中国ドラマ「如懿伝~紫禁城に散る宿命の王妃~」27・28・29・30話のあらすじとネタバレ感想を紹介。
如懿が冷宮で孤独な日々を過ごす中、皇帝の心は彼女から離れることはありませんでした。そんな乾隆帝の様子に貴妃たちは焦ります。そして如懿が毒を盛られるという事件が発生。乾隆帝はいよいよ如懿を戻すことにするのでした。そして阿箬の罪も明らかに。
※この記事はドラマ『如懿伝』のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。
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如懿伝27話 ネタバレとあらすじ
あらすじ「冷宮を出る日」
皇后のもとに貴妃、嘉嬪が集まって話をしていました。嘉嬪は乾隆帝が如懿の「緑頭牌」を作成しようとしていると話し、如懿が復帰する兆しをつかみました。すると貴妃は「如懿を絶対に生きては冷宮から出さない」と主張。それに対して皇后は焦りすぎだと言うのでした。
嘉嬪と貴妃はお互いが海貴人を陥れたと疑っています。阿箬も貴妃が如懿を陥れたと言うと、貴妃は如懿を裏切った卑しい者と罵倒。父と弟を人質にして如懿の暗殺を命じるのでした。
乾隆帝は如懿を冷宮から救い出す機会を伺っていました。そんななか、海貴人が安息香の毒のせいで体調を崩し、冷宮でも如懿が毒に苦しんでいるという報告を受けます。乾隆帝は如懿の生死に冷たい態度をとる阿箬を厳しく叱るとすぐに冷宮へと向かいました。
如懿の命に別状はありませんでした。乾隆帝は彼女の手を握って「必ず宮廷に連れ戻す」と約束します。
皇后と貴妃は危機感を持ちますが、阿箬が何か行動を起こすだろうと思い、様子を見守ることにしました。
そして乾隆帝は如懿を紫禁城で最も豪華な翊坤宮へと迎え入れるのでした。翊坤宮に入った如懿は、自分を冷宮送りにした乾隆帝に複雑な気持ちになるのでした。すると如懿は皇帝に凌雲徹の昇進を願い出て、乾隆帝はそれを認めるのでした。
感想:如懿が歩いて戻ったわけ
如懿は李玉から冷宮を出て翊坤宮に迎えられると聞いても「歩いてきたのだから、歩いて帰る」と輿には乗らず自分の足で冷宮から歩いて翊坤宮に向かいました。普通の妃嬪なら喜んで輿に乗るところでしょう。乾隆帝の施しはいらない、自分の力で生きていくという意思の表現ではないでしょうか?途中で楼閣に立って紫禁城を見下ろしていましたが、自分は復活したという勝利宣言と同時に、自分を陥れた者への復讐を決意が込められているのかも知れません。
解説:如懿が暮らした翊坤宮(よくこんきゅう)の歴史
翊坤宮は紫禁城の西六宮にある宮殿のひとつ。永楽帝の時代に作られ清朝でも使われました。明・清の上位の側室たちが暮らした場所です。如懿のモデルになった継皇后の他、雍正帝の寵愛を受けた年貴妃の他、歴代の貴妃クラスの妃嬪が暮らしました。晩年の西太后もここに住んだことがあります。
如懿伝28話 ネタバレとあらすじ
あらすじ「寵愛の裏側」
如懿は冷宮から戻って休養していました。すると海蘭が彼女のもとを訪れます。如懿は自分で毒を飲んだことを明かすと、海蘭も毒にあたったのは如懿のためだといいます。そして海蘭はこれから生まれる子は如懿に育ててほしいと懇願、如懿もそれを受け入れます。
如懿は太后に拝謁。後宮の平和を保つためには一人の妃嬪が寵愛を独占すべきではないという太后の考えを理解したと述べます。その後、如懿は皇后に挨拶。そのとき皇后が贈った不妊の腕輪を外していました。皇后のたくらみを知った如懿は、皇后に不信感を持っていました。その一方で純妃から大阿哥を返すという申し出を如懿は「まだ早い」と断り純妃の信頼を得ました。
その後、乾隆帝阿箬の位を慎嬪に昇格させますが、冊封式は行いませんでした。阿箬は自分が偉くなったと勘違い。嘉嬪と対等になったからと傲慢な態度を取りますが嘉嬪に頬を叩かれ、自身の立場は名ばかりのものなのだと思い知ります。
その後、如懿は海蘭の異常な食欲に気づいて江太医に診察を依頼しました。すると海蘭の安胎薬には胎児を重くさせる薬草が過剰に含まれていることがわかります。難産させるために誰かが仕組んだものだとわかりました。
一方、阿箬は乾隆帝の寝所に呼ばれましたが、ずっとひざまずかせているだけでした。乾隆帝はそばに置くのは使い道があるからで、自分と如懿の永遠の召使いだ告げます。
阿箬は如懿を陥れたのは自分一人だと主張し黒幕を明かしませんでした。乾隆帝はそれ以上追及せず、彼女をひざまずかせ続けるのでした。
感想:皇帝の本心
乾隆帝は阿箬を嬪に昇格させたものの、冊封せず部屋の飾りも貴人のまま。寝所に呼び出すものの、ただ跪かせるだけでした。周囲からみたら寵愛しているように見えても阿箬にとっては屈辱です。でも恥ずかしくて人には言えません。乾隆帝はじわじわと阿箬を精神に追い詰めていますね。これも黒幕をあぶりだすための作戦なのでしょうね。
如懿伝29話 ネタバレとあらすじ
あらすじ「毒の贈り物」
如懿は皇后から贈られた腕輪に不妊の原因に零陵香が含まれていたことを江太医に伝えると、零陵香を取り除いてもらいました。皇后に気づかれないように毒を外した腕輪をまた身に付けました。
さらに如懿は毓瑚から皇帝が冷宮にいる間も彼女の安全に気遣い、彼女が作ったハンカチや組紐を買い上げていたことを知ります。如懿は乾隆帝の心遣いに感謝しするのでした。
正月の宴の席で乾隆帝は妃嬪たちに贈り物として真珠を渡しました。でも阿箬には朱砂を贈ります。それは乾隆帝は阿箬が犯人だと疑っているという証です。毓瑚の口から阿箬が小福子と小安子に賄賂を贈っていたことが明かされます。すると海蘭や嘉嬪が阿箬を追及し始めました。そして玫貴人は自分の子供を殺したのが阿箬だと知り頬を叩きます。こうして如懿の冤罪は晴れました。
乾隆帝は阿箬を尋問にかけるよう命じると、阿箬は召使いの服に着替えさせられました。でも貴妃の侍女から弟たちの命を人質に脅された阿箬はすべてを一人でやったと自白。如懿を陥れるために、冷宮での放火や蛇の騒ぎまで仕組んだことも認めるしかありませんでした。
阿箬は如懿が恨めしいと言いますが、乾隆帝は阿箬をそばに置いていたのは如懿の潔白を証明するためだけで、阿箬を愛したことは一度もないと冷たく言います。
毓瑚の調査により阿箬の後ろには高貴妃がいることが判明。皇后も関わっている可能性があるので、乾隆帝はこれ以上の追及はしないことにして、阿箬に責任を負わせることにしました。
解説: 零陵香(れいりょうこう)
如懿が皇后からもらった腕輪に仕込まれていた「零陵香」は サクラソウ科植物。強い香りがあり古くから香料として用いられてきた植物です。鎮静作用があるとされ、日本でも使われます。
でも史実では不妊効果があると考えられていたわけではありませんし。腕輪に仕込んだだけで不妊になることもありません。
でも中国の宮廷ドラマでは妃が香料を利用してライバルを不妊させるという設定がよくあります。漢方医薬などが発展して香や薬への信仰が根強い中国では、ドラマを作る方も見る方も香や薬を使えば「リアル」と思うのでしょうね。
如懿伝30話 ネタバレとあらすじ
あらすじ「命懸けの出産」
阿箬は乾隆帝によって二度と言葉を出すことができないよう薬を盛られました。乾隆帝は如懿に阿箬を処分するよう命じ、阿箬に主を裏切った罪を償わせました。如懿は阿箬を冷宮に送りました。まもなく、彼女は首を吊って自害しました。
夜。海蘭は待望の皇子を出産しますが、江太医は外され許太医と李太医が海蘭の世話をすることになります。海蘭は難産となって意識を失いました。でも斉太医の機転と「定坤丹」という薬のおかげで海蘭は助かりました。
海蘭が産んだ皇子は「永琪」と名付けられ、如懿が養育することになりました。海蘭は自分と子供を陥れた者たちに復讐することを誓います。
如懿は三宝に命じて嘉嬪と通じていた許太医と李太医を尾行させますが、嘉嬪は証拠が掴まれる前に彼らを始末したので証拠をつかむことができませんでした。
皇后は阿箬の死を巡る不吉な噂を皇帝に報告しますが、皇帝は皇后が噂を放置していることを厳しく叱って噂を鎮めるよう命じます。一方、宮中では阿箬の怨霊が彷徨っているという噂が広まり、如懿の宮殿に「鬼火」が現れる、如懿はシャーマンを呼んでお祓いをさせます。貴妃もこの噂に怯えて精神的に追い詰められていくのでした。
解説:定坤丹は清朝の宮廷で使われた薬
「定坤丹(ていこんたん)」は実在する漢方薬。中国の清朝時代には宮中の女性たちも愛用しました。婦人科系の疾患、特に月経不順や出血過多に用いられたと伝えられています。鹿茸や高麗人参など貴重な材料が含まれた高価な薬です。
劇中では海蘭の出血を止めるために使用されました。ドラマのように命を失いそうなほど危機的な状態を救えるかどうかは怪しいですが。清朝の宮廷で使われたのは確かです。
現代では滋養強壮のほか、抗炎症、鎮痛効果があるとされ、貧血や体質の弱い人にもよいとされています。
解説:鬼火と怨霊の迷信
如懿の宮殿に「鬼火」が出現したと騒ぎになっています。中国の迷信では怨念を持って死んだ者の魂は「鬼」となり、夜に火の玉となって現れると信じられていました。日本で「人魂」「狐火」、英語で「ウィル・オ・ウィスプ」と呼ばれるものと同じです。
「鬼」は日本では角の生えた怪人を意味しますが、中国では死者の霊を意味します。とくに怨念を持って生者に恨みを持ち危害を加えようとする霊のことをいいます。
如懿がシャーマンを呼んでいますが、満洲人は精霊信仰を信じており。サマンと呼ばれる呪術師が例と交信したりお祓いや儀式をしていました。こうした中国と満洲の伝統や信仰がミックスしたのが清朝なのです。
如懿伝の登場人物
- 如懿(にょい) 演:ジョウ・シュン
- 乾隆帝(けんりゅうてい) 演:ウォレス・フォ
- 鈕鈷祿氏(ニオフルし)/皇太后(こうたいごう) 演:ヴィヴィアン・ウー
- 富察氏(フチャし)/皇后(こうごう) 演:ドン・ジエ
- 海蘭(ハイラン)/海常在(かいじょうざい) 演:チャン・チュンニン
- 高晞月(こうきげつ)/慧貴妃(けいきひ) 演:トン・ヤオ
- 金玉妍(きんぎょくえん)/嘉貴人(かきじん) 演:シン・ジーレイ
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