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灼灼風流 1・2・3・4話のあらすじとネタバレ

中国ドラマ「灼灼風流(しゃくしゃくふうりゅう)・宮中に咲く愛の華」 1・2・3・4話のあらすじとネタバレを感想とともに紹介します。

女性が科挙に挑戦して官吏を目指すという異色のドラマ。慕灼華は結婚を拒否して都で役人を目指します。彼女が出会ったのは「戦神」と恐れられる定王・劉衍。

この記事では『灼灼風流』の第1話から第4話までのあらすじと、物語をよりもっと楽しめる解説と感想を紹介します。

※この記事はドラマ『灼灼風流』のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。

オリジナル版を見た感想をもとに書いています。BS版は編集されて話数が変わっている場合があるのでご注意ください。

灼灼風流 キャスト・登場人物
  • 慕灼華(ぼ・しゃくか)/慕琦(ぼ・き)
    演:ジン・ティエン
  • 劉衍(りゅうえん)/定王
    演:ウィリアム・フォン
  • 劉皎(りゅう きょう)/柔嘉公主
    演:ワン・リークン
  • 劉琛(りゅうしん)/第一皇子
    演:ジョウ・イーラン
  • 沈驚鴻(しんきょうこう)
    演:シュー・ハイチャオ
詳しい登場人物とキャスト紹介は灼灼風流 キャスト・登場人物紹介をご覧ください。
 
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灼灼風流1話 あらすじとネタバレ

あらすじ:結婚なんてしたくない

慕灼華は裕福な商家の娘。今は亡き母の言いつけで学問にはげんでいましたが、父から政略結婚を迫られていました。父の慕栄は18番目の妻を迎えて家中が大賑わい。その最中に慕灼華は侍女の郭巨力と共に密かに家を抜け出しました。

灼華は結婚して家に入るという古い生き方をしたくないので、科挙を受けて自分の力で生きていこうと考えていました。すでに郷試を受けて合格。次は会試を受けるつもりでした。

道中、追っ手から逃れるため人々から「戦神」と恐れられる定王・劉衍(りゅう えん)の馬車に突っ込んでしまい、機転を利かして追跡をかわしました。

都にたどり着いた慕灼華は花街で路大娘が営む宿に身を寄せました。そこで彼女は医術を知っているという理由で元歌姫の宋韻の診察を頼まれました。

その夜、慕灼華は宋韻と再会。妓楼「小秦宮」の花魁、雲想月(うん そうげつ)の診察を頼まれます。雲想月の体調を診察した慕灼華は彼女が花魁選考会に出場するのはむつかしいと思うのですが、雲想月は無理をしてでも参加したいと言うのでした。

感想:大富豪の子だからできる受験勉強

科挙は誰でも受けることができると言われますが。実際には独学で合格は無理ですし、相当な財力がないと科挙に受かるほどの教育をするのは不可能。現実には庶民には縁のない世界です。

例えれば義務教育も公立校もない世界で東大に合格しろというのと同じ。子の能力以上に親の経済力が重要ですね。

慕灼華の父は18人も妾がいるほどの大富豪ですから慕灼華も学問ができたのでしょうけど。かといって父は娘を役人にするつもりはないですし。困りましたね。

 

解説

中国の科挙は官僚になるための試験制度。ドラマの科挙は女性が受けられる設定ですが。それ以外は史実をモデルにしているようです。科挙には主に2つの段階がありました。

・郷試は3年に一度、主要都市で行われる地方試験です。厳しい予備試験を通過した「生員(秀才)」だけが受験できます。この郷試に合格すると「挙人」と呼ばれ、次の段階である会試の受験資格が得られました。

・会試は郷試の翌年に首都で開催される中央試験です。郷試に合格した挙人のみが受験でき、より高度な学識が求められました。この会試を突破すると「貢士」と呼ばれ、最後の最終試験「殿試」へと進むことができました。

 

灼灼風流2話 あらすじとネタバレ

あらすじ:見知らぬ男の正体

雲想月は体調が悪かったので侍女の素雲を身代わりにして定王・劉衍を接待させました。

雲想月は事情があって「こうするしかなかった」と打ち明けますが、劉衍は彼女が生き延びようとしているだけだと非難しました。でも雲想月は劉衍自身も同じではないかとあざ笑うのです。劉衍は、かつて譚林が死んだときに何もできなかった自分を思い出すのでした。

ところが刺客が現れ雲想月は毒によって命を落としました。劉衍も毒に侵され意識が朦朧とする中でその場を去って別の部屋に逃れました。

劉衍が入った部屋にはは慕灼華がいました。劉衍は慕灼華を敵だと思い、彼女の首を絞めますが慕灼華は自分が医者だと伝えると、ようやく手を放します。

彼女は慕灼華を妓楼の客だと思って治療します。劉衍の服が特別な人の物だと気づきましたが黙っていました。

その後、劉衍は部下に見つけられ雲想月の遺体の調査を京兆尹に命じて去ります。

翌日、慕灼華は雲想月毒殺の容疑で尋問を受けますが無関係を主張します。劉衍は彼女の処方箋を別の医者に鑑定させて慕灼華が優れた医者だと知ります。

慕灼華は家に帰り、雲想月の死を悲しんでいました。郭巨力が「誰が雲想月を殺したか知っている?」と尋ねたので、慕灼華は屋根の上にいる何者かにわかるよう。自分が犯人を知っているかのようにふるまいます。

その後、劉衍の護衛が慕灼華を訪ねて彼を診察するよう求めてきました。慕灼華は劉衍の前にひざまずきます。そして彼の背中の傷や献上品の布地から、正体に気づいていたことを明かしました。その場で正体を明かさなかったのは命の危険を感じたからだと説明するのでした。

 

京兆尹(けいちょういん):首都の治安を守る者

劉衍が雲想月の遺体について「京兆尹に徹底的に調べさせろ」と命じる場面があります。京兆尹とは漢~唐王朝で首都・長安とその周辺地域の行政・司法・軍事を司る官職のことです。朝廷の会議にも出席できるので他の地方長官よりも地位が高いです。

現代で言えば警視総監や都知事に近い立場です。都知事は国会に参加することができないので現在の知事よりも地位は高いです。ただし長安が首都でなくなると他の都市と同じ地方長官になってしまいます。

架空王朝ドラマでは単に「首都の長官」という意味で使われることもあります。

 

灼灼風流3話 あらすじとネタバレ

あらすじ:賢すぎて怪しい

劉衍は慕灼華を連れて雲想月の遺体を見に行き、検死をさせます。慕灼華は怖いと感じつつ雲想月の服に毒が仕込まれていたことを突き止めます。さらに彼女は毒の正体が「還陽散」と呼ばれる珍しい薬で、おそらく太医院でしか手に入らない可能性が高いと言います。

そして毒を盛った人物は劉衍の病状をよく知っていたと考えました。というのも普通の毒なら「雪塵丹」で打ち消されてしまうからです。慕灼華は事件のカギを握るのは侍女だと思いますが、その侍女が殺されていたことを知り恐ろしくなるのでした。

劉衍は慕灼華の有能さに感心して彼女を監視するよう部下に命じます。

そのころ都では皇帝・劉俱が城楼から民を眺めつつ定王・劉衍が国を治めるのを助けてくれることに感謝していました。すると人々の尊敬を集める柔嘉公主・劉皎が現れました。

慕灼華と郭巨力が街で買い物をしていると、周管理人が自分を捕まえようとしているので逃げました。そして文字当てクイズをしている劉皎に近づいて参加、劉皎に気に入られるのでした。周管理人は慕灼華と劉皎が一緒にいたので手出しができませんでした。

その後、慕灼華は文錚楼に到着。詩会で五連勝している秀才・沈驚鴻の噂を耳にするのでした。

解説:還陽散

還陽散という毒が使われました。還陽散は東洋医学でも使われる薬。硫黄が主成分の薬りです。体の陽気が不足しているときに使うと陽気を補うことができるとされます。

硫黄は血行を促進して冷えや疲れを改善するとされます。抗菌・抗炎症作用もあるとされます。しかし大量に使用すると湿疹や皮膚がただれたり。化合物になると毒になります。

淵羅花や雪塵丹は架空の毒や薬です。

 

灼灼風流4 あらすじとネタバレ

あらすじ:高みの見物

文錚楼の詩会で慕灼華は「養虎為患」というテーマについて自分の考えを話しました。彼女は劉衍を「虎」と見なす人々の発言に反論。彼が功を貪っている非難は理解できないと言います。隣室でその言葉を聞いていた劉衍は自身の過去の戦いを思い出して慕灼華の言葉に心を動かされるのでした。

すると詩会に沈驚鴻が現れ「患」を「用」に変え。虎は凶暴な動物ですが、虎をうまく飼いならすことができれば、虎を役立てることができると言います。

慕灼華はその場から立ち去ろうとしましたが。周管理人が待ち構えていました。そこでsの場に現れた劉衍を彼に仕える身分になったと告げます。

劉衍は慕灼華が私利私欲のために自分に取り入ろうとしているのを知っていますが。彼女が官吏になるために女性がどれほど苦労するかと話すのを聞いて、理解を示して部下に彼女を家まで送らせるのでした。

帰り道、劉衍はかつての戦友だった譚林の父親に会い、譚林の子が病で亡くなったことを知ります。譚林の父は劉衍が譚林を戦場から連れ帰ってこなかったことを恨んでいる様子でした。劉衍は彼の言葉を聞いて悲しみに包まれるのでした。

柔嘉公主・劉皎は済善堂で貧しい人々を助け学堂を開いていました。そこに沈驚鴻が現れ、幼い頃に助けてもらった恩返しにここで教鞭をとりたいと言い出すのでした。

解説:「養虎為患」

今回話題になっている「養虎為患(ようこいかん)」は中国の歴史書『史記・項羽本紀』に書かれている故事が由来。現代語訳は「虎を飼うと危ない目にあう」で、危険なものをそのままにしておけば、心配の種を後に残すことになる。という意味です。

劇中では劉衍をこの虎に例えて、危険な人物だという者がいる一方で。沈驚鴻は「患」を「用」に変え、逆に「飼いならして役に立てればいいのだ」と発想の転換を主張しています。科挙を受ける文人士人はこういう議論が好きです。ただの言葉遊びで終わることが多いですが、役に立つ議論になることもあります。沈驚鴻の場合はどちらなのでしょうか?

 

灼灼風流 1から4話のまとめと今後の展開

なんといって女性の科挙が実現した社会なので。慕灼華が正攻法で科挙を目指す展開が描かれているのが面白いですね。過去のドラマは男装したり身分を偽ったりで、無理な展開のドラマが多かったのですが。

中国時代劇は半分ファンタジーみたいなものですから、こういう設定もありだと思います。とはいってもそういう制度ができたのと。世間の理解があるのとはまた別。やっぱり女性が官吏になるのは難しい点が描かれていたり、慕灼華もそれがわかっているから劉衍とのコネを作ろうとしているのも説得力があります。

それにしても慕灼華は科挙の勉強するだけでも精いっぱいのはずなのに、医学の知識はどこで覚えたの?と思うのですが。「主人公が万能すぎて努力しなくても何でもできる」のも中国ドラマあるあるですね。

今後は慕灼華はうまく劉衍と関係を築くことができるのでしょうか?沈驚鴻も胡散臭い感じがしますが、どんな存在になっていくのか注目したいです。

 

中国ドラマ
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この記事を書いた人

歴史ブロガー・フミヤ

京都在住。2017年から歴史ブログを運営し、これまでに1500本以上の記事を執筆。50本以上の中国歴史ドラマを視聴し、史実とドラマの違いを正史(『二十四史』『資治通鑑』など)に基づき初心者にもわかりやすく解説しています。

詳しい経歴や執筆方針は プロフィールをご覧ください。

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