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中国ドラマ「灼灼風流(しゃくしゃくふうりゅう) 宮中に咲く愛の華」 25・26・27・28話のあらすじとネタバレ。
劉衍と慕灼華が心を通わせ病を克服し愛を深める一方、柔嘉公主と沈驚鴻の恩蔭制度廃止に向けた陰謀が激化するのでした。
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※この記事はドラマ『灼灼風流』のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。
オリジナル版を見た感想をもとに書いています。BS版は編集されて話数が変わっている場合があるのでご注意ください。
- 慕灼華(ぼ・しゃくか)/慕琦(ぼ・き)
演:ジン・ティエン - 劉衍(りゅうえん)/定王
演:ウィリアム・フォン - 劉皎(りゅう きょう)/柔嘉公主
演:ワン・リークン - 劉琛(りゅうしん)/第一皇子
演:ジョウ・イーラン - 沈驚鴻(しんきょうこう)
演:シュー・ハイチャオ
灼灼風流 29話 ネタバレとあらすじ
簡単要約
劉衍は病により慕灼華を突き放すが、彼女のひたむきさに心動かされる。柔嘉公主・沈驚鴻は恩蔭制度の画策を本格化させる。
あらすじ:2人きりの会話
雨の中、門前で待つ
劉衍を追って都を飛び出した慕灼華がようやく彼のもとにたどり着きました。
先代の皇帝が亡くなったばかりで仕事に追われる劉衍は彼女に冷たい言葉を浴びせます。
ひどい言葉を言われ慕灼華は深く傷つきますが、劉衍は「疲れた」とだけ言い残し立ち去ってしまいます。
雨が降りしきる中、慕灼華は劉衍の家の門前で昼から夜までずっと待ち続けました。
雨に打たれ、倒れかけた慕灼華を劉衍が外に連れ出し部屋へ運び入れました。眠る彼女を見つめながら劉衍は心の中でつぶやきます。
「いつか天国とこの世で別れる時が来る。そうなったら彼女はきっと苦しむのに」
柔嘉公主の暗躍
劉衍が都を離れたのをチャンスと見た柔嘉公主は母の墓前で誰も自分の邪魔はさせないと決意を新たにしていました。
柔嘉公主は沈驚鴻に「恩蔭制度」の件を進めるよう命じます。彼女は新皇帝 劉琛に恩蔭制度の悪いところをあえて意識させました。その後、頃合いを見て家柄の良い者たちを朝廷に送り込むための名簿を沈驚鴻に渡しました。
嘘と再会の抱擁
目を覚ました慕灼華に劉衍は「世話をしたのは郭巨力だ」と冷たく嘘をつき、すぐに都へ帰れと追い出そうとします。
その言葉に慕灼華は深く傷つき、泣きながら彼の元を去ります。
しかし、彼女が去ったと聞いて部屋から出た劉衍の背後に慕灼華はすぐに姿を現しました。
彼女は劉衍の病気が再発して悪くなっていることに気づいていたのです。
劉衍は「俺はすぐに死ぬ人間だ。時間を無駄にするな」と、ついに病状を告白します。
それでも、慕灼華はきっぱり言います。
「価値があるかどうかは、私が決めること。これからは、私があなたを守る」
二人は夕焼けの中で強く抱きしめ合い、心を通わせました。その後、慕灼華と趙院使の懸命な治療のおかげで、劉衍の体にあった毒は、ついに解けたのです。
灼灼風流 30話 ネタバレとあらすじ
簡単要約
劉琛の世襲貴族排除の決意は大臣の反対に遭う。劉衍は調査を進めた結果、黒幕が柔嘉公主だという確証を得た。
あらすじ:皇帝と貴族
新皇帝と貴族の対立
新皇帝 劉琛は、沈驚鴻に会い「恩蔭制度」の問題点や、貴族が好き放題していることを訴えます。これを聞いた劉琛は「貴族このままにしておくと国がダメになる」と考えるのでした。
看病の幸福と疑惑の再燃
劉衍は慕灼華の看病を受けていました。慕灼華は劉衍の背中の数えきれない傷を見て、彼が過酷な運命を歩んできたのかを察します。
夜になると劉衍は「宮殿で起きた事件のあの時、何かおかしい点があったはずだ」と考えを巡らせ始めます。「拒馬河の戦いと遺言のすり替えは同じ人物がやったことに違いない」そう確信した劉衍は真実を明らかにするために都へ戻ることを決めまるのでした。
劉衍が朝廷の争いを収める
朝廷では沈驚鴻にそそのかされた劉琛と蔭位廃止に反対する大臣たちが激しく言い争いをしていました。
そこに劉衍が姿を見せます。劉琛は困っている現状を訴えて助けを求めますが、劉衍は「今はまだ動くべきタイミングではない」と劉琛をなだめ、事態を収拾させます。
太后の暗号と黒幕の正体
劉衍は見舞いに来た太后に腕を強く噛みつかれます。家に戻り劉衍が慕灼華にその歯形を見せると、彼女は以前に柔嘉公主の腕で見た傷と同じだと気づきます。
慕灼華はこれが「犯人を示す太后からの暗号だ」と劉衍に伝えます。この手がかりと、先代の皇帝の側近が柔嘉公主と関わっていたという情報が結びつき、劉衍は一連の事件の黒幕が柔嘉公主であると確信を得ます。
慕灼華は柔嘉公主に利用されているかもしれない沈驚鴻を心配するのでした。
灼灼風流 31話 ネタバレとあらすじ
簡単要約
柔嘉公主の画策により太皇太后が自尽。劉琛は劉衍を議政王に封じ世家廃止論が激化する。
あらすじ:静かなる牽制
弟のために生きることを決めた執剣
執剣が仇が柔嘉公主だと知り復讐を焦ります。しかし慕灼華は「そんなことをしたら弟の執墨を苦しめることになる」と説得。
慕灼華の言葉に執剣は弟と交わした「生きて誕生日を祝い合おう」という約束を思い出し。復讐を一旦おさめ兄として弟を守り抜くことを決意します。
柔嘉公主が反撃開始
柔嘉公主は執剣に暗殺されかけたため、劉衍に疑われていることを確信。
彼女は皇帝 劉琛と劉衍の仲がを裂くため沈驚鴻に計略を指示します。
皇姑祖の登場と離間策の実行
その後、事件の黒幕の一人であった太皇太后は罪を恐れて自ら命を絶ちました。
太皇太后の訃報を受けて皇姑祖が都へ駆けつけます。劉琛は彼女が持つ伝説の武器「誅邪剣」に興味を示しますが、皇姑祖は「この剣が出るときは国が危ない時だ」と言い劉琛は諦めます。
ところが柔嘉公主はその誅邪剣を手に入れようと企み始めるのでした。
劉琛が劉衍を「議政王」にする
沈驚鴻は「劉衍は自分の領地へ帰るべき」という噂を庶民に広め劉衍を都から追い出そうと画策。劉衍はこれが柔嘉公主と沈驚鴻の狙いだと気づいていました。
沈驚鴻の扇動で劉衍は朝廷で「劉衍が都に長く居座り、政治に口を出しすぎている」と非難を浴びます。しかし劉琛は劉衍を「議政王」に任命し、皇帝のそばで政治に参加することを許すのでした。
柔嘉公主は劉衍に祝いの言葉を伝えました。劉衍は彼女の子どもの頃の思い出を語り彼女の良心に訴えかけようとします。柔嘉公主は動揺した様子を見せつつ「なぜ領地に帰らないのですか」と劉衍を拒むのでした。
沈驚鴻が世襲貴族廃止論を突きつける
慕灼華は沈驚鴻に役人になった最初の気持ちを覚えているかと尋ねます。沈驚鴻は「国を平和にし国民を安心させることだ」と答えますが、慕灼華は意味深な言葉を残して立ち去ります。
その後、劉衍と慕灼華は孫汝が庄文峰と手を組んでいた証拠を掴み朝廷で告発。劉衍は誰かが孫汝を罠にかけたのではないかと疑いますが、沈驚鴻は否定。厳しく徹底的に調べるべきと正義ぶって主張。さらに「世家大族の制度そのものをやめるべきだ」と過激な提案を突きつけるのでした。
灼灼風流 32話 ネタバレとあらすじ
簡単要約
沈驚鴻は劉琛を説得し世襲廃止の機運を高める。師を暗殺され悲しみに沈む慕灼華は柔嘉公主の策略と沈驚鴻の説得により恩蔭制度廃止のため彼との共闘を決意した。
あらすじ:2つの勢力
恩蔭制度を巡る火種
学問を志す者の間で商守が書いた「恩蔭制度は無駄だ」と訴える論文「清冗策」が広く読まれていました。沈驚鴻はこの論文を劉琛に見せ「恩蔭制度が庶民の出世の道を閉ざし、世襲貴族をのさばらせる災いになっている」と訴えます。劉琛はこの制度をこのままにしてはおけないと決意するのでした。
柔嘉公主の狙いと商守の覚悟
柔嘉公主は沈驚鴻と武術の稽古をしながら「劉琛と劉衍の間に疑いの種がまかれた」と喜びます。
劉衍と慕灼華は状況を分析「今回の動きは商守個人を狙ったものではなく、慕灼華をターゲットにしている」と考えます。
貴族の孫汝は「清冗策」を見て激怒。手下に商守を脅すよう命じます。商守は孫汝の手下に脅されますが。黒装束の男たちによって商守を暗殺してしまいます。
この知らせを聞いた慕灼華は悲しみに暮れ。劉衍は慕灼華を抱きしめて慰めます。劉衍の部隊の調査により商守のもとには孫汝の一団の他に正体不明のもう一つの集団が接触していたことが判明します。
恩蔭制度廃止へ向かう共闘
沈驚鴻は自分が「清冗策」を強引に推し進めたせいで商守が死んだと自分を責めます。しかし柔嘉公主は「彼の死はむしろ都合がいい」とこの悲劇を利用するよう促します。
柔嘉公主は沈驚鴻に慕灼華と手を組ませ恩蔭制度の件を早く処理するよう指示します。
慕灼華は商守の意思を知り悲しむのをやめて官服に着替えます。そして恩蔭制度を廃止するためなら沈驚鴻と手を組んで第一歩を踏み出すと告げるのでした。
朝廷では慕灼華が恩蔭制度の悪い点を劉琛に訴え、沈驚鴻も彼女を後押しして廃止を強く主張します。劉衍は「今、貴族と正面からぶつかるのは良くない。裏で漁夫の利を得ようとしている者がいる」と警告します。しかし慕灼華は「誰かが地獄へ落ちなければならない」と覚悟を見せます。柔嘉公主は沈驚鴻に孫家から攻めるよう指示しますが、沈驚鴻の古い友人である孫雲謙だけは命を助けることを約束するのでした。
考察:議政王(ぎせいおう)の意味
劇中で劉琛が劉衍を「議政王」に任命。政治への参加を許しました。中国の君主制ではかなり珍しいことです。
「議政」とは架空の称号ですが。「政治について議論する」という意味があります。軍事的・皇族としての権威を持つ劉衍に最高レベルの政治的発言権を与えるという意味です。
普通、王(皇族)は封地を与えられ都を離れ、自分の領地を治めて暮らします。都で政治に参加するのは皇帝と官僚です。
劉琛の意図:劉琛は自身の権力と権威の一部を劉衍に与えました。これによって劉衍を批判する大臣や貴族は、彼を私的な政治介入と攻撃することができなくなりました。劉琛は劉琛という身代わりを立てて、貴族との対立を乗り切ろうとしているわけです。
歴史上は「議政王」という官職名が存在したわけではありませんが、清代の「議政王大臣会議」など、特定の皇族や重臣に政治の重要事項を議論する特権を与える制度はありました。それをモデルにしていると思われます。
解説
恩蔭(おんいん)制度と政治的背景
恩蔭制度とは科挙による採用とは別に高位の官僚や貴族、功績のあった者の子弟、優れた者を推薦により官職を与える制度です。ただし昇進できる官位には上限はあります。
朝廷は建国の功臣や有力な一族を冷遇できないため、この制度は長く存在しました。科挙合格者は基本的に皇帝独裁の駒として使われますが。皇帝権力と名門貴族の既得権益との間のバランスを取るための手段の一つとしても働きました。有力家門にとっては科挙合格者が出なくても官職に就かせることができる。朝廷としても安定して人材を確保できるという双方のメリットがあります。
この制度は清朝まで残り、朝鮮にもありました。
出典・根拠: 『新唐書』や『宋史』などの官僚制度に関する記述に、恩蔭の規定が見られます。特に唐代以前は、科挙制度が未発達だったこともあり、恩蔭による登用が重要な地位を占めていました。
解説:「清冗策」と「冗官」の問題
商守の著した「清冗策」は「冗官」の排除、つまり不要な官僚の整理を訴える論文です。これは歴代の中国王朝が抱えていた問題でした。とくに宋代には冗官が問題になります。
冗官の問題: 恩蔭制度によって貴族の子弟や縁故者が能力に見合わず官職に就いたこともありますが。頻繁に科挙を行った結果、官僚の数が増大しました。これが国家の財政を圧迫する最大の原因になりました。
科挙合格者も口先だけで実務能力の伴わないものが多く。能力のない冗官が増えて政治の非効率化を招き、国政運営の弊害となります。
歴史上は、北宋の王安石の改革(新法)の時代などに「冗官」の整理がテーマとなったことはあります。
ドラマでは商守の主張は世襲貴族の反発を招くだけですが。歴史上はより高い地位に就ける科挙合格者の反発の方が大きかったのです。
灼灼風流 29から32話のまとめと今後の展開
衝撃の告白と深まる絆
劉衍はついに自分が病気だと打ち明けました。でも慕灼華は献身的に彼を愛し続けそのおかげで劉衍の毒は解けていきます。
二人は太后が残した暗号などからこれまでの事件の裏にいるのは柔嘉公主だと確信。すべてが繋がったのです。
権力を巡る策略と混乱
柔嘉公主が企んでいたのは世襲貴族の特権である「恩蔭制度」を巡って、新しい皇帝・劉琛と劉衍を対立させることでした。彼女は沈驚鴻を利用して、宮廷中をひっかき回します。
そんな中、慕灼華の先生だった商守が殺されてしまいました。
怒り、決意、そして静かなる監視
先生を亡くした悲しみと怒りから慕灼華は腹をくくります。彼女は「恩蔭制度」をなくすため敵であるはずの沈驚鴻と協力し始めました。
一方、劉衍はこの裏にもっと大きな黒幕がいるのではと警戒、あえて動きません。いったい、この先どうなるのでしょうか?

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