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中国ドラマ「如懿伝~紫禁城に散る宿命の王妃~」59・60・61・62話のあらすじとネタバレ感想を紹介。
寵愛を失った嘉貴妃が孤立。さらに裏工作が露呈して皇帝の怒りを買います。嬿婉の悪辣な策略が加速。 激しくなる後継者争い。
59話から62話のあらすじとネタバレ解説を紹介します。
※この記事はドラマ『如懿伝』のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。
他のエピソードを見たい方は 如懿伝 あらすじネタバレ全話一覧 をどうぞ。
如懿伝59話 ネタバレとあらすじ
簡単要約
- 如懿は嬿婉に厳しい罰を与え、後宮の秩序を維持しようとする。
- 嘉貴妃は永珹を皇太子にするため裏工作を強める。
- 嘉貴妃の裏工作がばれて皇帝の警戒心と不満を招く。
あらすじ:寵妃の復活
軽率な嬿婉と冷静な如懿
李玉の知らせで嬿婉が病気のふりをして木蘭囲場に行ったことが如懿らに伝わります。海蘭は怒りますが如懿は冷静でした。囲場では弓が下手な嬿婉が指がむけるまで練習する姿を皇帝に見せつけ、かえって寵愛を深めます。それを見た如懿は彼女の「従順さ」が気に入られていると考えるのでした。
罰を乞う芝居
宮中に戻ると嬿婉は如懿の門前で自ら頬を叩き罰を求めます。如懿は無断参加の罪として、正座と杖打ち三十回という厳しい罰を命じます。皇帝は後宮の秩序を守る如懿の必要性を理解しつつも嬿婉を可愛がるのでした。
皇位争いと永琪の失言
西域の件で皇帝は永珹と永琪を呼びました。しかし永琪は皇帝の対応について不適切な発言をしてしまい、怒りを買ってひざまずかされます。これを見た妃嬪たちは永珹が有力候補だと考え嘉貴妃へ擦り寄るのでした。
嘉貴妃の裏工作が露呈
嘉貴妃は永珹を皇太子にするため朝臣らに賄賂を贈る裏工作を強化。しかし、純貴妃の首飾りが献上品の横流しだと判明。さらに諴親王の妻が嘉貴妃からの賄賂と口添え依頼を皇帝に報告。皇帝の嘉貴妃と永珹への不満と警戒心は頂点に達するのでした。
感想:自分で頬を叩く意味
「自分で頬を叩く」行為は中国ドラマによく出てきますよね。日本人には理解できない演出ですが。これは罰ではなく究極の自己アピールだと思います。
「私が悪いのは百も承知で、自ら罰を受けます」という忠誠心とへりくだりを周囲に見せつけるメッセージ。特に嬿婉のようなずる賢いキャラクターはこの行為を皇帝の同情を誘うために利用するのでしょう。
如懿に罰せられる前にやって見せるて「追い詰められた可哀想な私」という被害者ポジションをアピール。皇帝の「守ってあげたい」という気持ちを最大限に引き出すための、計算し尽くされたパフォーマンスだと思うのです。
感想:嘉貴妃の暴走と皇権への挑戦
嘉貴妃が臣下に賄賂を贈り、四阿哥を皇太子に推すよう工作したのは清朝の最大タブーを犯す行為でした。
それは皇帝の決定権を無視して後宮の権力が政治に介入することを意味します。清朝では康熙帝時代の泥沼の皇太子争い(九子奪嫡)の反省から「太子密建の法」が作られました。後継者を決めるのは皇帝だけの特権です。
嘉貴妃の行為は、この歴史的な過ちを蒸し返そうとしたのと同じ。皇帝の絶対的な権威への挑戦。皇帝が怒るのは当然なのです。これで四阿哥の地位も危うくなり、嘉貴妃の没落は避けられないでしょう。
如懿伝60話 ネタバレとあらすじ
簡単要約
- 皇帝は皇子たちの朝臣との結託を禁じる勅令を再確認。
- 皇帝は永珹への疑念を決定的なものとする。
- 嘉貴妃は永珹の屋敷下賜と、飼い犬が五公主を驚かせて皇帝の怒りを買い精神的安定を失う。
あらすじ: 誤算
皇帝の疑念と永珹の失脚
皇帝は皇子と役人の交流を禁じる古い決まりを改めて出して嘉貴妃と永珹を牽制しました。如懿は、皇帝が「派閥づくり」を最も恐れていることを理解していました。
献上された荒馬を永珹が手なずけたとき、皇帝は彼の手慣れた様子に不審を抱きました。過去の刺客事件について尋ねたところ、永珹が動きを予期していたかのような証言があり皇帝の疑念は決定的になりました。
嘉貴妃の誤算と厳しい罰
焦った嘉貴妃は実家に手紙を書き皇子を玉氏に派遣してもらえるよう裏工作しますが、皇帝は裏があると見抜き諴親王を派遣。嘉貴妃の陰謀を確信した皇帝は永珹をすぐに宮殿から出し、出入りを禁じるという厳しい罰を下しました。
永珹の件が失脚し、嘉貴妃は深い恨みを抱きます。
追い詰められる嘉貴妃と五公主の危機
永珹の処罰後、嘉貴妃は精神的に不安定になり宮殿で犬を飼い始めます。しかし、その犬が如懿の娘の五公主を驚かせ、心臓の病を発症させてしまいました。
激怒した皇帝は泣き訴える嘉貴妃を怒鳴りつけ、犬をすべて追い出すよう命じました。嘉貴妃は心の安寧まで失ったのです。
解説:古い勅令の再確認が持つ意味
皇帝が「皇子と役人の行き来禁止」という古い決まりを改めて出したのは、康熙帝時代の悲劇、すなわち「九子奪嫡(後継者争い)」の再発を防ぐためです。
清朝は皇位継承をめぐる臣下と皇子の派閥作りに苦しみました。その派閥が皇帝の権力を脅かすからです。嘉貴妃の賄賂工作はその歴史的な悪夢の再現です。
この勅令は「皇位継承は皇帝の専権、私的な工作や介入は絶対に許さない」という皇帝の決意を全臣下と皇子に突きつけた政治的な警告でもあるのですね。
解説:四阿哥への「屋敷下賜」の意味
四阿哥への「屋敷下賜(府邸)」は一見すると成人・独立の儀式ですが、実際は重い「政治的追放」なんですね。
「即日宮殿を出て、用事がない限り入ることを禁じる」という命令は普通の独立ではありません。政治活動を停止させる「遠隔での自宅謹慎」と同じです。
これは永珹が皇位継承レースから完全に脱落したことを臣下たちに宣言する皇帝の意思表示だと言えます。
如懿伝61話 ネタバレとあらすじ
簡単要約
- 嬿婉は皇帝の寵愛を得るものの、皇帝の心は如懿に向かう。
- 嘉貴妃は五阿哥への逆恨みを募らせる。
- 八阿哥が落馬し重傷を負い、李玉と凌雲徹は如懿を守るため証拠)を隠蔽した。
あらすじ:皇子の悲劇
皇帝の心は如懿へ
嬿婉は誕生日に崑曲を披露し皇帝の寵愛を得ますが、皇帝は彼女の歌を聞きながら如懿と初めて会った時の曲「牆頭馬上」を思い出します。嬿婉の申し出を断り、皇帝は結局、如懿のもとへ行くのでした。
如懿から穎嬪の懐妊を聞いた皇帝は喜びます。さらに、永琪がジュンガル討伐で良い献策をしたことを褒め八阿哥の乗馬指導を任せました。
嘉貴妃への平手打ち
嘉貴妃の犬が現れたので穎嬪が注意すると嘉貴妃は逆上。五公主の病を嘲笑する暴言を吐きました。これに激怒した容珮は如懿の代わりに嘉貴妃の頬を平手打ち!海蘭も加勢して嘉貴妃は屈辱の中で立ち去りました。この一件で、彼女の怒りと恨みは増すばかりでした。
八阿哥落馬事件と証拠隠蔽
皇帝の命で永琪が八阿哥に乗馬を教えていた夜。嬿婉の女官が馬鞍に細工を施します。翌日、八阿哥は落馬し意識不明に。駆けつけた嘉貴妃は永琪の仕業だと激しく非難します。
調査を命じられた凌雲徹は馬鞍に銀針を発見。しかし如懿や永琪に累が及ぶことを恐れた李玉と凌雲徹は、皇后を守るため銀針の存在を隠すことを決めました。
隠蔽の裏で動く密告
凌雲徹が証拠を隠しているのを茂倩が盗み聞きします。夜伽に呼ばれた嬿婉は八阿哥の落馬について永琪だけでなく「嘉貴妃の策」の可能性もあると匂わせ皇帝の疑念をさらに煽るのでした。
感想:凌雲徹の危ない判断
凌雲徹は如懿を守りたいという純粋な思いからの行為なのでしょう。でも「証拠隠蔽」は危ない判断でした。
しかもその秘密を妻の茂倩に知られてしまったのが致命的です。茂倩の目には夫の行動が「皇后への秘めた愛」に映ります。彼女の嫉妬と恨みは、いずれ如懿や凌雲徹を危機に陥れるかもしれません。
凌雲徹は善意で行ったのですが、逆に皇后を事件の黒幕と疑わせるための最悪の爆弾となってしまいそうです。
感想:嬿婉の「一石多鳥」の悪魔的策略
嬿婉の策略は、複数のライバルを一気に潰そうとする悪魔的な賢さでしたね。
嘉貴妃を潰すだけでなく。五阿哥が八阿哥の世話をしている隙を突いて落馬事件を起こして「永琪が競争相手に危害を加えた」という疑惑を皇后(如懿)一派にまで及ぼそうとしたのです。
これにより嘉貴妃は孤立して自滅、永琪は皇太子候補として致命的な傷を負いました。さらに凌雲徹の行為がさらにややこしくしてます。嬿婉の思うつぼなのではないでしょうか。
如懿伝62話 ネタバレとあらすじ
簡単要約
- 八阿哥の足が不自由になったことが判明。
- 嘉貴妃の犬が五公主を襲い、五公主が薨逝、穎嬪も流産。
- 嬿婉は凌雲徹の如懿への思慕に気づき、激しい嫉妬を抱く。
あらすじ
悲劇の連鎖:愛犬が招いた五公主の死
落馬した八阿哥は生涯、常人のように歩けない体になってしまいました。嘉貴妃は五阿哥への罰を求めますが、皇帝は拒否して四阿哥の縁組みだけを許しました。
富貴児の凶行と嘉貴妃の破滅
上巳節、御花園で遊ぶ如懿の娘、五公主が行方不明だった嘉貴妃の犬「富貴児」に襲われ、驚愕のあまり倒れて意識を失います。まもなく五公主は亡くなりました。如懿は悲嘆に暮れて倒れ、さらに穎嬪も流産するという悲劇が続きます。
激怒した皇帝は、嘉貴妃を「答応」に降格させ、日々の鞭打ちという罰を与えます。
凌雲徹への嫉妬と戦勝の吉報
五公主の法要後、嬿婉は凌雲徹の真の忠誠心が自分ではなく如懿に向けられていることを知り激しい嫉妬に駆られました。
その頃、ジュンガルとの戦いに勝利して長公主も無事帰京。ダワチも捕らわれました。しかし長公主の懐妊がわかりダワチは親王に任命されるのでした。
解説:史実の五公主について
ドラマでは幼い五公主が亡くなってしまいました。
史実でも継皇后(如懿)が産んだ五公主は幼くして亡くなっています。
乾隆十八年(1753年)6月23日に生まれ、 乾隆二十年(1755年)4月22日に亡くなりました。このとき彼女はわずか二歳です。
史実では、ドラマのような犬に驚かされるという記録はありませんが、病気になったのでしょう。
解説: 準葛爾(ジュンガル)とは
ジュンガルは実在した国で、モンゴル民族の一派であるオイラト系の一部族が建てた国です。
ジュンガル盆地(天山山脈とアルタイ山脈の間)を本拠地とて、一時はタリム盆地(今の新疆南部)、モンゴル高原、チベットにまで勢力を広げました。モンゴル以来の伝統を保ち、清朝やロシアを脅かすほど強大だったため「最後のモンゴル遊牧帝国」とも呼ばれます。
でも後継者争いで国が乱れ。ジュンガルの有力者だったアムルサナーなどが、君主のダワチと対立。清の乾隆帝に投降しました。
乾隆帝はこれをまたとない機会ととらえ、1755年に大軍をジュンガルに送り込みダワチを捕獲。ジュンガルを征服しました。
ただしダワチに長公主は嫁いでません。ドラマの脚色です。
如懿伝の登場人物
- 如懿(にょい) 演:ジョウ・シュン/貴妃
- 乾隆帝(けんりゅうてい) 演:ウォレス・フォ
- 鈕鈷祿氏(ニオフルし)/皇太后(こうたいごう) 演:ヴィヴィアン・ウー
- 海蘭(ハイラン)/海常在(かいじょうざい) 演:チャン・チュンニン
- 金玉妍(きんぎょくえん)/嘉妃(かひ) 演:シン・ジーレイ
- 衛嬿婉(えい えんえん)/炩嬪(れいひん) 演:リー・チュン
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