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鳳凰の飛翔の時代背景:天盛は唐がモデル?ドラマの世界観を解説

中国ドラマ『鳳凰の飛翔』は架空の世界のお話です。でも前王朝の滅亡、新王朝の建国、皇子たちの後継者争い、建国功臣が権力を握る様子には中国史の王朝交代期を思わせる要素が詰まっています。

とくに唐の建国期に近い雰囲気があり、歴史的な背景を知るとドラマが分かりやすくなります。

この記事では、天盛王朝の世界観や時代背景について分かりやすく解説します。

 

この記事で分かること

  • 天盛王朝と大成王朝が架空の王朝としてどのように描かれているか
  • 寧世征の挙兵から天盛建国までの背景
  • 『鳳凰の飛翔』が唐の建国期と似ていると考えられる理由
  • 大成の遺児、血浮屠、外戚や建国功臣が政争に関わる理由

 

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鳳凰の飛翔の時代背景とは?

天盛王朝と大成王朝は架空の王朝

「鳳凰の飛翔」は架空世界が舞台なので天盛王朝や大成王朝は実在しない空想上の存在です。

この設定は、中国の歴史上に何度も登場する「王朝交代」の歴史をもとに作られています。前王朝が滅びたとしても、生き残った皇族や彼らに忠誠を誓う家臣がいれば、新しい王朝にとっては自分たちの支配を脅かす危険な存在になります。『鳳凰の飛翔』は、この緊迫した状況をベースに物語が始まります。

【内部リンク】[鳳凰の飛翔は実話?天盛王朝と大成王朝は実在するのか]

ドラマの設定をもとにどういう時代で何が起きていたのかを紹介します。

大成王朝から天盛王朝へ

大成王朝末期。閔海侯・寧世征は大成王朝に仕える重臣で外戚の立場にもありました。

しかし大成王朝は衰退。すると寧世征は悪政に苦しむ民を救うという大義名分のもと挙兵。数年の戦いの後に大成王朝を滅ぼし、天盛王朝を建国しました。

大成の遺児が行方不明に

大成の皇族はほとんどが死に絶えました。しかし大成末年に大成皇室の安全を守る秘密組織 血浮屠(けつふと)は、生まれたばかりの皇帝の子供を連れて逃亡しました。

寧世征は長男の寧川と六男の寧弈を追っ手として差し向けました。寧弈は顧衡と大成の遺児を助けようとしたものの、功を焦る寧川が兵を差し向け。血浮屠の首領・顧衡は赤子を抱いて崖から飛び降り行方不明となったのでした。このとき寧弈は爆薬に巻き込まれ負傷し昏睡状態に陥ってしまいます。

奪われた功績

寧川は大成の遺児は死んだと報告。その手柄で皇太子となります。

寧弈が昏睡状態から目覚めると母は冤罪で死亡していました。父の態度も冷淡になってしまいます。それまでと変わらず優しく接してくれるのは三兄・寧喬だけでした。

三兄・寧喬の死亡と寧弈の幽閉

寧喬は皇太子・寧川が密かに血浮屠を飼いならしているのに気づきました。しかし寧川によって謀反の罪を着せられ処刑されました。

寧弈は寧喬を助けようとしたものの、勝手に兵を動かした罪で幽閉となってしまいます。

寧弈が解放される

それから数年がたちました。

天盛建国から20年。この年に天盛帝は恩赦を行い。寧弈は解放され朝廷に戻ってきました。ここからドラマが始まります。寧弈は兄・寧喬と母の冤罪を晴らし仇を討つため密かに策を練っていました。

皇位継承者争いの始まり

天盛帝には多くの皇子がいます。唯一の嫡子で長男の寧川が皇太子となり、後継者の座は決定しているように見えます。

しかし寧川は大成の遺児を始末したと皇帝に報告していますが、実際には生死は確認できていません。寧川にも弱みがあり決して安泰とは言えませんでした。

第二皇子 燕王 寧昇、五皇子 趙王 寧研、七皇子 魏王 寧斉ら、密かに皇位を狙う皇子もいます。そこに寧弈が加わり皇子同士の争いが始まるのでした。

このあとのドラマのストーリーや内容については 鳳凰の飛翔 あらすじ ネタバレ 全70話紹介 をご覧ください。

 

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鳳凰の飛翔の舞台は唐がモデル?

『鳳凰の飛翔』は架空のドラマですが、ドラマの世界観は唐の時代に似せています。

建物や衣装などが唐朝風なのはもちろんですが、唐の建国期を思わせる設定がいくつかあるのです。

新王朝建国の経緯

建国皇帝が前王朝の縁戚で重臣

天盛帝 寧世征は大成王朝で爵位を持つ外戚でした。

史実では唐の建国者 李淵は隋の皇室と縁戚(李淵の母は隋文帝の皇后・独孤伽羅の姉)にあり「唐国公」の地位にありました。皇室と近い関係にあり国を支える重臣だったのは寧世征と李淵は似ています。

王朝末期に国を守らず挙兵する

隋朝末期、煬帝の失政が重なり国は混乱。各地で反乱が起きていました。李淵は国を守る役目が与えられていましたが。煬帝死亡の報告を受けると挙兵。幼い皇帝を廃して自ら皇帝を名乗り「唐」を建国。他の勢力との戦いを繰り返し再び天下を統一しました。

寧世征も国の衰退と悪政の中で挙兵。前王朝を打倒しました。

李淵自身が挙兵した時はすでに各地に反乱軍がいて隋は傾きかけていて、決して李淵だけの力で隋が滅んだのではありませんが。隋末期の反乱勢力をひとまとめにしたような存在なのが寧世征といえます。

建国皇帝の息子たちが、次の皇帝の座をめぐって激しく争うこと

唐では初代皇帝の李淵の息子たちが皇位継承をめぐって対立しました。

すでに長男の李建成が皇太子に決まっていましたが。秦王の李世民は戦で大きな功績を挙げていたため臣下の支持も分裂。皇子同士もお互いを警戒していました。

その結果、皇位継承争いは「玄武門の変」へと発展し。皇子同士が殺し合うことになったのです。

天盛でも建国皇帝 寧世征の息子たちが皇位をめぐって争います。長男 寧川は皇太子になっていますが。皇位を狙う皇子達がいて皇位継承争いへと発展します。兄弟同士が殺しあうことになるのです。

史実では李建成は寧川のように悪事を重ねる皇子ではありませんが、有能な弟を警戒していました。

 

皇太子の地位を持つ兄と、戦績を挙げた有能な弟(皇子)が対立すること

もう一つの共通点は皇位争いをしたのが皇太子の長兄と有能な弟が対立することです。

先ほども書いた通り唐では李建成が皇太子でした。でも李建成は父の留守を任される事が多く、建国時の戦いではあまり功績をあげていません。

しかし弟の李世民は戦で成果を挙げ、唐の建国に大きく貢献しました。武将たちからの支持も高く。

しかも李淵は李世民を皇太子に近い待遇にして優遇。その結果、李建成と李世民の両方に支持者がついてお互いの指示する皇子を皇帝にしようとします。李建成から見れば、李世民の功績と人望は自分の皇太子としての地位を脅かすものでした。

天盛でも寧川が皇太子です。寧弈は長く宗正寺に閉じ込められた後、朝廷に復帰します。寧弈は表面上は野心を隠しますが、寧川にとって寧弈は自分の過去を暴き皇太子の地位を崩しかねない弟になります。

天盛帝も寧弈を能力のある使える皇子と考えていて、様々な役目を任せたりします。

皇太子と有能な弟がいて、お互いに支持者がいる。父である皇帝が息子たちの皇位争いを煽るような事をしているという点では似ています。

 

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大成の遺児はなぜ狙われる?

ドラマの中で「大成の遺児」がなぜこれほどまでに重要視され、危険視されるのかを説明します。

王朝の建国時期は不安定な時期です。前の王朝の方が良かったと思う人や、前の王朝を再興しようとする人もいます。

もし前王朝の皇族が生き残っていたら。天盛王朝の政治に不満を持つ人々が「大成の正統な後継者」としてその人物を担ぎ上げる可能性が出てきます。

ドラマでは「大成の遺児」がその役目です。

国に不満を持つ者が大成の遺児を手に入れれば天盛王朝の存在そのものを否定して反乱を起こすための強力な大義名分(旗印)がでてきてしまます。

そのため天盛の皇帝や朝廷は、大成の遺児を徹底的に探し出し排除しようとします。

ヒロインの鳳知微の出生の秘密は天盛の皇位や国の正統性、反乱の危険に直結する大きな政治問題になってしまうのです。

 

血浮屠のような組織は実際にあったのか?

大成の遺児を守る「血浮屠(けつふと)」は実在の組織ではありません。

でも血浮屠のように皇室を守る武装集団や秘密任務を担う親衛組織は中国史に実在しました。

たとえば唐の時代には皇帝の警護や都の治安を守る禁軍や近衛軍がありました。明の時代になると、錦衣衛(きんいえい)のように皇帝直属で臣下の監視や摘発を行う秘密警察のような組織も登場します。

血浮屠はこれら特定の組織をそのまま再現したものではありませんが、前王朝の親衛隊、生き残った残党勢力、秘密組織、暗殺集団といった要素を掛け合わせて作られた、ドラマ独自の設定といえます。

血浮屠は大成王朝の正統性を守る組織ですが。天盛王朝にとっては国を脅かす危険なテロリスト集団にすぎません。そのため血浮屠は危険な存在として扱われるのです。

 

建国功臣と名門家門|天盛の朝廷が不安定な理由

天盛の朝廷が不安定なもう一つの大きな理由は「建国功臣」の存在です。

天盛は建国からまだ20年です。長い時間が経って安定した王朝ではありません。新しい王朝では、皇帝一人がすべての権力を握っているわけではなく国を作るための戦いで手柄を立てた武将(建国功臣)、皇帝の親族、地方に地盤を持つ名門家門が朝廷で強い影響力を持っています。

常家は建国に貢献した家門で皇帝を脅かす力を持ちますし。閔海も中央の力が及びにくい侮れない存在です。

皇帝は建国の段階では彼らの軍事力や財力を必要としました。でも王朝が成立して国を治める段階になると、今度は彼らの力が皇帝の権力を脅かすようになります。

中国の史実でも、同じような問題が起きています。

漢を建てた劉邦は建国後に力を持つ諸侯や功臣を警戒し次々と粛清しました。唐の建国期でも、有力な武将や皇子たちの勢力が複雑に絡み合い、争いが起きています。明を建国した朱元璋も、建国後に功臣を強く警戒し多くの者を処罰しました。

建国功臣は新王朝を作るために必要ですが、王朝が安定し始めると皇帝にとって邪魔な存在に変わります。

『鳳凰の飛翔』はこうした史実でもあった皇帝と功臣の難しい関係もよく表現しているといえます。

 

外戚の力・皇子の母方一族が皇位継承に関わる理由

ドラマでは外戚という言葉が重要な意味を持ちます。

外戚とは、皇后や妃の実家、つまり皇子たちの母方の一族のことです。

ある皇子が皇帝の座に近づけば、その母方の実家も大きな権力を握ることができます。逆に言えば、皇子が争いに敗れれば、一族もろとも没落する危険があります。そのため、外戚は自分たちの血を引く皇子を全力で支援し、政争に深く関与します。

ドラマに登場する「常(じょう)家」はその代表例です。常家は皇太子や燕王側と深く結びついた外戚であり、強大な名門勢力として描かれます。皇子の背後にこのような強力な家門が存在しているからこそ、皇位をめぐる争いは単なる兄弟喧嘩では終わらず、国を揺るがす大事件へと発展していくのです。

青溟書院と無双国士|学問で政治に入る仕組み

青溟書院とは

劇中に登場する青溟(せいめい)書院は唐代の国子監を思わせる場所です。唐代の中央教育制度では、国子監の下に国子学・太学・四門学・律学・書学・算学の六学が置かれ、将来の官僚候補が学びました。

青溟書院は名門家門の子弟が集まって学問に励み優れた人材を朝廷に送り込む場所として描かれているので、国子監の中の国子学・太学・四門学の要素を合わせたドラマ独自の学校といえます。

中国王朝といえば科挙を思い浮かべるかも知れませんが。唐時代は科挙での採用は限られており、名家の子弟を国の学校で教育して役人にする方法もありました。

 

無双国士とは

無双国士は学校で行われる人材選抜で最も優秀な人物に与えられる称号です。青溟書院で行われる試験では、政治・軍事・国家運営などの問題が出されます。その答えが皇帝や重臣に認められると、その人物は無双国士と呼ばれます。

無双国士に選ばれると、その人物は朝廷から特別な人材として注目され。皇帝や皇子の側近として取り立てられる可能性が高くなります。

史実では無双国士は正式な官職や制度の名称ではありません。古典に出てくる 人物評価の言葉 です。

意味は「国の中で並ぶ者がいないほど優れた人物」という評価です。

この言葉は史記・淮陰侯列伝 に出てくる言葉です。漢の初期、劉邦の軍で蕭何が韓信を強く推薦したとき、次のように説明しました。

韓信は国士無双の人物である

出典『史記・淮陰侯列伝』

ここで使われている言葉が国士無双(こくしむそう)の元ネタです。

青溟書院や無双国士は史実の学校や称号をそのまま描いたものではありませんが。学問を修めた士人が政治に参加する仕組みをドラマ向けに分かりやすく見せるための設定といえます。

 

閔海・金獅・大悦:様々な勢力達

『鳳凰の飛翔』の世界では天盛の都以外にも閔海(びんかい)、金獅(きんし)、大悦(たいえつ)といった外部の勢力が登場。ドラマはさらに広がりを見せます。

閔海:中央の支配が及びにくい地方勢力

海に面した土地。天盛の中にありますが遠いため中央の支配が届きにくい地方です。現地の有力者が独自の判断で動くこともあり、朝廷の命令もすんなりとは実行されないこともあります。

寧世征自身も大成時代には閔海侯だった人物。ここから軍を起こして大成を倒しました。閔海の常家も寧世征に協力して建国に貢献しました。閔海は天盛建国や常家の力と結びついた重要な土地でもあるのです。

でも今でも常家が力を持つ閔海は皇帝になった寧世征にとっては逆に扱いづらい土地です。自分が大成の立場になる可能性もあるからです。

金獅国

モンゴル草原にある遊牧民国家。独自の王族や有力者を持つ勢力です。

天盛が唐なら金獅国は突厥のような存在。

使者の往来はありますが、天盛に従属しているわけではなく独自の活動を行っています。そのため天盛は金獅を力で従わせるだけでなく同盟、使者、婚姻、軍事の駆け引きによって関係を維持する必要があります。

大悦国

中国王朝をモデルにした天盛とは違う違う文化を持った国。中原王朝に服従する少数民族国家のイメージ。

寧弈の母・雅楽は大悦日落族の出身。天盛帝に捕らえられて天盛の妃になりました。そのため寧弈にも因縁のある土地です。

 

鳳凰の飛翔の時代背景まとめ

ドラマに出てくる天盛王朝と大成王朝はどちらも架空の国です。でも滅びた前王朝と新しく立ち上がる王朝の対立や、ひそかに生き延びていた遺児の存在、暗躍する血浮屠といった設定は中国史の王朝交代期をモデルにしてるぶぶんもあります。

皇子たちの後継者争いや、建国の功臣、外戚、名門家門が権力を握っているのも史実ではよくあることで。このドラマは特に唐の建国期に近い要素が散りばめられています。

天盛の宮廷で繰り広げられる化かし合いは、唐代を舞台にした重厚な政治ドラマとして観ると、ストーリーがすんなり頭に入ってきますよ。

もしドラマの途中で人間関係や政治の駆け引きがわからなくなったら、ぜひこの背景を思い出してみてください。鳳凰の飛翔の世界観をもっと楽しめるはずです。

天盛帝や寧弈、そして鳳知微のモデルになった人物については別の記事で詳しくまとめています。気になる方はぜひそちらもチェックしてみてくださいね。

鳳凰の飛翔は実話?人物と天盛王朝のモデルを解説

天盛帝 寧世征は実在する?鳳凰の飛翔の皇帝のモデルは誰?

ドラマのストーリーについてこちらをご覧ください。
中国ドラマ 鳳凰の飛翔 あらすじ ネタバレと全70話紹介

 

王朝時代劇
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この記事を書いた人

歴史ブロガー・フミヤ

著者 自画像

京都在住。2017年から歴史ブログを運営し、これまでに1500本以上の記事を執筆。50本以上の中国歴史ドラマを視聴し、史実とドラマの違いを正史(『二十四史』『資治通鑑』など)に基づき初心者にもわかりやすく解説しています。

詳しい経歴や執筆方針は プロフィールをご覧ください。

運営者SNS: X(旧Twitter)

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