蘭陵王 第16話・第17話・第18話のあらすじをまとめました。
宿敵・宇文護を討つため、北周の皇帝・宇文邕は忠臣を自らの手で葬るという試練をむかえることに。そして宇文邕はついに宇文護を討ち果たすことに成功。
宇文邕と蘭陵王は和解。蘭陵王と雪舞は北斉に戻ることになるのですが。
この記事で分かること
この記事はネタバレがあります。
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忠臣・尉遅迥の処刑に込められた「宇文護の巨大さ」
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史実の「撲殺」からドラマの「知略劇」へ変わった理由
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英雄・蘭陵王への嫉妬が招く、太子・高緯の暴走
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北斉の仏寺建立に見る、民を疲弊させた権力の虚栄
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蘭陵王 あらすじネタバレ全話まとめをご覧ください。
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蘭陵王 あらすじ 16話 天女の治療
宇文護の謀反を阻むため宇文邕は忠臣の尉遅迥を自ら処刑するのでした。
あらすじ16話
周の皇帝・宇文邕(うぶんよう)は、姪の貞(てい)を救うために雪舞(せつぶ)を呼び寄せました。
周の宮中では大塚宰・宇文護(うぶんご)が帝位を奪おうと動き出していました。宇文護の側近として潜入していた玉兎は、疑いを晴らすために差し出された毒酒を飲み干し、命がけで反乱の計画を宇文邕に報告します。
これを受けた宇文邕は信頼を寄せる将軍・尉遅迥(うっちけい)と密かに会い、反撃の機会をうかがうことを誓い合いました。
しかし、宇文護の還暦を祝う宴の席で宇文護は宇文邕の忠誠心を試すため、捕らえた尉遅迥をその場で処刑するよう命じたのです。
宇文邕は激しく悩みますが、ここで拒めばすべての計画が崩れてしまいます。彼は涙をこらえて自らの剣で尉遅迥の命を奪いました。
心に深い傷を負った宇文邕でしたが雪舞の温かい言葉に救われ、彼女を離したくないという思いを強くします。
一方、宇文護はあきらめず、宇文邕を毒殺しようと新たな企みを巡らせていたのでした。
ここに注目:尉遅迥の早すぎる退場はなぜ?
史実では尉遅迥は楊堅に立ち向かって討たれた
北周を守り続けた尉遅迥(うっち けい)がここで命を落としてしまいました。尉遅迥は実在の人物で、北周の前の西魏の時代から宇文泰に仕え、北周建国後も宇文氏に忠誠を尽くしてきた臣下です。歴史では楊堅が皇帝の座を奪おうとしたとき立ち向かって討たれました。
でもドラマでは尉遅迥が皇帝を守るために立ち向かおうとしたのは宇文護でした。
皇帝を守るため奸臣に立ち向かって命を落とすのは同じですが。ドラマと史実では立ち向かった相手が違います。
なぜ尉遅迥はここで宇文邕に斬られたのか?
ドラマ『蘭陵王』の宇文邕の最大の敵は宇文護です。宇文邕が彼を倒すためには、大きな困難に立ち向かい、辛く非情な決断もしなければいけない。宇文護はそれほど大きな敵だと視聴者に伝える意図があるのでしょう。
宇文邕は自分で忠臣を切って傷つき、その心の傷を癒やすのが雪舞。そして宇文邕は雪舞を政治に利用するための存在ではなく、一人の女性として意識するようになる。そんな筋書きにするために、ここで宇文邕に大きな試練を与えないといけない。ここで宇文邕が苦しむほど、あとで宇文護を倒した時のインパクトが大きくなる。
ドラマの尉遅迥はその犠牲になったのですね。
史実の尉遅迥についてはこちらで詳しく紹介しています。
→尉遅迥の史実 生涯と最後・蜀平定から楊堅への挙兵まで
蘭陵王 あらすじ 17話 謀反の結末
宇文邕は宇文護を油断させ、ついに宿敵を討ち取ることに成功。長年にわたる傀儡皇帝としての屈辱に終止符を打ちました。
あらすじ
宇文邕は雪舞に想いを伝えますが。でも彼女には拒まれます。二人の様子を密かに見ていた蘭陵王は雪舞に正体を明かし再会を喜び脱出しようとします。
宇文邕の胸中には、かつて宇文護に毒を強制され、弟の自分を救うために自ら毒を仰いだ兄・宇文毓(うぶんいく)への誓いがありました。
そして宇文邕はついに宇文護を討つため大臣たちとともに反撃を試みますが大臣は犠牲になり。大殿には無残な姿となった玉兎の亡骸が引きずり出されました。
宇文邕は食事に仕込まれた毒によって激痛に襲われその場に倒れ込みます。勝利を確信した宇文護は、ついに玉座へと手をかけようとするのでした。
しかしそれは宇文邕の計算通りでした。毒を飲んだふりをして敵を欺き、宇文護に渡した名簿も実は宇文護自身の配下の名前を記した偽物だったのです。宇文邕は隙を突いて宇文護を討ち取り、ついに実権を取り戻しました。
政変後、宇文邕は雪舞の心が蘭陵王にあることを認めて二人を解放します。彼は蘭陵王と「三年の停戦」を誓い雪舞との別れを選んだのでした。
注目点:宇文護暗殺が脚色された意図
ドラマでは宇文邕が宇文護を欺いてその場で斬るという華やかな勝利として描かれました。
歴史書の『周書』によると史実でも宇文邕は宇文護を欺いて殺害に成功しました。572年、宇文邕は宇文護を太后(母)への挨拶に同行させ、太后に酒を控えるよう諭す文章(酒誥)を読ませました。宇文護がその文を読んでいるとき無防備になった背後から、宇文邕が料理用の笏(こつ)で打ち据え、さらに控えていた弟たちがとどめを刺したと伝えられています。
でもエンタメ作品としては「皇帝が不意打ちで撲殺」するのは少し画面的に寂しくてヒーロー的ではありません。
「蘭陵王」の宇文邕は敵とはいえ心を通わせるキャラクター。蘭陵王と並ぶもう一人の主人公と言える存在です。だからドラマでは宇文邕に共感できるよう知略による逆転劇にアレンジされているのだと思います。
蘭陵王 あらすじ 18話 停戦と仏寺建立
蘭陵王は周との停戦を実現させ英雄として迎えられますが、太子・高緯は嫉妬から民を苦しめる仏寺建立を強行するのでした。
あらすじ 18話
周国での政変を切り抜け、鄴へ帰還した蘭陵王 高長恭は、皇帝・高湛に「三年の停戦協定書」を献上しました。
戦わずして平和をもたらした蘭陵王の功績を皇帝は絶賛。しかし父の寵愛と民の支持を独占する蘭陵王に対し、太子・高緯の嫉妬心は爆発寸前まで膨れ上がります。
高緯は自身の存在感を示すため、蘭陵王が民の貧困を理由に反対した「仏寺建立」を強引に推し進めることに決めました。
宮中では蘭陵王と雪舞の婚礼準備が華やかに進みますが、雪舞は高緯との確執が蘭陵王の身を滅ぼすことを予感し、慎重に振る舞うよう夫を諭します。
一方、かつて二人を陥れようとして追放された鄭児は、官奴として仏寺建立の現場で働かされ地獄のような日々を送っていました。
過酷な労働と虐待に耐えながら、彼女の心にあるのは自分を捨てた蘭陵王と、幸せの絶頂にいる雪舞への凄まじい復讐心だけでした。
ここに注目:高緯は民を苦しめるほど仏事建立をおこなったのか?
史実では北斉は王朝をあげて仏教を保護した国でした。役所の施設を寺院に転用する(例:并州の尚書省を大基聖寺にするなど)といった動きが活発でした。
でも高緯個人が特定の寺を新築したという記録は乏しいものの、国としては寺院を作ることは行っています。
史実の高緯は即位後に、災害や飢えがあるのに宮殿や庭園の造営を行って民を疲弊させました。
ドラマでは「北斉では仏教が盛ん」という部分と「高緯は民を疲弊させるほど建設を行った」という要素を合体させ、分かりやすい仏寺建立という事件に仕立てています。
これで高緯の見栄が民を苦しめたというのを分かりやすく表現しているのですね。
主な登場人物
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宇文邕(北周皇帝)
忠臣を斬る非情な決断を経て、ついに宇文護を討ち実権を奪還。 -
宇文護(大塚宰・実権を握る権臣)
皇帝を操る立場から一転、宇文邕の策略により討たれる。 -
尉遅迥(北周の忠臣・将軍)
皇帝を守るため、宇文邕の手で処刑される。 -
蘭陵王/高長恭(北斉の名将)
三年停戦を成立させ英雄として帰還。 - 雪舞(天女と呼ばれる女性)
宇文邕の心の支えとなりつつ、蘭陵王との未来を選ぶ。 -
高緯(北斉の太子)
蘭陵王への嫉妬から仏寺建立を強行し、民心を失う道へ進む。
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