尚食の韓荘妃とは?史実モデル 韓麗妃は朝鮮から来て殉葬になった側室

韓荘妃のモデル韓麗妃 d ドラマ紹介
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中国ドラマ「尚食」に登場する永楽帝の妃嬪の中で特に存在感があったのが荘妃です。

彼女の儚げな美しさと芯の強い生き方に心を奪われた方も多いのではないでしょうか。この妃の背後には実は悲しい運命をたどった一人の女性の史実があります。

この記事ではドラマ「尚食」に登場する荘妃の魅力はもちろんそのモデルとなった明朝の麗妃韓氏の真実を徹底解説します。史実とドラマがどのように交錯しどんなメッセージを私たちに投げかけているのか。荘妃という人物を通して歴史の深さを一緒に紐解いていきましょう。

 

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中国ドラマ「尚食」の荘妃とは?

宮廷での立ち位置

韓荘妃は永楽帝の側室です。他の妃嬪と争うこともなく、常に落ち着き払った佇まいを見せます。

第6話の観花宴では太子妃が太孫妃・胡善祥に早く皇帝の孫を産むよう促す場面に立ち会っています。被災者のための義援金募集に深く賛同しする場面もありました。

宮中の火災で疑われて幽閉

第6話から第7話にかけて起こる宮中の火災ではでは、皇帝の怒りが飛び火して錦衣衛が荘妃の周辺関係者を捕らえる事態となり。荘妃も幽閉され、食事も与えられなくなります。

 

姚子衿との絆

尚食局では食事をとれない荘妃を心配。孟紫澐(もうしうん)が食事を届けたい者を募ると姚子衿(ようしきん)名乗りをあえ、殷紫萍(いんしへい)と共に荘妃の命を救うため奔走します。

姚子衿は荘妃の宮門に食べ物を届けたり炒り米の保存方法を教えたりして、献身的に働きました。この姚子衿の行動が荘妃との間に強い絆を生み出すことになります。

永楽帝死後に殉葬の危機

永楽帝の死後、子どものない側室たちは殉葬される事になりました。荘妃もその対象です。

このとき、荘妃は宮殿を出て死ぬ前に母に会わせてほしいと姚子衿にお願いしました。姚子衿は自身の玉佩を渡して荘妃の脱出を助けます。荘妃は一度宮殿を出たあと戻ってきました。

実は戻って来るつもりななかったのですが、足を怪我したので戻ってきたというのです。

その後、姚子衿が作ったクルミ酪を口にし、江南で母が作ってくれた味と同じだと涙を流します。

そしてこのあと殉葬されるはずなのですが…

 

殉葬回避が引き起こす展開

その後、胡司膳(こしぜん)が姚子衿が荘妃に渡した玉佩が皇后のみが使える「鳳佩(ほうはい)」であったことを明らかになり。結果的に姚子衿の真の身元が明らかになるきっかけとなります。

また游一帆(ゆういちはん)は、姚子衿が密かに荘妃の出宮を助けたことを知っており、姚子衿に協力を持ちかける場面もありました。

 

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荘妃のモデルは史実の韓麗妃 朝鮮から明へ渡った悲劇の妃

ドラマの荘妃にはモデルがいます。明朝の第三代皇帝・永楽帝の側室「韓麗妃」実在の人物がモデルです。彼女は「康恵荘淑(こうけいそうしゅく)」という諡号も持っていました。

韓麗妃のプロフィールと生い立ち 

  • 生年月日: 1390年代(1399年頃)
  • 没年月日: 1424年8月12日
  • : 韓(かん)氏
  • 本貫: 清州韓氏
  • 出身国: 朝鮮(李氏朝鮮)
  • 地位: 麗妃
  • 称号: 康恵荘淑 

 

家族  

  • : 韓永矴(かんえいてい)
  • : 不明
  • : 明成祖 永楽帝(えいらくてい)
  • 子供: なし 

 

韓麗妃は明の永楽帝の時代に朝鮮から「貢女(こうじょ)」として明に送られてきました。貢女とは朝鮮が明に献上する女性のことです。彼女の父 韓永矴は朝鮮の重臣でした。

韓麗妃の妹 韓桂蘭(かんけいらん)も同じく明に渡り宣徳帝(永楽帝の孫)に仕える女官 恭慎夫人(きょうしんふじん)となりました。

また韓麗妃の弟の娘つまり姪にあたる人物は後に朝鮮の昭恵王后(しょうけいおうごう)となりました。

昭恵王后は有名な仁粋大妃(インステビ)のことです。

韓麗妃が明に送られた永楽15年(1417年)は日本では室町時代にあたります。多くの朝鮮の人々が見守る中故郷を後にする彼女たちの姿を見て道端の見物人は皆涙を流したと記録に残っています。

ドラマでは朝鮮出身の描写はなし

ドラマでは韓荘妃が朝鮮出身の描写はありません。母が都の近くに住んでいて。姚子衿が作ったクルミ酪を食べて江南で母が作ってくれたものと味が同じ。ということから国内出身の設定なのが分かります。

 

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魚呂の乱と荘妃の幽閉 ドラマと史実の比較でわかる真実

ドラマ「尚食」で荘妃が冷宮に幽閉されるきっかけとなった「魚呂の乱」。この事件は永楽帝の晩年に起きた後宮の混乱が元になっています。

永楽帝の怒りを買った「魚呂の乱」の真相

史実では永楽帝が寵愛していた王貴妃が亡くなった後。宮人の賈呂(かりょ)と魚氏(ぎょし)が宦官と密通していたことが発覚し自害に追い込まれました。この魚氏は「喻」という字の誤りではないかとも言われています。

怒り狂った永楽帝は多くの宮女を処刑し任順妃(じんじゅんひ)や鄭氏(ていし)といった妃嬪も命を落としました。

冷遇に閉じ込められ餓死しそうになる

この時、韓麗妃も事件への関係を疑われ冷宮に閉じ込められます。食事も与えられず餓死寸前の状態に追い込まれました。

門番の宦官が彼女を不憫に思いこっそりと食べ物を届けてくれたので命を取り留めたと言われています。

韓麗妃の侍女たちは皆殺され乳母の金黒も投獄されました。ただしこの事件は明の公式記録にはなく朝鮮の記録にのみ残されているため内容が誇張されている可能性も指摘されています。

また同じ頃にティムール朝が火災が起きて大勢の犠牲が出たことを伝えています。そちらの事件との関係も疑われます。

その火災については 尚食の喩美人は実在する?史実の喩賢妃と「魚呂の乱」を解説!で紹介したので興味のある方はそちらも御覧ください。

 

ドラマ「尚食」での描かれ方

ドラマ「尚食」ではこの火災が第6話から第7話にかけて描かれています。

史実では宦官が韓麗妃に食べ物を届けたとされますが、ドラマでは姚子衿に置き換わっています。

このドラマでのアレンジは史実の悲劇にうまくドラマの主人公を絡ませるという方法をとって登場人物の人間性をよりドラマチックに演出していますね。

 

永楽帝の死と殉葬 荘妃がたどった悲しい運命

荘妃すなわち韓麗妃の人生は永楽帝の崩御によってさらなる悲劇に見舞われます。

明朝初期の殉葬制度とその背景

明の初期には皇帝が亡くなるとその妃嬪たちが殉葬されるという残酷な制度がありました。これは皇帝の死後もその世を共にするという思想に基づいています。永楽帝が永楽22年(1424年)7月18日に崩御した後30人以上の妃嬪たちが殉葬されました。韓麗妃もその一人でした。

韓麗妃が殉葬を嘆願した最後の願い

殉葬の直前、韓麗妃は洪熙帝(こうきてい)の前にひざまずき、涙ながらに故郷の朝鮮に帰り老いた母の面倒を見させてほしいと懇願しました。しかしその願いは聞き届けられることはありませんでした。彼女は明の規則通りに絞首刑によって殉葬されました。

朝鮮の家族にも殉葬が伝えられる

その後、朝鮮世宗は韓麗妃の弟や、同じく明に送られて殉葬された他の妃嬪たちの親族を招き宴を開いて慰労しています。そのとき、明の使臣から「以前に選ばれた韓氏などの女性たちは永楽帝に殉じた」と伝えられています。

「朝鮮王朝実録」には韓麗妃に「康恵荘淑」という諡号が贈られたことが記されており、彼女が故郷でどれほど大切に思われていたかがわかります。

 

ドラマ「尚食」が描く殉葬回避の顛末

ドラマ「尚食」ではこの殉葬のエピソードが第13話から第14話にかけて描かれています。史実では殉葬された韓麗妃ですが。ドラマの荘妃は姚子衿のおかげで殉葬にならず宮殿を出たようです。

史実どおりにするとドラマが重苦しくなってしまうので、それを和らげる意味もあるのかもしれません。

 

荘妃を演じた鄧莎(ダン・シャー)の魅力と出演作

ドラマ「尚食」で荘妃を演じ、その繊細な演技で視聴者の心を引きつけたのは、中国の女優、鄧莎(ダン・シャー)さんです。彼女は1985年12月8日生まれ、湖南省出身。

鄧莎さんは「尚食」以外にも数々の人気ドラマに出演しています。主な出演作には、以下の作品があります。

  • 2013年: 「陸貞伝奇」唐兀惕・バートゥル役
  • 2013年: 「蘭陵王」高長恭の母親役
  • 2018年: 「瓔珞~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~」魏瓔寧(ぎえいねい)

 

前世の姉を救った?

特に「瓔珞」での配役は「尚食」のファンにとって非常に興味深い共通点を持っています。

ダン・シャーさんは「瓔珞」では主人公・魏瓔珞(ウー・ジンイエンさんが演じました)の姉、魏瓔寧を演じています。

そして「尚食」では、同じくウー・ジンイエンさんが演じる姚子衿に助けられる役どころです。

この役柄の共通性から

「尚食」の姚子衿(瓔珞)は前世「瓔珞」では姉(瓔寧)を救えなかったけれど、現世「尚食」では荘妃(前世の姉)を救うことができた

そんな風に解釈すると、二つのドラマのつながりが感じられドラマがより面白くなりますね。

最初にこのドラマを見たときはなぜ姚子衿がここまでして荘妃に関わって救うのか理解できないというか、ただ単に姚子衿をいい人に描きたいのかな。と思ってました。

でも、荘妃の役者さんが瓔珞の姉を演じていた人だと分かり。納得がいきました。こういう演出は面白いです。

 

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まとめ

中国ドラマ「尚食」の荘妃は明朝の永楽帝の側室韓麗妃がモデルです。彼女は朝鮮から貢女として明に送られ悲しい運命をたどった女性でした。

史実では「魚呂の乱」に巻き込まれ幽閉され、永楽帝の死後には殉葬されたと記録されています。

彼女の人生は当時の明と朝鮮の関係や、明の制度の厳しさを教えてくれます。

でもドラマでは姚子衿との出会いによって、悲劇的な運命を回避することができました。

ドラマでは救われた形になりましたし。演じる人に注目してみると。瓔珞との縁も想像できて面白いですね。

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