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中国ドラマ「浮図縁(ふとえん) 乱世に咲く真実の愛」35話・36話(最終回)のあらすじとネタバレ。
ついに立后大典が執行され、音楼と肖鐸は運命の分かれ道に立たされます。慕容高鞏の仕掛けた残酷な罠、歩音閣の悲劇的な死、音楼の発狂。そしてドラマは炎上する浮図塔を舞台に肖鐸による決死の救出劇へと突入します。
愛と自由を懸けた二人の最後の戦い、狂気に走った皇帝の崩壊を、詳しく解説します。
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※この記事はドラマ『浮図縁』のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。
浮図縁 35話 あらすじとネタバレ
簡単要約
- 肖鐸は立后大典の行列に単身乗り込むが、罠にかかり負傷。
- 肖鐸が処刑されそうになった瞬間、音楼は狂気を装い、九死に一生を得る。
- 慕容高鞏は流言蜚語に激怒。大臣や孫公公を殺害。音楼は浮図塔に幽閉される。
第35話 あらすじ:おめでたい人
偽りの皇后と血の罠
いよいよ立后の儀式当日。皇后の行列が進む中、顔を隠した男が突然飛び出してきました。于尊の注意がそちらに向いたその隙に、別の人物が皇后の馬車へ向かいます。
馬車にたどり着いたのは肖鐸でそした。しかし、そこにいたのは音楼ではなく、歩音閣でした。
その直後、慕容高鞏が仕掛けた恐ろしい罠が発動!馬車の内外から、雨のように無数の矢が襲いかかります。肖鐸は矢を受けて負傷。歩音閣は胸を射抜かれ命を落としてしまいました。
肖鐸の絶体絶命と音楼の崩壊
馬車から慕容高鞏が姿を現しました。肖鐸は隠れるのをやめて短刀を投げますが、それもかわされてしまいます。傷を押しながら音楼の馬車へ向かう肖鐸でしたが、慕容高鞏は眠らせた音楼を人質に肖鐸を脅しました。
愛する人を守るため、肖鐸は武器を捨てます。御林軍に縄で縛られ人々が見守る前で五体引き裂きの刑にされそうになりました。
その時、意識を取り戻した音楼が悲しみで我を忘れた末、突然奇妙な笑い声をあげ始めます。
曹春盎の命がけの突撃
音楼の狂ったような叫び声が響くと同時に群衆の中から「慕容高鞏が栄王を殺した!」という声が上がります。この噂はあっという間に広がり、庶民は一斉に皇帝を非難し始めました。
この大混乱に、曹春盎が馬で突っ込んできます。彼は体を張って次々と肖鐸の縄を断ち切りました。
九死に一生を得た肖鐸は御林軍を打ち倒しますが、目の前で精神を崩壊させていく音楼をただ見ていることしかできませんでした。于尊の邪魔が入るものの、九郎の助けもあり、肖鐸はその場を離れます。
「偽装死」と皇帝の暴走
安全な場所へ逃げた後、曹春盎が大怪我をしていることがわかります。彼は、皆に別れを告げ、愛する彤雲を肖鐸に託しました。涙する皆の中、肖鐸に脇へ突き飛ばされた曹春盎はなんと意識を取り戻し、すっかり元気になります。実は皆の気持ちを察して曹春盎の死んだふりをしていたのです。
一方、慕容高鞏は栄王殺害の噂に焦っていました。彼は朝廷で栄王の死をもう一度調べようと提案した大臣を人々の前で刺し殺します。このひどい行いを止めようとした太后や、長年仕えてきた孫公公まで自分の手にかけて殺害。慕容高鞏は完全な暴君となってしまったのです。
婉婉の協力と幽閉された音楼
心を病んでしまった音楼は、浮図塔(ふととう)に閉じ込められます。救出が難しい状況で、婉婉から密書が届きました。彼女が救出に協力してくれるというのです。
婉婉は于尊の助けを借りて、慕容高鞏と一緒に音楼が幽閉されている浮図塔へと入っていくのでした。
感想
慕容高鞏の狂気ぶりには引いてしまいますね。長い間仕えてきた孫公公まで、目の前で刺し殺すとは。もう人の心を失ったとしか思えません。もう彼の心の中には、皇帝としての理性も、人間的な愛情も、何も残っていないんだと感じました。
音楼への執着も異常です。彼女の愛する肖鐸をわざわざ衆目の前で処刑しようとする。その歪んだ支配欲と冷酷さには胸が悪くなります。
解説:仏教建築「浮図塔(ふととう)」
ドラマのタイトルの由来にもなっている「浮図塔」という建物が出てきました。この音楼が幽閉された浮図塔は中国語で仏教の仏塔(ストゥーパ)を意味します。
日本でいえば寺院にある五重塔がこれになります。
仏塔は仏舎利や経典を納める仏教の象徴。人々の信仰を集める神聖な場所にもなっています。
でも慕容高鞏はこの神聖な場所を幽閉場所に選びました。世間から隔離し政治的な影響力を削ぐための手段といえるかもしれません。彼女を世俗から完全に切り離し、生きたまま精神的な死刑にするという極めて陰湿な行為のように思えます。
浮図縁 最終回(36話)あらすじとネタバレ
簡単要約
- 慕容高鞏は音楼が本当に発狂したと思い塔を永久に閉ざすと決意。
- 音楼は孔明灯で肖鐸の愛を確信。隠し持った油で浮図塔に火を放つ。
- 肖鐸は炎上する浮図塔から音楼を救い出し、宮外へと脱出。
第36話 あらすじ:永遠の塔
慕容高鞏の動揺と音楼の決意
慕容高鞏は本当に音楼が発狂したのか確かめるため、于尊と婉婉に連れられ浮図塔へ向かいます。婉婉は「肖鐸は音楼を見捨てて逃げた」と嘘をつき、「魚大仙」と書かれた手紙を音楼に渡しました。
音楼は相変わらず奇妙な詩を口ずさむばかり。正気でない音楼を見た慕容高鞏は動揺して塔を後にします。
しかし音楼は「魚大仙」の封筒の中から書き置きを発見。肖鐸の救出計画をすぐに知りました。
崩壊する皇帝と救出の合図
慕容高鞏は朝廷の混乱に加え「自分は肖鐸がいなければ何者でもない」という虚無感にさいなまれます。寒食散を飲みすぎたせいで精神はさらに病んでいきました。悪夢から目覚めた彼はただ孤独に打ちひしがれるだけ。
婉婉はそんな慕容高鞏の気をそらすため灯会を提案。宮中が一時的に賑わうその夜、音楼は夜空に舞う孔明灯を見て肖鐸が自分を想っていることを確信します。そして、こっそり隠していた蝋燭の油を塔内に準備しました。
炎の決別と于尊の黙認
肖鐸たちは灯会の装飾を利用して宮中へ侵入します。浮図塔に到着する直前、慕容高鞏が塔の前に現れました。彼は扉越しに音楼への過去の想いを語りかけます。
結局、慕容高鞏は扉を開けず鍵を門の前に投げ捨てました。音楼を永遠に塔に閉じ込めると決めたのです。
絶望した音楼は隠し持った油で塔全体に火を放ちました。これが肖鐸への救出の合図です。肖鐸は炎上する塔の扉を蹴破り、音楼を抱きかかえて救出。立ち去る際、過去への執着を捨てる決意として、自身の短刀を炎の中に投げ入れました。
決死の脱出と皇帝の崩壊
二人は灯会の方へ逃げますが御林軍に見つかり築山に隠れます。追跡していた于尊は築山の前で立ち止まり、しばらく考えた後あえて見逃すように立ち去りました。
慕容高鞏と婉婉も灯会を歩く中、顔を覆った肖鐸と音楼が正面から歩いてきます。慕容高鞏が面紗を取らせようとしたその時、于尊が駆けつけ浮図塔の火災を報告しました。この混乱を利用して肖鐸と音楼は宮外へ脱出します。
報告を受けた慕容高鞏は燃えさかる塔を前に呆然と立ち尽くします。于尊が「音楼の遺体を発見した」と嘘の報告をすると、慕容高鞏の顔から感情が消え、そのまま地面に倒れ込んでしまいました。
彼は、全ての愛と執着を失い完全に心が壊れてしまったのです。
主要人物の結末:肖鐸たちはどうなった?
肖鐸と音楼
彼らは宮廷のしがらみや許されない愛の呪縛から解放され、共に外の世界へ逃げました。肖鐸が炎の中に短刀を投げ入れたのは、弟の復讐という過去との決別。そして宦官という身分からの完全な解放を意味します。二人は愛を貫き、新しい人生を歩み始めました。
慕容高鞏
彼が最も愛し執着した音楼が「死んだ」(偽装)という事実に触れて精神的に完全に崩壊しました。権力と孤独の渦の中で倒れ込み、彼の支配は終わりを告げます。
歩音閣(ほいんかく)
皇后の座を求めましたが、慕容高鞏の罠の身代わりとなり、非業の死を遂げました。虚栄心と愛への渇望が招いたあまりにも悲しい結末でした。
『浮図縁』最終回まで見た感想
『浮図縁』を完走しました。結論から言うと主演のワン・ホーディーを堪能するためのドラマという印象です。
〇 絶大な魅力:王鶴棣(ワン・ホーディー)演じる肖鐸
やはり、このドラマ最大の魅力はワン・ホーディーでした。このドラマの魅力はそれしかないと言っても言い過ぎではないでしょう。
「宦官(を装った男)なのにかっこよすぎる!」という設定は多少のリアリティを無視してでも成立させる価値がありましたね。
物語の前半で見せる冷酷で切れ者の「鬼掌印」としてのカリスマ性は抜群で、権力者としての威圧感に引き込まれました。
ただ、ヒロインの歩音楼を好きになってからの「甘々」デレモードへの切り替わりが早く「こんなキャラなの?」と戸惑う部分もありました。
こういう甘々展開が好きな人にとっては最高のギャップ萌えだったのでしょうが。
個人的には、もうちょっとカリスマ性あるワルを演じる期間があってもよかったかなとは思います。
✕ 惜しかった点:活かせなかった設定と物語の薄さ
一方で、魅力的な設定を活かしきれていない点に物足りなさを感じました。
1. 禁断の恋の緊張感がない
「前の皇帝の妃と宦官の禁断の恋」という設定は最高なのに、その緊張感が全く伝わってきませんでした。
ヒロインの歩音楼は置かれた状況の深刻さを理解していないように見え、天然で危機感が薄い言動が多く、感情移入ができません。
結果、命をかけた許されない愛というより、ただの気の合う二人のライトな恋愛コメディに見えました。
せっかくのシチュエーションが台無しになってしまったのが残念です。
2. 復讐劇としての爽快感不足
肖鐸の「復讐」というテーマも恋愛要素に追いやられ、いまいち印象に残りませんでした。
前半の冷酷な切れ者としての面が薄れたこともあって、復讐を果たした際もあっさりしすぎていて爽快感が薄かったです。
3. 悪役の強烈すぎる不快感
男二の慕容高鞏のキャラクターには拒否感しかありませんでした。ピーター・ホーの怪演は凄かったし、さすがだと思いますが。純情が歪んでモンスター化していく過程はただひたすら「気持ち悪いストーカーおじさん」。
彼の存在が主人公カップルへの応援熱を高める結果になったのは理解できますが、最後まで強烈な不快感が残りました。
まとめ
『浮図縁』は復讐劇や宮廷劇を期待すると物足りないです。
ワン・ホーディーの魅力と、軽めのラブコメとして割り切って見れば楽しめる作品です。
結末もあっさりしていましたが、あの後二人はきっと、しがらみのない場所で穏やかに幸せに暮らしたのだろうと信じたいです。
彼らのハッピーエンドだけは救いでした。
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