中国の南北朝時代を舞台にした「独孤伽羅」。
独孤伽羅は後の隋の皇后になる女性の物語。どんな話になるのか楽しみです。
序盤の5話では歴史の大きな流れの中で独孤家の三姉妹がそれぞれの道を歩み始める様子が描かれています。
権力争いや家族の絆、そして少しずつ芽生える恋心…色々な要素が詰まっていて見応え十分です。
この記事では1から5話の感想と特に印象に残ったシーンをネタバレありで振り返ってみようと思います。
この記事にはネタバレがありますのでご注意ください。
独孤伽羅 第1話 戦いの予兆
物語が始まってすぐいきなり皇帝が追われるシーンです。皇帝は独孤信たちに助けられるのですが、逃げ込んだお寺で「独孤天下を制す」という、なんとも気になる予言が出てきます。
この予言がこれからのお話にどう関わってくるんだろう?と気になりますね。そして都を移した後に宇文泰に実権を握られてしまうという展開。
この時期の北魏~西魏はグダグダで『権力の世界は厳しいな』と感じさせられます。
宇文泰の息子たちが登場。さらに宇文護という力を持つ男が登場…。宇文一族が国の中心にいるのは確かなのですが。独孤家も権力争いの真ん中にいるのだな、と感じます。
史実では534年北魏の孝武帝は大丞相 高歓と対立。洛陽を脱出して長安に逃げました。それを迎えた入れたのが宇文泰。結局、宇文泰が権力を握って孝武帝は飾りになりました。
高歓は独自に皇帝をたてて。北魏は東魏・西魏に分裂。西魏では皇帝が廃されて宇文家がとってかわり北周が建国。
ドラマの大まかな流れは史実と同じです。
高歓の東魏も同様に皇帝が廃されて高家にとってかわり北斉となります。高歓はドラマ「後宮の涙」の高演・高湛の父。宇文毓・覚・邕は高演・湛と同じ時代の人です。
そしていよいよ独孤家の三姉妹が登場!長女の般若はキリッとしていてかっこいい雰囲気。次女の曼陀は美人だけど、ちょっと計算高いのかな?末娘の伽羅は、明るくて可愛いらしい印象です。
特に宇文護が相手でも物おじしない般若様の姿は肝が据わっていてかっこいいですね。この三人、それぞれどんな人生を歩むんだろう?と興味がわきますね。
第1話は物語の舞台や主要な人物、そして大きな予言が示されてこれからどんなことが起こるんだろう?と期待が高まる始まりだったと思います。
独孤伽羅 第2話 秘めた愛
第2話では独孤家の人たちの色々な関係が見えてきます。
特に印象的だったのは伽羅と楊堅の出会い。第一印象が最悪から始まるのは「王道パターン」ですよね。
楊堅がバラを投げたりして軽薄そうに見えるんですが、後半で彼がわざとそういう態度をとっていたと分かり、なるほど!となりました。
宇文護から身を守るためだったんですね。彼の意外な一面に気づかされます。
曼陀が楊堅に一目惚れするシーンも描かれます。曼陀はもともとは彼の家柄にあまり興味がなかったみたいですが、顔を見て気持ちが変わるんですね。楊堅への気持ちも庶出という身分への劣等感とどこかで繋がっているのかな?と感じるのが曼陀らしいところかもしれません。
一方、宇文邕も伽羅のことが気になっている様子。優しく見守る彼の姿が印象的です。
般若は愛する宇文護と父親との間で悩んでいるのが伝わってきました。宇文護に父と敵対しないでほしいとお願いする場面は般若が父親のことも大切に思っているんだな、と胸が痛くなります。
そして突然起こる伽羅の誘拐未遂事件!宇文護の部下の独断だったようですが、この出来事がきっかけで色々な関係が動いていくんですね。
権力争いはこんな風に個人の人生にも影響するんだな。と考えさせられます。伽羅の機転で無事だったのは本当によかったです。それぞれのキャラクターの魅力がどんどん増していく見応えのある回でした。
独孤伽羅 第3話 姉妹の野望
伽羅誘拐事件の後から始まる第3話は独孤家の三姉妹がそれぞれどんな未来に進むのか、その方向が見え始める大事な回でした。
伽羅を助け出した後、般若は宇文護の部下の仕業だと知って宇文護との関係を断ち切ろうとします。
愛しているはずなのに決別を選ぶ般若の強さに引きつけられます。
でもこの二人の縁はそう簡単には切れないんだな…と感じました。
独孤信が丞相になって、宇文覚を支える決意をする場面も描かれます。これで独孤家は力を持つ宇文護と向き合う覚悟を決めたんだなと思います。
そんな中で般若が独孤信に語った自分の秘めた想いにはドキッとしました!「独孤天下」の予言を叶えるために自分が皇后になるんだと。そして愛する宇文護ではなく宇文毓に嫁ぐことを選ぶ並々ならぬ覚悟を感じさせます。
愛よりも家のために…般若がどれだけ大変なものを背負っているのか、改めて感じました。この決断がこれから物語を大きく動かしそうですね。
一方、曼陀は楊堅に向上心がないと思ってがっかりしてしまうんですね。楊堅がわざとそうしていたとは知らないので、仕方ないのかもしれませんが…。曼陀の楊堅への気持ちも庶出という身分へのこだわりとどこかで繋がっているのかな、と感じるのが曼陀らしいところかもしれません。
般若が皇后を目指すことを知って曼陀の中にも何かライバル心が芽生えてきたみたいです。姉妹なのに心が離れていくようで悲しいですね。この先どうなってしまうんだろう、と気になります。
この回では三姉妹それぞれの違う価値観、これから目指すものが描かれました。一人ひとりの運命が少しずつ形作られていく様子が描かれていたと思います。
独孤伽羅 第4話 愛の告白
第4話では登場人物たちの秘めた想いや、どうにもならない現実が描かれていました。
宇文護は般若への気持ちが忘れられないみたい。復縁を迫るんですが、般若はきっぱりと断ります。
そこを伽羅が見てしまって「姉にどうして好きな人と一緒にならないのか」と聞くシーンは見てる側としても同じ気持ちでした。般若がそこで話してくれた「独孤天下」のため家のために愛を諦めたという言葉には、般若が背負っているものの重さを改めて感じさせます。
一人でそこまで抱え込まなくても。と思うのですけれどね。
でも愛よりも家を優先するという選択は、この時代の女性の厳しさや独孤家という特別な家柄の宿命のようなものも感じさますね。
そんな中、伽羅が小さい頃から仲良くしていた宇文邕が皇帝の宇文覚に嫌われて遠い場所に左遷されることになってしまいます。
宇文覚が宇文護には強く言えないのに、弟の宇文邕に当たり散らすなんて…。皇帝の弱さや冷たさが見えるようで、見ていて切なかったです。宇文邕が理不尽なことでも受け入れるしかないのは気の毒な感じがします。
そして、この回で一番印象に残ったシーンかもしれない旅立つ前に宇文邕が伽羅に「好きだ」と伝える場面。長年秘めてきたであろう想いを別れ際に伝える宇文邕の気持ちが切ない。「戻ったら妻にする」なんて厳しい状況の中でも希望を感じさせてくれる約束でしたね。
でもこういうのってたいていは達成できない「お別れフラグ」になってしまいがちですが。どうなるのでしょうか?
突然の告白に戸惑う伽羅の初々しい反応が可愛くて、二人の恋がどうなるんだろうと応援したくなりました。
家に帰って楊堅に相談する伽羅も可愛かったですね。楊堅が伽羅を見つめる優しい眼差しにも気になります。
楊堅が伽羅に政治のことを聞かれて、困ってしまうシーンも興味深いシーンでした。伽羅の素直な質問に彼は何を思ったんでしょう?
曼陀が楊堅を見舞うシーンでは曼陀の打算的な一面も見えて、曼陀はこういうところが…と思ってしまいました。
独孤伽羅 第5話 残酷な運命
般若と宇文護の関係がまたまた描かれます。今度は政治的な理由もあって密会するんですが。愛し合っているだけじゃない複雑な関係なんだなと感じました。
般若が宇文護に正妻の清河郡主と別れて!と迫る場面は二人の愛が権力と切り離せないんだな、と見ていて切なくなりました。
でも正妻がいるのに別れろとは…。それに宇文護も宇文護です。
そんなところに清河郡主が役人を連れて現れました!捕まるのかとハラハラしましたが、そこで伽羅がまたまた大活躍!酔っ払いのふりをして二人を助け出すとは。機転が利くし、度胸もありますよね。
危機を乗り越えた後、般若と宇文護が交わした誓いが重かったですね…。「永遠に相手だけを愛し続ける」って、愛しているのに一緒になれない二人の悲しい運命を感じました。愛と背負うものとの間で生まれた切ない関係なんだなと思います。
もしこの誓いを破ったら…と考えるとちょっと怖いですが、この愛憎がこれからどう物語に影響してくるのか気になります。
そして宇文護が妻にした仕打ち…宇文護の冷酷な一面が見えて、ぞっとしました。
清河郡主は架空の呼び方ですが。史実では宇文護の正妻は元氏、北魏の皇族出身です。
清河郡主が流した悪い噂のせいで伽羅が独孤信に誤解されて、罰を受けてしまいます。力の世界の争いが娘たちにも降りかかってくるんだな、と感じました。独孤信も伽羅の話をちゃんと聞いてあげてほしかった…。
そして曼陀!伽羅が罰を受けてるのに自分のことばかり心配して、さらに追い打ちをかけるようなことを言うとは。姉妹なのに心が離れていくようで悲しいですね。
罰を受けてフラフラになってしまった伽羅を楊堅が助けるシーンは、やっぱり楊堅は優しいなと思いました。二人の距離が縮まったように見えて楊堅も伽羅のことが気になっているんだなと感じました。
楊堅と伽羅、そして宇文邕の三角関係も気になりますね。曼陀の今後の行動も目が離せません!
まとめ:これからどうなる?気になる展開
「独孤伽羅」の最初の5話は見応えがありました。
乱世の中で「独孤天下」という予言に導かれるように、独孤家の三姉妹、般若、曼陀、伽羅がそれぞれ自分の運命と向き合い始める様子が丁寧に描かれていました。
強い野心を持つ般若、身分に葛藤する曼陀、そして賢くて純粋な伽羅。それぞれが個性的で魅力的です。
権力争いの厳しさや、それに巻き込まれてしまう人たちの悲しさも描かれていて、ただの時代劇や恋愛ドラマというだけでなく人間の色々な感情が見られる面白い作品だなと思います。
この先、三姉妹がどのようにそれぞれの「天下」を目指してどんな困難に立ち向かっていくのでしょうか?
「独孤天下」の予言は本当に現実になるのか、それぞれの恋はどんな結末を迎えるのか?
気になることがたくさんあります。これから物語がどうなっていくのか目が離せません!
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