中国ドラマ『楽游原』第35・36・37・38・39話のあらすじをまとめました。
李嶷と崔琳の想いは揺れ続け、誤解や距離を抱えたまま進んでいた二人の関係は、誘拐と毒、そして蘇生という激動の展開へと突き進みます。顧家の陰謀、烏洛の暴走、柳承鋒の苦渋の決断が折り重なり、物語は大きな転換点を迎えました。
この記事では35〜39話を通して描かれた夫婦の関係の変化、崔家の危機、顧家の陰謀の核心を整理し、物語の流れがひと目で分かるようにまとめます。
この記事で分かること
- 35~39話のあらすじとネタバレ
- 柳承鋒の選択が崔琳の生存と最終決戦にどう影響したか
- 顧相・烏洛の陰謀がどのように露見し、終焉を迎えたか
- “鱸魚”や刺繍など、小道具に込められた文化的意味と演出意図
※この記事はドラマ『楽游原』のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。
他のエピソードを見たい方は 楽游原(らくゆうげん)あらすじとネタバレをどうぞ。
楽游原 35話
第35話 東宮での新婚生活
李嶷の告白と顧婉娘
崔琳が落ち着かない様子を見て李嶷は世話を続けますが、顧婉娘が現れたことで空気が一気に気まずくなります。崔琳は顧婉娘の刺繍を素直に受け取り、さらに屏風まで頼み李嶷はどう反応していいか困ってしまいます。
その後、李嶷は崔倚と川辺で語り合い自分の迷いと向き合います。
夜になり崔琳が寝る用意をしているのを知って李嶷は床に寝ます。李嶷は期待したものの崔琳は李嶷に厚い布団を投げただけ。李嶷は少しがっかりてしまい、二人の仲は縮まりませんでした。
その後、崔琳は柳承鋒が牢獄で新だと言う話を聞きましたが。崔琳は疑います。やはり柳承鋒は生きていました。
その後、顧相が圧力をかけたため李嶷は顧婉娘の部屋へ向かいます。そして彼女に対して男女の情は抱けないと正直に伝えるのでした。
今回の注目点
顧婉娘の「鴛鴦の枕」を受け取った崔琳は何を考えていたのか?
崔琳は顧婉娘の刺繍を見て、表向きは落ち着いた態度で受け取りますが、内心では複雑な気持ちを抱えていました。意地を張りながらも、李嶷が顧婉娘を避ける姿を見て、自分の動揺を隠そうとしているように見えます。
刺繍を贈る行為は中国史で「婚家への敬意」を示す習慣とつながります。特に鴛鴦柄は夫婦円満を象徴する意匠で、家族の前で渡すと暗に正妻の立場を示す意味もありました。崔琳があえて受け取ったのは、宮中での形式を守る判断とも考えられます。
楽游原 36話
第36話 風変わりな奇術師
崔琳は桃子と食事を楽んでいると李嶷が入ってきました。李嶷と崔琳は口論になって布団を奪い合い。その勢いで倒れ込み、李嶷は思わず崔琳にキスをし二人は結婚の日以来ついに夫婦の営みを交わしました。
翌朝、李嶷は昨夜の出来事を確かめようとしますが、崔琳はそっけなく受け流すのでした。
その後、李嶷と裴源は慕仙鶴を探して豊迎楼へ向かい、崔琳も烏延を追って同じ場所に現れます。
店の最後の鱸魚を巡って二人は思わぬ場面で鉢合わせし、李嶷は「妻が喜ぶ魚を買いたい」と説明してしまい、崔琳が思わず笑い出しました。
顧婉娘の侍女が酒に薬を混ぜため李嶷は意識が朦朧とし。急いでその場を立ち去ります。
後日、李嶷は崔倚を連れ慕仙鶴の手品で崔夫人と“再会”させ、彼の胸に残っていた心残りを和らげるのでした。
注目点:李嶷が鱸魚(スズキ)を欲しがったわけは?
鱸魚(スズキ)がドラマで重要な小道具として扱われるのには、いくつか理由があります。中国では「魚(yú)」と「余(yú)」が同じ音で「ゆとり」や「豊かさ」を連想させます。魚を贈るのは「あなたの暮らしに余裕が続きますように」という願いが込められているからです。
特に鱸魚(スズキ)には特別な意味があります。古典にある「莼羹鱸膾」の故事では、出世した男性が故郷の鱸魚の味を恋しがり、最終的には官職より家を選んで帰っていきました。このため鱸魚は“帰りたくなるほど大切な場所”や“心の安らぐ居場所”の象徴として扱われます。
李嶷が崔琳のためにわざわざ鱸魚を求めたのは、自分が戻るべきところは崔琳の所。という気持ちを表しているのです。
演出的にも鱸魚は扱いやすい食材です。庶民的すぎず豪華すぎもしないので、二人の関係が少しずつ変わっていく過程にぴったりなのです。
こうした文化的背景と物語の感情の流れのどちらにもなじむので、鱸魚は脚本上とても効果的な小道具として選ばれているのでしょう。
楽游原 37話 崔琳誘拐と柳承鋒の罠
崔倚は幻を見せられた後に正気を取り戻し、崔琳は父の回復を喜びます。しかし営州の崔家軍は過酷な扱いを受け、崔琳は柳承鋒に捕らわれてしまいます。
第37話 取り戻した幸せ あらすじ
崔倚は煙の影響で亡き妻・賀敏が揭碩人に殺される幻を見ました。崔倚はその揭碩人を切ると消えてしまいます。そして崔倚の心の重荷も煙のように消えたのでした。
崔琳は父が正気に戻ったと知って急いで駆けつけ、李嶷への感謝を伝えます。
一方、顧相は烏洛に皇太子妃殺害を手伝うと持ちかけ、二人は取引を進めます。朝廷は揭碩の侵入に対応するため裴献と裴源を派遣しますが、その裏で崔家軍は孛州で解体され労役に駆り出されてしまいます。
崔家軍の使者が崔琳を訪ねますが、その使者は柳承鋒の手下でした。箱に仕込まれた毒針で崔琳と桃子を倒し二人を連れ去ってしまうのでした。
注目点:崔倚が賀敏の幻の意味とは?
崔倚の心の病の治療が描かれました。これは彼が長いあいだ胸の奥に押し込めてきた後悔と向き合う場面となりましたね。
慕仙鶴の術によって賀敏との再会という幻想が生み出されます。そこで崔倚が「間に合わずに救えなかった自分を許してくれるか」と口にします。これまで抑えてきた本音がようやく言葉になって溜まっていた思いが履きだされたようです。
賀敏が襲撃を受けるのは、これも彼の抱えるトラウマが幻となって現れたもの。以前は何もできませんでしたが。今回は剣を取って戦いました。彼自身の心が前向きなものへと動かしているように感じられます。
かなりの荒料理となり、失敗すれば彼は立ち直れなかったかもしれませんが。幻から覚めた崔倚は周囲が「治った」と喜ぶほど回復していました。
一方で、髪が真っ白になる描写は中国ドラマでよくある場面ですが。この治療がどれほど過酷だったのかを視覚的に表現したものといえそうです。
楽游原 38話 柳承鋒の決断と毒薬
柳承鋒は烏洛との取引で選択を迫られ、崔琳に毒薬を飲ませます。李嶷は西長京を封鎖して彼女を探し出すものの崔琳は息絶えた状態で発見されます。李嶷は楽遊原で彼女の蘇りを信じるのですが。
第38話あらすじ: 狙われた皇太子妃
柳承鋒は烏洛と結託して崔琳を連れ出せば逃亡を助けるという約束をしていました。しかし裏切られて逆に拘束されます。烏洛は阿恕の存在を盾に「自分が生き延びるかか崔琳か」の選択を迫り、柳承鋒は崔琳の遺体を守ることを条件に自らの手で毒薬を飲ませる道を選びます。
一方、西長京では李嶷が禁軍と羽林衛を動かして城を封鎖、失踪した崔琳を捜索していました。皇帝はこれを謀反ではないかと疑い、顧相に相談しますが顧相は様子見を勧めます。李嶷は義荘で柳承鋒の墜落を目撃、建物の中で崔琳を発見しました。
太医たちはすでに脈がないと告げますが、李嶷は彼女を楽遊原へ連れて行き初めて出かけた日の歌を繰り返し歌い続け、夜になっても蘇りを信じて寄り添い続けるのでした。
注目点:新皇帝はなぜ李嶷の謀反を恐れたのか
新皇帝が李嶷の謀反を恐れたのは、中国史のパターンからいくと当然の判断です。皇太子が禁軍と羽林衛を独断で動かし都を封鎖するのはほぼクーデターと同じ行動です。皇帝から見れば、皇太子が軍事力を握り使者を拒んだだけで十分に“反意あり”と判断する材料になるのです。
また新皇帝は即位したばかりで政治基盤が弱く、皇太子の人気や影響力を完全には抑えられていません。これでは皇太子の軍事行動は大きな脅威として映ります。
でも李嶷は処罰されませんでした。これは軍事行動が宮城への攻撃や官僚拘束など「謀反の形」を備えていなかったことが大きいです。李嶷は皇帝を脅す動きも見せず、行動の目的が“崔琳捜索”という個人的理由だと判明しました。
さらに顧相が「本人に尋ねるべき」と中立的な姿勢を取ったことで、皇帝の選択肢が限られてしまったことも大きく、最終的に処罰の大義名分は消えました。
今回は皇帝が疑ってはいても動けず結果的に不問となったといえます。
楽游原 39話 崔琳の蘇生と烏洛討伐
崔琳は棺の中で意識を取り戻し烏洛に致命傷を与えて李嶷を救います。顧相と揭碩人の正体が暴かれ新皇帝は自らが操られていたと知ります。李嶷と崔琳は敵を討ち、顧家の陰謀を終わらせるのでした。
39話 あらすじ:二人で臨む最終決戦
李嶷は崔琳が息をしていない現実を受け入れられず、楽遊原で彼女に寄り添い続けます。画集を開いて思い出をたどった後、彼女を抱きしめて泣き崩れました。
一方、謝長耳は乱葬場から桃子を救い、太医が彼女の薬箱の中身を調べて治療法を探します。
その頃、顧婉娘は皇太子妃の死を利用して新皇帝に泣きついて皇太子妃の地位を約束させ、顧相と烏洛は自らの結託が暴露される危険に焦ります。顧相は新皇帝に李嶷の廃嫡を急がせ、皇宮の混乱を広げました。
阿恕から真相を聞いた李嶷は崔琳の髪を整え戦装束を着せ、棺を担いで新皇帝の前に進み出ます。顧婉娘を退け大殿に突入した李嶷は、顧相・烏洛と真正面から対峙。烏洛が新皇帝を人質に取った瞬間、崔琳が棺の中から目を覚まし、剣を手に飛び出して烏洛を刺し倒します。
驚く李嶷の前で顧相は逃走しますが、夫婦は追い詰めてその場で仕留めました。
注目点:最終決戦を変えた柳承鋒の思いと行動
柳承鋒の思いと選択が顧相との決戦の行方を大きく変えましたね。柳承鋒は表面的には崔琳に毒を飲ませた裏切り者ですが、実際は最初から崔琳を殺す気などなく、どうすれば彼女を生かせるかを必死で考えていました。
烏洛に従うふりをして「自分の手で、血を見せずに殺したい」と条件を出したのも外傷を残さずあとから救える可能性をつなぐための選択でした。実際に使われた毒は即死毒ではなく、脈と呼吸を極端に弱めて仮死状態に見せるもの。柳承鋒自身も「助かる」と理解していたと考えられます。
それに柳承鋒は阿恕に証拠を託し「自分が戻らなければ李嶷へ渡せ」と手配していました。これは自分が死ぬことを覚悟していたのでしょう。烏洛と顧家を必ず追い詰め、崔琳が救われる流れを作っていたのです。
さらに、義荘での最期の行動。拷問で満身創痍になりながら外へ飛び出し「李嶷、崔琳を助けてくれ」と叫んだ瞬間に彼の本心がすべて表れています。
もし本当に殺しのなら、この叫びは出ません。柳承鋒は「まだ助かる」と信じていたのです。
こうした柳承鋒の積み重ねを見ると。蘇ったタイミングが良すぎるというのはありますが。蘇生自体は不思議ではありません。
ドラマ後半は裏切り者だった柳承鋒でしたが。最後に柳承鋒を救い、国を救ったといえるかもしれません。

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