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度華年33・34・35・36話解説:李蓉の過酷すぎる前世と現世での決断とは?

ドラマ『度華年』33〜36話のあらすじとネタバレをお届けします。

冬嬉での毒事件をきっかけに、李蓉は前世の毒殺の全貌を知り、蘇容卿や李川との因縁にあらためて気付かされます。

粛王府の混乱、替え玉皇子の誕生、そして前世で起きた悲劇が次々と明らかに。

この記事では 33〜36話の流れを整理し、前世の秘密・権力争い・主要人物の選択がどう絡むのか を分かりやすく紹介します。

度華年(どかねん)全40話あらすじ一覧

※この記事はドラマ『度華年』のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。

この記事で分かること

  • 李蓉が前世で毒殺された真相と、背後にいた李川や上官家の思惑

  • 謝春和の毒事件と「香毒」が前世の記憶を呼び起こした理由

  • 粛王府で替え玉皇子が登場した背景と物語上の役割

  • 前世の悲劇を踏まえて、李蓉と蘇容卿が現世で直面する新たな選択

 

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度華年33話 蘇容卿が明かす真相と李川の罪

冬嬉での混乱の中、謝春和が毒に倒れ、李蓉は殺し屋に追われて崖から落ちます。李蓉は蘇容卿に助け出され、前世で毒殺を仕組んだのが李川だったことを聞かされるのでした。

 

あらすじ

上官雅が藺飛白と社交界に姿を見せる一方、蘇容華は複雑な想いを抱えながら冬嬉の日を迎えます。会場では藺飛白が蘇家へ挑むように獅子舞の勝負を仕掛け、場の緊張が高まります。

ところが謝春和が毒に倒れ、粛王も毒が回って意識不明となりその場は混乱してしまいます。

李蓉は偽の呼び出しを受けて殺し屋に囲まれますが、逃げた末に崖から転落します。蘇容卿は迷わず飛び降り、負傷しつつも彼女を洞窟へ運び込みました。

目を覚ました李蓉は前世で自分を蝕んだ毒について問いただし、蘇容卿はついに犯人が李川であると明かします。

前世で李蓉は李川に錬丹術師を紹介しましたが。その人物は世家の息のかかった者で李川を亡き者にしようとしていました。李川は李蓉の仕業と誤解。先手をうって毒殺することにしたというのです。

 

錬丹術師
丹薬という薬を作る道教系の術者、宮廷では薬物と神秘的な療法を扱う人物として重用されました。

 

今回の注目点

毒と匂い袋の謎は、なぜ李蓉の前世の記憶とつながったのか?

謝春和が倒れ毒の症状が現れ、それが匂い袋の香料で改善するという。不可解な状況が発生して李蓉は前世の記憶を一気に呼び覚ましてしまいました。

御医でさえ分からない毒が小間使いの香料で排出されるというのはどう考えても異常です。それに謝春和の毒の症状と匂い袋を使った手口が前世で自分が毒殺されたときの状況とほぼ同じでした。

ここで使われた香毒は容易に証拠が残らなりません。そのため皇族や権力者を狙うために最適で、高位の者が使う高度な手口です。

匂い袋や香料に毒・薬を仕込む手法は歴史的にも後宮や名門女性の間で密かに使われ、小説やドラマでも「香薬術」としてよく登場します。歴史上も香木や粉末は検査が難しく、密封しやすいため権力争いの陰で重宝されました。

 

李蓉のように高い地位で政治の中心にいた女性なら、この毒に関する裏事情を知っています。だから李蓉はこの場面を見て前世を思い出してしまったのです。

李蓉のこの気付きが後でさらに大きな陰謀を知るきっかけになります。

 

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度華年34話 真相を知った李蓉の選択とは

李蓉は前世で自分が毒殺された経緯と李川・蘇容卿・上官雅らが絡んだ権力争いの全貌を知り嫌悪感に襲われます。宮中では粛王の急死と周囲への不信感から上官家と手を組んで傀儡の新帝を立てる決断を下すのでした。
 

あらすじ

李蓉は蘇容卿の説明を通して、前世で自分が李川に毒を盛られて衰弱した事実を知ります。蘇容卿と上官雅は彼女を利用するために匂い袋で毒の進みを遅らせ、解毒を避けていたことも明らかになりました。李川は最期に裴文宣へ遺詔を作らせ、李蓉の死刑を命じており、彼女は前世で完全に孤立していました。

一方、宮中では粛王の容体悪化により混乱。李蓉は李川が再び暴走すると判断して上官雅を呼び出して上官家と協力し傀儡の帝を立てると告げます。

返ってきたのは強い反発でしたが、彼女は妊娠を知った裴文宣に支えられながら決意を固めるのでした。

 

注目点:李蓉は前世で何をされたのか?

話がややこしくなってきたので、このへんで前世の李蓉が何をされていたのか箇条書きでわかりやすくまとめてみたいと思います。

  1. 上官家の策略に無自覚で巻き込まれた
    李蓉が李川に紹介した錬丹術師は、上官家(李蓉の母方)が差し向けた工作員。目的は李川の体を弱らせ、政治的に排除することだった。
  2. 李川から「裏切り者」と誤解される
    錬丹術師の出自を知らなかった李蓉は、上官家の計画に気づかず橋渡し役になってしまった。李川は「姉が自分を殺そうとしている」と誤解し、敵視し始めた。
  3. 李川に毒を盛られ、体が長期間むしばまれた
    誤解の結果、李川は李蓉に毒を仕込み、毒が骨と脾臓にまで染みるほどの慢性的な衰弱状態にした。
  4. 蘇容卿と上官雅も解毒せず利用
    2人は李蓉の毒を知っていたが、匂い袋で毒の進行を遅らせつつ、彼女の動向を観察して利用。「どの勢力につくか」を確かめるため、治療を意図的に保留した。
  5. 周囲の“真実”が偽りに満ちていた
    李信は上官雅と蘇容華の子という重大な隠し事が存在。
    李蓉の判断材料の多くが操作され、周囲の人間関係が偽りだった。
  6. 李川が死の直前に“李蓉の死刑”を命じた
    李川は病床で裴文宣に遺詔を書かせ、李蓉に対する死刑命令を正式に残した。
  7. 支えになる家族も味方も失い、孤立した末に死亡
    母方(上官家)にも、弟(李川)にも裏切られ、
    誰からも信頼されず、毒と遺詔の両方で死へ追い込まれた。

李蓉の前世をまとめると

李蓉の前世は上官家の策略に巻き込まれ、弟に裏切り者と誤解されて毒を盛られ、周囲の者達に利用され続け最後は遺詔で処刑されるという、恐ろしく悲劇的な人生でした。

 

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度華年35話 替え玉の皇子と蘇家

粛王府の混乱が広がる中、蕭明は李誠に似た少年を替え玉として用意。柔妃はその計画を受け入れました。李蓉は裴文宣に前世の毒殺を打ち明け、蘇容卿は蘇容華に前世の出来事と自分の計画を語るのでした。

 

35話 あらすじ

粛王府で李誠が死亡。柔妃は情報が漏れるのを恐れ、御医の処分を命じましたが、蕭明が李誠に似た少年を連れてきたことで計画が変わりました。替え玉は長年訓練されており、柔妃は権力維持のため採用を決めました。

一方、李蓉は蘇容卿のために勢を動かして彼を救いました。その後、裴文宣に前世で自分が毒殺された事実を告白。李蓉は裴文宣を信じず敵対をほのめかします。彼女の様子に驚いた裴文宣はまだ知られていない前世のことを話し初めます。

同じころ蘇容卿も蘇容華にある「夢」を語っていました。それは兄が上官雅と愛し合い、家を離れてまで彼女を選ぼうとした前世でのできごとでした。

 

今回の注目点

李誠の都合良すぎる「替え玉」が登場する理由は何か?

蕭明は以前から蘇容卿の助言を受けて密かに顔がそっくりな少年を育てていました。柔妃は蘇家と自分を守るため、この少年を利用しました。常識的に考えるとあり得ない話ですが。中国ドラマ・小説ではこの手の替え玉はよくあります。

これは中国の文学作品やドラマは史実再現ではなく物語としての歴史を重視するからです。

中国は『史記』以来、事実よりも“因果”“徳”“運命”を描く物語性を優先してきました。中国では歴史書そのものが事実の記録ではなく物語として作られています。

歴史書でもその有り様ですから文学作品ならなおさらです。そのため宮廷は現実の組織というより、権力・裏切り・欲望を象徴化する舞台として扱われます。

替え玉・隠し子・毒・香袋といった非現実的な展開でも登場人物の運命や感情変化を見せる装置として働いているのですね。

また現代中国ドラマの多くがネット小説が原作です。視聴者は感情劇や極端な陰謀を好むため、リアリティより“盛り”とドラマ性が優先されます。そのためあり得ない展開のドラマが多くなるのです。

 

度華年36話 すべてを知った李蓉

前世では李川の即位後に失政を重ね、世家と衝突。上官雅は蘇容華と密かな関係を持ち。秦妃の死後、悲劇が起こりました。現世では李蓉と蘇容卿は同じ悲劇を避けるために別の選択を迫られるのでした。

あらすじ

前世での惨劇

蘇容華と上官雅は結ばれることなく上官雅は太子妃となりました。

やがて李川が即位。しかし彼は失政を重ね、寒門と世家の対立が拡大。李川の心は次第に歪んでいきました。

上官雅は寵愛を失って追い詰められ、蘇容華に頼り禁断の子を宿します。その事実は李川に知られないまま上官雅は皇后の地位を守りました。

しかし秦妃の死をきっかけに李川は暴君となり、世家への弾圧を強め蘇家も粛清されました。上官雅の精神は壊れ、蘇容卿は宮刑となり、裴文宣は虚しさを覚えます。

そして蘇容卿が監国、裴文宣が寒家の代表となり牽制しながら十年の年月が流れましたが。結局はあの惨劇が起きました。

現世で再び起こる争い

再び皇位を巡る争いが起こります。李蓉と蘇容卿は再び同じ過ちを繰り返さないため、李蓉は李川を帝王にすべきではないと考えるのでした。

 

注目点:上官雅はなぜここまで追い詰められたのか?

上官雅が男子を求めて、あれほど極端な行動にまで追い込まれていったのは、主に三つの理由が絡み合っていたように思われます。

  1. 李川が寒門とともに改革を進めたため、本人たちの意図に関係なく「皇后=世家」「秦妃=寒門」という対立の図式が生まれました。後宮が権力争いの舞台になってしまい、皇后が男子を産めなければ世家が皇統から外されてしまう。そんな危機が現実味を帯びていたのです。
  2. 肝心の世家が課税や弾圧で力を失い、外戚として皇后を守る余裕がなくなっていました。上官雅は皇后でしたが、ほとんど孤立無援の状態に置かれていました。産まなければ一族が途絶える。という切迫した状況に追い詰められていたのです。
  3. 李川は皇后を世家の代表とみなして遠ざけて敵視する一方、寵妃だけを溺愛するようになっていました。皇后として本来担うはずの調和や補佐といった役割は果たしようもなく、彼女の地位は不安定になっていきます。

こうした事情がいくつも重なった結果、上官雅は極端な選択へと追い詰められていったのでしょう。

 

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まとめ

前世の李蓉は上官家の思惑に巻き込まれ、弟の誤解から毒を盛られ、真実を訴えることも叶わないまま命を落としました。

上官雅と蘇容華の確執、李信の出生をめぐる混乱、秦真真の死、そして世家と寒門の対立が複雑に絡み合い、国全体が揺らいでいたのです。

現世の李蓉はその真相を知って弟の側を離れて自分の人生を歩むと心に決めました。蘇容卿や裴文宣も前世の痛みを抱えつつ、彼女を支えようとしています。

過去を繰り返すのか、新たな未来を選ぶのか?物語はその分岐点に立っています。今後の彼女たちの選択に注目したいです。

 

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度華年
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この記事を書いた人

歴史ブロガー・フミヤ

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京都在住。2017年から歴史ブログを運営し、これまでに1500本以上の記事を執筆。50本以上の中国歴史ドラマを視聴し、史実とドラマの違いを正史(『二十四史』『資治通鑑』など)に基づき初心者にもわかりやすく解説しています。

詳しい経歴や執筆方針は プロフィールをご覧ください。

運営者SNS: X(旧Twitter)

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