感想
高湛と陸貞の絆の強さ
『後宮の涙』を最終回まで見終わって心に残ったのは登場人物たちがそれぞれの運命の中で見せた強く人間らしい姿でした。特に陸貞と高湛がお互いを深く思う場面には心を動かされましたね。困難な状況でもお互いを信じ合おうとする姿からは、強い絆を感じました。
最終回もまさにそんな二人らしい締めくくりだったように思います。
陸貞の成長
陸貞が個人の問題や個人的な幸せよりも、愛する高湛や国の未来のために苦渋の決断を下した場面は見ていて切なかったです。
ドラマ前半の復讐を優先するあまり自己中心的だった彼女から大きく成長したと思います。
高湛の強すぎる想い
高湛も陸貞を深く愛するがために苦悩する姿が印象的でした。史実の高湛はドラマよりも残酷でモラルも低い人物ですが、ドラマの中ではいい男でしたよね。
ただ、思いが強すぎてモラハラ的に感じる部分もありました。彼の行動が時としてヒロインを苦しめてしまうように見えたのは私だけでしょうか?
他の登場人物たちも印象深いですね。
その他の気になるキャラたち
沈碧の意地悪な役どころもすごかったですね。いい加減消えて欲しいと思っていたこともありますが。彼女の最後の行動には「まさか」と思いました。
蕭喚雲の人生も切なかったですよね。単純な善悪では割り切れない部分はあります。彼女の置かれた境遇は気の毒だと思いますが、想いが強すぎてどうかしていると思ったこともありました。
一方で、一部の登場人物の「往生際の悪さ」には思わず突っ込みたくなった場面もありましたけどね(苦笑)。
陸貞と高湛の愛の形
陸貞と高湛が形にとらわれない絆を選び、共に国を支える道を見つけたことには希望を感じましたが、高湛の早すぎる死には切なさが残ります。
でも史実では陸貞と高湛は愛し合ってはいません。ただの君主と臣下の関係ですし。高湛が早死したのも史実通り。これは仕方ないところでしょう。むしろ高湛と陸令萱をモデルにしてよくこれだけ二人の恋愛を引っ張ってこれたなと思います。
瓜二つの設定にはムリが
あと、陸貞と蕭喚雲が「瓜二つ」という設定は個人的には「かなりの無理があるんじゃ…?」と感じました。役者さんの雰囲気は似ていたとしても、さすがに瓜二つでは言えないかなあと思います。
時代考証の甘さはあるものの
このドラマには史実との違う部分が多いですし。考証の甘さも気になります。
北周は6世紀の国です。唐よりも古いです。あの時代に、あの衣装の色遣いはムリです。化学合成染料を使わない限り不可能です。
他にも人間関係や国と国との関係などなど、史実と違う点をあげていけばキリがありません。
歴史的な正確さを重視する人にとっては気になる部分が多いのですが。「エンタメ作品」として割り切れば、まあ楽しめると思います。
ドロドロとした愛憎劇が多い中で、ある意味爽やかさを感じる宮廷ロマンスだったと思います。
まとめ
『後宮の涙』、最終回まで駆け抜けました。
陸貞と高湛の強い絆、愛する人や国のために下す苦渋の決断に心を揺さぶられましたね。
史実との大きな違いには驚きつつも、形にとらわれない二人の愛の形や、困難に立ち向かう姿はエンタメとして見応えがありました。高湛の早すぎる死は切なかったですが、心に残る物語でした。
ドロドロすぎる愛憎劇は苦手だけど、ロマンスも楽しめる宮廷劇が見たい。中国ドラマで「トンイ」や「チャングム」のようなドラマが見たい。という人にはお勧めできるドラマです。
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