ドラマ『度華年』37〜39話のあらすじとネタバレをお届けします。
李蓉は弟・李川が暴君化する未来を恐れつつ弟と対話します。一方、華京では蘇容卿と裴文宣が家督を奪取。皇宮は一夜にして反乱の渦へ。
この記事では 37〜39話のドラマの流れと、姉弟の心理、皇宮を覆う政変の経緯をまとめ、各話の注目点を分かりやすく整理します。
※この記事はドラマ『度華年』のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。
この記事で分かること
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李蓉が抱く“前世の恐怖”と、実際の李川とのズレ
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蘇容卿・裴文宣が家督を奪った歴史的背景と意味
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皇宮を包む反乱軍と各勢力の動き
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李蓉と蘇容卿の決裂が物語に与える影響
度華年37話 李川の覚悟
裴文宣に付き添われて東宮を訪れた李蓉は、衝立越しに負傷中の李川と向き合い、幼い頃の思い出を確かめながら、今の彼が誠実で温和な少年だと感じ直します。
あらすじ
李蓉は将来の暴走を恐れる本音を口にし、もし彼が母を幽閉し姉を害するような人物になるならどうするのかと問いかけました。李川は剣を渡し、そんな未来になる前に自分を斬ってほしいと強い意思を示します。
李蓉は動揺しつつも木箱を斬って気持ちを整え、西北の危機と蘇家の動きを伝えたうえで、督察司を託して華京を離れる決意を固めました。
華京では皇帝が李誠を慰め、柔妃と蘇容卿は今夜の行動に踏み切ろうとしていました。
度華年 38話の注目点
李蓉は本当に弟を理解していたのでしょうか?
37話のポイントは「李蓉の頭の中にある李川」と「現実の李川」のズレにあります。
今の李川は姉を守るために自分を犠牲にできる穏やかで純粋な少年として描かれます。でも李蓉は前世で暴君となり自分を殺した“別の李川”を基準に彼を問い詰め、「将来、母を幽閉し、叔父を殺し、姉を毒殺するならどうするのか」と極端な未来像を提示してしまいます。
ここで李蓉は眼の前の弟本人よりも、別世界で起きた恐怖と悲しみに囚われているのです。でも、これは単なる誤解ではなく歴史的・心理的に非常にリアルな反応です。
李蓉はまさにその状態で、信じたい気持ちと恐怖の間で揺れ続けています。だからこそ彼女は「信じていないのは李川ではなく、この世の人心」と言い残し、弟そのものではなく“権力を持てば人は変わる”という残酷な歴史を恐れていると示しました。
この回の見どころは、李蓉が“前世の色眼鏡”という呪縛に気づき始めてはいても、完全には外しきれないところにあります。
二度目の人生で姉弟は本当に理解しあえるのか?その問いかけが37話最大の注目点と言えるでしょう。
度華年38話 皇宮の崩れゆく夜
蘇容卿は父を制して蘇家を我がものとし、同時に裴文宣も裴家の実権を奪取しました。二つの動きが重なった夜、皇宮では皇后が禁衛軍を抑え、皇帝の寝宮が包囲されます。李蓉は皇帝を救い、蘇家の謀反を暴き、皇帝から玉璽を託されるのでした。
あらすじ
蘇容卿は父の蘇閔之を薬で動けなくし、家主の令牌と私兵を掌握しました。南門の兵を残して外地軍を呼び寄せ、今夜の挙兵に備えます。
同じ頃。裴家では裴文宣が祠堂で叔父の裴礼賢を追い詰め、家主の令牌を奪って軍を動かしました。
二家が同時に動いた一方で、李蓉は郊外へ向かう途中に事態を知らされ反乱阻止のため宮中へ戻ります。
皇后は偽の聖諭で禁衛軍を指揮下に収め皇帝の寝宮を制圧。李川は召集に応じて入宮して父の疑念に傷つきます。蘇容卿の陰謀が明らかになると、皇帝は李蓉に玉璽を託し、朝議の代理を命じるのでした。
度華年 39話の注目点
蘇容卿が父から家督を奪った意味
蘇容卿は蘇閔之の怒声を受けても落ち着いて茶を淹れ、薬を塗った茶碗を手渡して父の警戒を和らげました。蘇閔之の体が急に動かなくなると、蘇容卿は静かに寝台へ運び家主の令牌を奪いました。
この場面では、彼が「孝」や父子の情より蘇家の延命を優先し、すでに決意を固めていることがわかります。
唐代の名家では家主の交代が政争に直結し、『通典』には父子が家督を争った例もあります。
劇中で蘇容卿と裴文宣が同時に令牌を奪う流れは、豪族が「家の実権=軍事力」を握る様子を描いたものといえます。
度華年39話 李蓉の危機
李蓉は「監国長公主」として朝議を代行する立場を得ますが、蘇容卿は臣下を率いて宮中へ押し入り、李蓉を人質に取りました。蘇容卿と李蓉の対話は決裂。裴文宣は李蓉を守るため決死の攻撃に出ました。
39話のあらすじ
夜が明け、大殿で皇帝の聖旨を受けた李蓉は「監国長公主」として朝政を預かる立場を知ります。
そこへ蘇容卿を筆頭とする諸家主が押し入り、太子排除を掲げて宮中に迫ります。李蓉が皇帝の健在を宣言すると場の空気が変わり、蘇容卿が単独で李蓉との交渉に入りました。二人はお茶を前に向かい合い、世家の役割や北伐の失敗を巡って激しく意見が割れ、和解は不可能となります。
外では裴文宣と荀川が兵を率いて城へ進軍。李蓉救出を試みましたが、王大人の妨害と兵力差で突破は困難でした。
最終的に李蓉は兵力差を考えて蘇容卿と同行することにしました。裴文宣は大臣達に降伏を促しますが、蘇容卿は反論。李蓉が争いを止めるようにとの懇願も無視します。
結局、裴文宣と蘇容卿は互いに兵を率いて戦い続けるのでした。
度華年 39話の注目点
蘇容卿の主張「世家にも寒門にも善悪がある」という部分は、歴史的にも筋が通っています。
『漢書』や『通典』にも、豪族が民を救った例と、寒門にも腐敗がある例が記録されており、身分によって善悪が決まるわけではありません。
しかし蘇容卿はその“正しい部分”を、自分のクーデターの正当化に利用してしまいました。父を薬で倒し、一族の兵を掌握し、皇帝が生きていると知りながら攻城を止めず、太子李川を殺す前提で動いた時点で、彼の行動は「一族の存続を優先する世家の私利私欲」そのものに変わってしまいました。
李蓉は茶席で北伐や財政難の原因が世家・皇族双方にまたがる制度的問題にあると指摘。個人の罪にすり替える蘇容卿の理屈を否定します。二人はかつて同じ志を語れた関係でした。でも蘇容卿が正論を大義名分化し、権力を奪う道具に使ったことで完全に決裂しました。
結局、蘇容卿は「正しい問題意識」と「間違った行動」を同時に抱えた人物となり、彼自身が批判していた“世家の私益優先”へ堕ちていったのです。
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