◀ 風起西州28-30話あらすじ | 風起西州34-36話のあらすじ▶
中国ドラマ 風起西州~烈風に舞う花衣~ 31・32・33話のあらすじとネタバレを感想とともに紹介します。
蘇海政によって大量の兵糧の調達を命じられた麴家は裴行倹とともに乗り切ろうとするのですが。蘇海政の妨害が入り、麴家が苦境に立たされます。
この記事では歴史的背景も交えながら31~33話のあらすじとネタバレ、感想を解説します。
他の風起西州は 風起西州 あらすじネタバレ全話一覧 からもご覧いただけます。
※この記事はドラマ『風起西州』のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。
- 庫狄琉璃(こてき・るり)
演:グーリーナーザー - 裴行倹(はい・こうけん)
演:ティミー・シュー - 臨海大長公主(りんかいだいちょうこうしゅ)
演:ジュー・ルイ - 麴崇裕(きく・すうゆう)
演:劉端端(リウ・ドワンドワン)
風起西州31話 あらすじとネタバレ
簡単要約
- 蘇海政と蘇南瑾の父子は軍用食糧の調達を巡って裴行倹と麴家を陥れようとする。
- 琉璃は、蘇南瑾と協力関係にある県令・張寂懐の不審な動きを察知する。
- 蘇南瑾は張参軍の妹・張敏娘に目をつけ、婚姻を利用した新たな策略を企む。
あらすじ:大氏族たち
多すぎる兵糧
蘇海政は亀茲の反乱軍討伐を口実に20万石の兵糧を要求。しかし3000の敵軍を討伐するには兵糧があまりにも多すぎます。裴行倹は蘇海政が何か企んでいると感じ取っていました。
麴崇裕は父親から、蘇海政には注意して陥れられないように忠告を受けます。麴家は一族や家臣を集めて20万石の食料調達について話し合いますが、なかなか達成の目途はたちません。ようやく皆の協力を取り付けることに成功したものの、麴崇裕はそれでも不安を感じて、裴行倹に助言を求めました。
その後、蘇南瑾が麴家を訪れて進捗を確認。調達できたのは8万石に過ぎませんでしたが、麴崇裕が布地での補填を提案したので蘇南瑾は引き下がるしかありませんでした。蘇南瑾としては予想外でしたが、まだ諦めるわけにはいきません。すると部下が新しい策があると言います。それは裴行倹の知り合いの県令・張寂懐を利用するというものでした。
張寂懐と蘇親子の結託
その頃、琉璃は偶然にも町で張寂懐と蘇南瑾が密会しているのを目撃。二人が共謀していることに気づきます。裴行倹も張参軍から食事に招かれたときに不審な点を感じていましたが、琉璃からの報告を聞いて彼らが結託していると確信するのでした。
一方、張敏娘は兄が蘇南瑾に利用されているのではないかと感じていました。蘇南瑾は張敏娘と結婚して、張参軍と麴家・裴行倹の関係を壊そうとしていたのです。
解説:蘇海政が要求した20万石はどのくらい?
日本では石(こく)は容積(180リットル)の単位ですが。唐以前の中国では質量の単位で1石(せき)は80kg前後。20万石といえば16000トンという、とてつもなく大量の兵糧になります。兵士が1日で1kg消費したと言われるので。約4万人の兵が1年間食べていける量になります。
亀茲と高昌は1週間くらいで移動できるはずなので。敵兵の10倍の3万で攻めても1年もかからないはず。裴行倹がおかしいと考えるのは当然ですね。当然、そんなに大量の兵糧を短期間で集めることはできません。劇中では高価な布で補填するという予想外の提案をして済ませました。でもこれらは蘇海政の懐に入ってしまうのでしょうね。
もっともドラマ制作者が単に「多い」という意味で20万という数字を使ってる可能性も高いですが。
風起西州32話 あらすじとネタバレ
簡単要約
- 蘇南瑾の策略により、麴家は周囲の有力者たちから孤立。食糧調達が困難に。
- 王君孟は父親の意向に反して麴崇裕に協力、二人の友情が試練を乗り越えて深まる。
- 麴崇裕は蘇南瑾の結婚式に乗り込み、食糧調達の成功を宣言して一矢報いる。
あらすじ:婚礼の日
王君孟の葛藤と麴崇裕への助力
蘇南瑾の画策により大氏族たちは目先の利益のために麴家への協力を拒否。麴家は西州の大氏族たちから孤立して兵糧の調達が難しくなってきました。王君孟は父親が麴家への協力を打ち切ると決めたため板挟みになってしまいます。
でも彼は麴家との絆を忘れられず、悩んだ末に父の決定に逆らって麴崇裕に事情を打ち明けました。王君孟の正直な言葉と協力に、麴崇裕は心から感謝。二人の友情はさらに強くなるのでした。
蘇南瑾への反撃と父親の助言
食糧上納期限が迫る中、蘇南瑾が護督府にやってきました。そして張敏娘との結婚を発表します。挑発的な態度をとる蘇南瑾に麴崇裕は彼を「弟」と呼んで一矢報いました。
その直後、麴崇裕は父親が倒れたとの知らせを受けて急いで駆けつけました。父は蘇南瑾の目的が麴家を他の家族から孤立させることなので決して罠にはまらないようにと忠告するのでした。
食糧調達の成功と驚愕の宴席
蘇南瑾と張敏娘の結婚式の日、大氏族の長老たちが集まりました。彼らは麴家が兵糧を調達できないと考えていました。ところが宴席に麴崇裕が現れ「食糧は約束通りに納品する」と宣言して皆を驚かせます。
麴家の食糧調達成功を知った長老たちは動揺。蘇南瑾の代理である王参軍は、有力者たちに心配ないというのですが。
解説:麴氏と大氏族の難しい立場
ドラマの中では裴行倹に味方する麴氏が西州の大氏族の中で孤立してしまいました。麴氏はかつの高昌国の王族。彼らもそれを誇りにしていますし。唐に征服された後も西州で大きな発言力を持っていました。
ところが今回、西州の大氏族は麴氏に従いませんでした。もともと高昌国は独裁国ではなく王家も有力者に支えられて国を維持できていたからですし。高昌国滅亡によって麴氏の権威も落ちてしまったのは間違いないでしょう。
しかも蘇海政は目先の利益をちらつかせています。彼らにしてみれば裴行倹も蘇海政もどちらも唐の人間。それなら利益のある方につくのは当然かもしれません。とはいえ蘇海政の要求は朝廷の決定とは違うので。蘇海政の私腹を肥やすことにはなってしまうのですけれど。
風起西州33話 あらすじとネタバレ
簡単要約
- 朝廷での会議中に裴行倹と麴崇裕は蘇南瑾の責任逃れを暴き輸送の全権を獲得。
- 琉璃は張敏娘の言動から輸送中の危険を察知して裴行倹に警告。
- 蘇南瑾が放った馬賊は裴行倹の周到な計略によって撃破され蘇家の陰謀は失敗に終わる。
あらすじ:危険な輸送任務
朝廷での主導権争い
会議が始まり、兵糧の輸送をどうするかが話し合われました。蘇南瑾は責任を逃れようと輸送は護督府の管轄外だと主張。しかし麴崇裕は蘇南瑾と結託する張参軍に輸送を任せることを提案。これで、もし輸送中に問題が発生すれば責任は張参軍がとることになります。
ところが裴行倹が自が輸送に同行すると志願します。麴崇裕の父親は反対しますが、裴行倹の意思は変わりません。
琉璃の機転と
輸送隊が出発する直前、琉璃は寺で張敏娘と出会いました。張敏娘の様子から蘇南瑾が輸送中に何かを企んでいることを知ります。琉璃はそのことを裴行倹に報告。
馬賊の襲撃
兵糧の輸送が始まりました。蘇南瑾は理由をつけて輸送隊から離脱。その後。彼らは馬賊の襲撃を受けました。でも、これはすべて裴行倹の予想通りでした。彼は事前に援軍を用意していたのです。馬賊は蘇家の兵士たちでしたが、彼らをすべて倒すことに成功します。
蘇海政は自分たちの兵を失い激怒しますが、裴行倹の「馬賊撃退」を褒めるしかしかありません。
裴行倹と麴崇裕の帰還
輸送を成功させた裴行倹と麴崇裕は戻ってきました。一方、彼らの失敗を待ち望んでいた張敏娘は彼らの無事な姿を見て動揺します。彼女は雲伊に取り入ろうとするが、雲伊には冷たくあしらわれます。
琉璃は裴行倹のために彼の一番好きな料理を用意して無事の帰還を心から喜ぶのでした。
感想
裴行倹の頭の良さがよくわかる回でした。わざわざ難しい輸送任務を引き受けると言ったときは、何を考えているのだろうと思いましたが。妨害があると予想、それでも勝算があると判断して決めたのでしょう。琉璃の報告も裴行倹の予想を確実なものにするのに役立っています。
裴行倹はわざと300人という少ない兵を引き連れているように見せかけ。裏では援軍を用意していました。裴行倹たちを甘く見た蘇海政は結果的に大事な部下を失ってしまいます。でも彼らは「馬賊」ということになっているので、蘇海政は部下を斬られても裴行倹を怒ることができません。蘇海政の部下は無駄死にです。
解説:古代中国の馬賊と盗賊
昔の中国では政府や軍の力が及ばない場所が多く、盗賊が頻繁に出没しました。馬に乗って略奪を働く盗賊を「馬賊」と言います。彼らは政治的な混乱や飢饉があると勢力を拡大しました。兵役のある中国王朝では軍をやめた後、家に戻らず盗賊になるものもいました。彼らは軍事訓練をしているので強いです。こうした馬賊対策は歴代王朝にとっても悩みの種でしたが。
ドラマの蘇家のように賊を装って敵を襲撃する手口も常套手段。彼らは正規軍ではないので、もし作戦が失敗しても、公式的には責任を問われることがないという利点がありました。
風起西州31~33話 まとめ
またしても蘇海政の嫌がらせ。しかもまた兵糧調達という代わり映えしない方法。ドラマ的にもあまり変化がなくて。またかと思って今いたが。今回は兵糧輸送を利用して蘇海政の兵力を減らすことに成功。
裴行倹の頭の良さと軍事的な才能、琉璃の信頼関係の強さを見せつけてくれました。でも、蘇海政の怒りはさらに深まったことでしょう。
この勝利が、次に大きな対立の火種となることは間違いありません。いったいどうなるのでしょうか?
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