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柏霊筠は実在?柏夫人 司馬懿の側室の史実とは?

司馬懿には晩年になって寵愛した側室がいました。その女性が柏夫人です。

柏夫人は司馬懿に深く寵愛され、のちに八王の乱で皇帝を名乗る司馬倫を産みました。司馬懿は柏夫人を寵愛するあまり正室の張春華との関係が疎遠になってしまいました。

史料に残る情報は多くありませんが、張春華との立場の違いや、子の司馬倫。ドラマ『司馬懿 軍師連盟』の柏霊筠との違いも分かりやすく紹介します。

この記事で分かること

  • 柏夫人が司馬懿の側室としてどのような立場にいたのか
  • 正室の張春華が遠ざけられた背景に何があったのか
  • 柏夫人の子・司馬倫が西晋の政争で果たした役割
  • ドラマ「軍師連盟」の柏霊筠と史実の柏夫人の違い

 

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柏夫人:司馬懿に寵愛された側室とはどんな人?

柏夫人(はくふじん)は三国時代の曹魏で重臣として力をもった司馬懿(しばい)仲達の側室です。

司馬懿には正室の張春華(ちょうしゅんか)がいました。張春華は司馬師(しばし)や司馬昭(しばしょう)の母で司馬家を支えた女性でした。

一方の柏夫人は司馬懿に寵愛された側室で、後に西晋の政争に関わる司馬倫(しばりん)を産んでいます。

 

柏夫人のプロフィール

項目 内容
呼称 柏夫人
柏氏
不明
司馬懿
司馬倫
時代 三国時代の曹魏から西晋成立前後
関係する史料 『晋書』后妃伝など

 

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柏夫人の生涯と司馬懿との関係

柏夫人は司馬懿の側室だった

柏夫人は曹魏の重臣だった司馬懿の側室です。

柏夫人の両親、生年、出身地は不明。司馬懿の側室になった経緯も分かっていません。

ただし『晋書』では、司馬懿が柏夫人を非常に寵愛したと伝えています。そのため正室の張春華は司馬懿と会うことも難しくなりました。

柏夫人は司馬懿の若いころから苦労をともにした女性ではありません。司馬懿が曹魏の重臣として地位が高くなった後は、そばにいた側室でした。

司馬懿の晩年には張春華と疎遠になり、柏夫人が家庭内で大きな存在になっていたようです。

 

張春華は若いころの司馬懿を支えた

張春華は司馬懿の正室です。司馬師、司馬昭、司馬幹らを産み、司馬懿を支えました。

司馬懿が曹操からの出仕要請を避けるために仮病を使っていたとき、立ち上がって動いている司馬懿を見た侍女を殺害したこともあります。

張春華は司馬家を守るためなら、そのくらいの事をする女性だったようです。若い頃の司馬懿はそんな張春華と苦労をともにしました。

でもその張春華も司馬懿が年を重ねた後には夫から遠ざけられてしまったのです。『晋書』では、その理由として若い柏夫人への寵愛を挙げています。

 

張春華の見舞いでわかる柏夫人の立場

晩年の司馬懿が病気になったとき。張春華は司馬懿のもとへ見舞いに訪れました。

この場面で大事なのは、張春華がわざわざ見舞いに来ていることです。もし張春華が司馬懿のそばで日ごろから世話をしていたら、見舞いに訪れる形にはならなかったでしょう。

張春華は、すでに司馬懿の近くから離れた立場に置かれていたと考えられます。

その理由として考えられるのが柏夫人の存在でした。『晋書』は司馬懿が柏夫人を寵愛し、張春華が司馬懿と会うことも難しくなったと伝えています。

司馬懿の私生活では正室の張春華ではなく、側室の柏夫人が側にいて世話をしていたのでしょう。

しかも司馬懿は見舞いに来た張春華に対し「年老いた姿は見苦しい、なぜわざわざ出てきたのか」という意味の言葉を言いました。

ずいぶんとひどい言葉ですが、これは司馬懿が張春華を日頃から睦まじく暮らす妻としては思ってなかったということでしょう。

張春華は司馬懿の正室で、後継ぎの司馬師や司馬昭の母です。それでも晩年の司馬懿のそばにいた女性は柏夫人だったのです。

張春華は司馬懿の言葉を聞いて絶食して命を絶とうとしました。司馬師や司馬昭らの息子たちも母と共に絶食します。

司馬懿は息子たちまで巻き込まれたため、張春華に謝罪。ようやく張春華は絶食をやめました。

でもその後の司馬懿の態度は呆れるものでした。張春華の命は惜しくないが、息子たちを困らせることを心配したのだと言いました。

ここから分かるのは、張春華と司馬懿の関係だけの問題というより、柏夫人が司馬懿のそばにいて司馬懿の愛情を受け止め、張春華が夫から遠ざけられていたこということです。

 

柏夫人の言動は記録に残っていない

これほど司馬懿に愛された柏夫人でしたが、記録には彼女の言葉や行動は残されていません。柏夫人が張春華を追い出したという記録もありません。司馬懿に寵愛された側室で司馬倫の母という記録しかないのです。

それでも司馬懿が柏夫人を寵愛した結果、正室の張春華は見舞いに訪れる立場になってしまいました。

晩年の司馬懿の家庭内で柏夫人がどれほど近い位置にいたかがよく現れているといえます。

 

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司馬懿はなぜ柏夫人を寵愛したの?

柏夫人と張春華は立場が違う

司馬懿が柏夫人を寵愛した理由は分かっていません。柏夫人がどのような性格だったのかも分かっていません。

司馬懿の張春華に対する辛辣な態度を見ても。ただ張春華が老いて、柏夫人が若かったというだけではないでしょう。

司馬懿に対してどのような立場にいた女性だったのかも大きく違うといえます。

張春華は司馬懿の弱さを知る女性

張春華は司馬懿がまだ弱い立場にいたころ、権力を握る前を知る知る正室です。若いころの司馬懿を支え、司馬家の危機を共に越えた女性だったからこそ、家庭内でも強い立場を持っていたと考えられます。

つまり張春華は司馬懿にただ従うだけの妻ではありませんでした。

でも柏夫人は違います。司馬懿が曹魏の重臣として地位を高めた後に寵愛された若い側室。つまり、司馬懿にとって柏夫人は自分の弱かった時代を知る正室ではなく、権力者となった後の自分を受け入れる女性でした。

ここに司馬懿が張春華を遠ざけて、柏夫人を寵愛した理由を考える手がかりがあるかもしれません。

張春華は司馬懿の過去も欠点も知っている女性。司馬懿に対して強く出ることもできたでしょう。

 

柏夫人が従順だったとは限りませんが。例え柏夫人が司馬懿を翻弄する女性だったとしても、権力者になった司馬懿からみて自分の権威を傷つけずに接することができた相手だった。

司馬懿にとって自分が余裕を持って接することができる都合の良い女性だったのではないでしょうか。

 

柏夫人の寵愛は権力をもつ男のエゴ?

中国史では権力を得た男性が若いころから連れ添った正室を遠ざけ、後から迎えた女性を寵愛する話が何度も出てきます。男が家の中心に立ち、妻や側室が夫の地位に従う家族制度では、夫の好みや権力が女性の立場を大きく左右しました。

司馬懿が柏夫人のどこに惹かれたのかは分かりません。それでも、張春華が遠ざけられ、柏夫人が寵愛されということは。

権力を得た男が自分に強く接する正室より、自分が優位に立てる側室を好んだ例と考えることができます。

 

柏夫人の子・司馬倫とはどんな人物?

司馬倫(しばりん)は、司馬懿と柏夫人の子です。

司馬懿の息子たちの中では末子にあたり、西晋では趙王に任命されました。司馬倫は司馬懿の子ですが、司馬師や司馬昭の世代よりも後の時代に活躍します。

司馬倫で有名なエピソードは晋の八王の乱で皇帝を名乗ったことです。八王の乱は、晋の皇族たちが皇帝の補佐権と朝廷の実権をめぐって争った内乱でした。

司馬倫は司馬懿の末子

司馬倫は司馬懿の九男。

司馬懿の子で有力なのは張春華が産んだ司馬師と司馬昭です。彼らは魏の朝廷で実権を握り司馬家が晋王朝を開く礎を作りました。

柏夫人の子・司馬倫は庶子のため司馬家や司馬懿の築いた権力を継ぐ立場にありません。

それでも司馬倫は西晋で趙王となり皇族の一人として地位を保ちました。

司馬倫は八王の乱で皇帝を名乗った

司馬倫は西晋の恵帝の時代に政争に関わりました。

西晋では皇帝の力が弱くなる中で、司馬氏の諸王が朝廷の実権を争いました。司馬倫はその中で兵を動かして朝廷の権力を握ります。

やがて司馬倫は晋恵帝を太上皇にして、自ら皇帝に即位しました。司馬倫は司馬懿の息子の中で生前に皇帝の位に就いた唯一の人物です。

しかし司馬倫の在位は長く続きませんでした。司馬冏(しばけい)らが反発して司馬倫は失脚します。司馬倫は退位へ追い込まれ、最終的に自害を命じられました。

しかし司馬倫が皇帝を名乗ったことで、皇族同士の争いはさらに激しくなりました。

 

ドラマ『司馬懿 軍師連盟』の柏霊筠とは

中国ドラマ『三国志 司馬懿 軍師連盟』には、柏夫人をモデルにした柏霊筠(はく・れいいん)が登場します。

柏霊筠を演じたのは、張鈞甯(チャン・チュンニン)です。ドラマの柏霊筠は司馬懿の側室ですが。

史実の柏夫人とはかなり違う人物として描かれています。

柏霊筠は曹丕の監視役として司馬家に入る

ドラマの柏霊筠は曹丕から司馬懿へ与えられた女性でした。

柏霊筠は表向きには司馬懿の側室として司馬家に入ります。でも実際は曹丕は司馬懿の才能と野心を警戒しており、柏霊筠に司馬懿を見張らせます。

柏霊筠は司馬懿の様子や司馬家の動きを曹丕へ伝える役目を持っていました。

柏霊筠は司馬懿に惹かれていく

しかし柏霊筠は司馬懿の才能や考え方、家族を守ろうとする姿を見るうちに、司馬懿に惹かれていきます。

柏霊筠はただ命令通りに情報を渡すだけの人物ではなくなっていきました。司馬懿が危機に置かれた時、柏霊筠は司馬家に情報を伝えて司馬懿を助けようとします。

柏霊筠と張春華の関係はドラマで大きく脚色されている

柏霊筠は最初は司馬懿と張春華の間に割って入ろうとします。しかし司馬懿と張春華が長い年月をかけて築いた夫婦関係は強く、柏霊筠はその間に入りきれません。

柏霊筠は張春華と敵対することはやめるようになります。その結果、張春華は自分の死後は司馬懿を柏霊筠に託しました。柏霊筠は張春華の代わりに司馬懿の晩年を見守る存在になったのです。

 

柏霊筠の最期はドラマの創作

ドラマでは、司馬懿は高平陵の変で曹爽を倒した後、魏の朝廷で大きな権力を握ります。その後、司馬懿が王凌を討ち、一族を殺害しました。

柏霊筠は容赦のない司馬懿のやり方に失望。柏霊筠は司馬懿から離れる決意を固めました。

しかし移動中に司馬懿を狙った刺客が柏霊筠の馬車を襲います。柏霊筠は逃げずに、炎に包まれる馬車の中で最期を迎えました。

 

これらの演出はすべてドラマの創作です。史料には張春華との関係や柏夫人の最期についての記録はありません。

 

柏夫人と柏霊筠の違い

柏霊筠は柏夫人をモデルにした人物ですが。記録とドラマではかなり違う部分があります。その違いを表にすると以下のようになります。

項目 史実の柏夫人 ドラマの柏霊筠
立場 司馬懿の側室 司馬懿の側室として司馬家に入る女性
司馬懿 司馬懿
司馬倫 司馬倫の母として描かれる
性格 詳しく分かっていない 聡明で、司馬懿への思いを持つ女性
役割 司馬懿に寵愛された側室 曹丕の監視役から司馬家を支える存在へ変わる
張春華との関係 詳しい関係は分かっていない 張春華と複雑な関係を築く
最期 分かっていない 馬車の中で炎に包まれて亡くなる

史実の柏夫人は分かることが限られています。そのためドラマの柏霊筠はほとんどがドラマのために作られた存在なのです。

 

まとめ

柏夫人は司馬懿 仲達に寵愛された側室です。

柏夫人の本名、生年、出身地、父母は分かっていません。分かっているのは司馬懿の側室だったこと、司馬懿の寵愛を受けたこと、司馬倫の母だったことです。

若いころから司馬懿を支えた張春華に対し、柏夫人は司馬懿晩年に寵愛を受けた女性です。

柏夫人の子である司馬倫は、西晋の八王の乱で皇帝を名乗りました。司馬倫の行動は、西晋の皇族同士の争いをさらに激しくしました。

ドラマ『三国志 司馬懿 軍師連盟』の柏霊筠は柏夫人をモデルにした人物です。でも曹丕から派遣された監視役や張春華から司馬懿を託される存在、悲劇的な最期などはドラマの脚色です。

 

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この記事を書いた人

歴史ブロガー・フミヤ

著者 自画像

京都在住。2017年から歴史ブログを運営し、これまでに1500本以上の記事を執筆。50本以上の中国歴史ドラマを視聴し、史実とドラマの違いを正史(『二十四史』『資治通鑑』など)に基づき初心者にもわかりやすく解説しています。

詳しい経歴や執筆方針は プロフィールをご覧ください。

運営者SNS: X(旧Twitter)

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