独孤伽羅 最終回(55話)のネタバレとあらすじを感想いりで紹介します。
北周の皇帝となった宇文贇はますます横暴に。
楊堅は宇文贇の暴走を止め、結果として帝位に就くまでの過程は、目的のためには手段を選ばない冷徹さが見え隠れしますが、それは当時の乱世を生き抜くためには避けられない道だったのかもしれません。しかし、その代償として麗華との確執や伽羅との心の距離が生まれてしまうのは、なんとも切ないですね。
それでは独孤伽羅の最終回を楽しみください。
独孤伽羅 最終回の主な登場人物
- 独孤伽羅(どっこ から)演:フー・ビンチン
独孤家の三女。隋の初代皇后。 - 楊堅(よう けん)演:チャン・ダンフォン
もと伽羅の夫。隋の初代皇帝。 - 独孤曼陀(どっこ ばんた)演:リー・イーシャオ
独孤家の次女。 - 李淵(り えん)演:リュウ・チーイー
曼陀の息子。後の唐建国者 - 楊麗華(よう れいか)演:チアン・イーイー
独孤伽羅と楊堅の娘として育てられる。 - 冬曲(とう きょく)演:ウー・ジンジン
- 尉遅繁葉(うつち はんよう)演:スン・ジンジン
独孤伽羅54話 天下統一 までのあらすじ
宇文邕の息子・宇文贇が第4代皇帝に即位。楊麗華が皇后となりました。
宇文贇は尉遅熾繁と手を組み楊堅に敵対的な行動をとります。楊堅は宇文贇の行動の背後には曼陀がいることを知り龍興寺に監禁。
しかし宇文贇は狂気じみた行動をとり皇后を5人も立てました。さらに麗華が宇文贇に傷つけられたことで伽羅は激怒。短剣で宇文贇を脅して二度と暴挙に出ないことを約束させ楊堅に兵符を渡します。
宇文贇は皇太子に譲位して楊堅が丞相となりました。その後、宇文贇は急死。楊堅のせいだという噂が広まります。
麗華と楊堅の間には埋められない亀裂が生じ、伽羅もどうすることもできませんでした。
後を継いだ幼帝 宇文闡は楊堅に禅譲。伽羅も認めるしかありません。
こうして北周は滅亡。楊堅が隋を建国しました。
しかしその直後に宇文闡が死亡。宇文家は滅亡し楊堅への疑いが深まります。
そして楊堅は陳と梁を滅ぼし天下を統一。「独孤天下」の予言は実現しましたが、伽羅との間に埋めがたい溝ができてしまうのでした。
独孤伽羅 最終回 55話 独孤の天下
楊堅と陳の公主たち
文帝 楊堅(ようけん)は臣下たちと宴を開き、舞を披露する歌姫の中に、かつての陳の皇帝の娘・寧遠公主(ねいえんこうしゅ)と臨川公主(りんせんこうしゅ)がいることに気づきました。
楊堅は彼女たちが奴婢となっていることを哀れに思い、故郷へ帰そうとしますが陳はすでに滅んでいました。
大臣は妃に迎え入れるよう進言しますが、楊堅は伽羅を愛しているので側室にはせず、史書編纂の女官として宮中に留めることにしました。
曼陀の策略と李淵の思い
曼陀は自分の若い頃の肖像画に似た宮女を探すように命じ、李淵(りえん)がその光景を目にして、母親が何か企んでいることをすぐに気づきました。
李淵は幼いですが曼陀のことをよく知っており、かつて曼陀が阿史那(あしな)公主に宇文闡(うぶんせん)を殺害するよう唆したことも知っていました。
曼陀は息子に楊家の皇位を狙うよう焚きつけますが、李淵は乗り気ではありませんでした。
さらに曼陀は楊堅と伽羅の愛情を破壊しようと画策します。
繁葉との過ちと伽羅の決断
楊堅は香を焚いているときにめまいを感じ、繁葉(はんよう)に支えられます。彼女は曼陀の若い頃に似ていました。そして楊堅は彼女と関係を持ってしまいます。
その後、意識を取り戻した楊堅は繁葉に才人の位を与えその場を去ります。
同じ頃、伽羅は尚宮の蕭氏から、楊堅が宮女を寵愛したことを聞かされ衝撃を受けます。伽羅は彼女に白絹を賜りました。
このことを知った楊堅は激怒して伽羅を非難します。二人の間に深い溝ができてしまい、楊堅が去った後に伽羅は血を吐いてしまいます。
夫婦の和解と伽羅の死
楊堅は伽羅が旧居に移ったことを知り、駆けつけます。楊堅は自分が伽羅に対して無頓着だったことに気づき後悔するのでした。
伽羅が物思いにふけっていると楊堅が門の外に立っていました。彼は伽羅の前に跪き許しを乞います。
二人は涙を流しながら抱き合い楊堅は譲位して伽羅と共に天下を旅することを誓います。
しかし翌日、伽羅は昏睡状態に陥り病の苦痛に耐えきれずにこの世を去りました。
楊堅の孤独と「独孤天下」の真実
伽羅が亡くなって二年後。楊堅はまるで別人のように老け込んでしまいました。
伽羅との思い出が彼を深く苦しめ共に築き上げた「独孤天下」が、結局は彼一人を孤独にさせることになった現実を噛み締めます。
何人もの人たちがこだわった「独孤天下」が、結果的に楊堅一人の孤独な天下になってしまうとは皮肉なものです。
彼は帝王として天下を手に入れたけれど、一番大切な人を失ってしまった。権力と引き換えに本当の幸せを失ってしまったような気がして切ないですね。
曼陀の執念と最期の願い
一方、曼陀もまた臨終の時を迎えていました。彼女は最後の力を振り絞り、息子の李淵(りえん)に帝位を諦めないよう言い聞かせます。
それは曼陀がこの人生で最後に抱いた願いであり、「独孤天下」の予言が自分にも当てはまることを願ってのことでした。
曼陀は最後までブレません。腹がたつを通り越して潔いと思ってしまいます。死の間際まで息子に帝位を託すとは。曼陀らしいと最期でした。
楊堅と曼陀の最期、そして唐の成立
仁寿四年(604年)。隋の文帝 楊堅は仁寿宮で崩御しました。
その数年後、義寧二年(618年)には唐王となった李淵が隋恭帝(ずいきょうてい)から禅譲(ぜんじょう)を受けて長安で即位。国号を「唐」としました。
武徳元年(618年)。曼陀は追諡(ついし)されて皇后となり「元貞皇后」の称号が与えられたのでした。
独孤の三姉妹がそれぞれに天下を目指し皇后となったのです。
生きて皇后になることはできませんでしたが、息子が帝位に就いたことで、死後ではありますが皇后として追諡されたのは、彼女にとって本望だったでしょうね。歴史の大きな流れを感じる瞬間です。
「独孤天下」の終焉
武徳九年(626年)。玄武門の変(げんぶもんのへん)が起こり、李淵の子である李世民(りせいみん)が父の位を奪いました。
その後、李淵は垂拱殿で崩御。
こうして「独孤天下」は一つの区切りを迎えました。
独孤伽羅 最終回までの感想
独孤家の三姉妹がそれぞれ違う王朝の皇后になったのは事実。
これだけをみても凄いことだと思います。長い中国の歴史を見てもこの三姉妹だけです。
ドラマではこれを「独孤天下」という予言を絡め、般若、伽羅、曼陀、それぞれが違う形で天下に関わり、それぞれの愛と野望を貫きました。まさに歴史に名を刻んだ三姉妹ですよね。
同じ時代を扱った「独孤皇后」と比べると史実と違う部分が多いのですが。三姉妹の伽羅の性格付けがはっきりしているし、個性が違うのも面白い。宇文護を魅力的な悪役に設定したのもエンタメ作品としては良かったと思います。
そのぶん宇文護の死後の権力争いが、ただの醜い争いになってしまった部分があるのがちょっと残念。とくに皇位を簒奪する側を主人公して描かないといけないので、楊堅・伽羅を美化し過ぎな部分はあったかなと思います。
隋が建国してからの経緯が省略しすぎて物足りない。楊堅・麗華の父娘対立ももっと酷かったはずですが。こちらのドラマはあっさりしすぎ。
ただ、滅びる側がボロカスに悪く書かれるのは中国史では繰り返されていることなので。こういう演出になるのはわかります。
ドラマとしては面白かったですね。
独孤伽羅の物語全体を知りたい方は ドラマ独孤伽羅 あらすじ 全話まとめ もぜひチェックしてみてくださいね。
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