中国ドラマ 惜花芷(せきかし)第23・24・25・26話のあらすじをまとめました。
離縁裁きで花嫻を救った直後、凌王府が炎上し顧晏惜の心は“息子”と“臣下”の間で大きく揺れ動きます。花芷は流刑地の家族を救うため北地へ。待ち伏せを乗り越え無事帰宅。しかし宮中では皇帝昏睡と皇子が失踪していたのでした。
23から26話の見どころと注目点を分かりやすく紹介します。
この記事で分かること
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23〜26話で起きた事件の内容と因果関係
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顧晏惜が「息子」と「臣下」で揺れる理由と沈黙の重さ
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花芷が鏢師を雇い商隊にした狙い
- 花屹正が帰宅を拒んだ理由
※この記事はドラマ『惜花芷』のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。
他のエピソードを見たい方は 惜花芷(せきかし)あらすじとネタバレをどうぞ。
惜花芷23話 凌王府炎上で顧晏惜が揺れる
花嫻の離縁は憲王・顧晏恭の立ち会いで認められ、楊奇は二百貫の支払いと杖刑を命じられます。凌王府が炎上し主人もろとも失われるのでした。
第23話あらすじ 美しい月
顧晏惜は憲王・顧晏恭に花嫻の離縁訴訟の審理に立ち会わせます。
花嫻は自述状や嫁入り道具のリストや検傷書を出し、楊奇は冤罪だと言い張りました。府尹は大慶律を理由に深入りを避けますが、花芷は夫婦の義が尽きたとして離縁と二百貫の賠償を主張し、先例も示します。
顧晏恭は離縁を認め、楊奇に二百貫の支払いと百叩きの刑を言い渡しました。
ところが何者かによって凌王府が襲われて炎上。顧晏惜は重い胸の内を花芷に明かすのでした。
注目点:顧晏惜は「息子」と「臣下」の板挟みで動けなくなる
顧晏惜は凌王の死に皇帝が絡んでいると分かっていても、真正面から皇帝を責める気にはなれません。
中国王朝の価値観では「君臣」の関係では、皇帝を公然と非難した瞬間に忠臣ではなく反逆者扱いになります。顧晏惜が倒れるだけでなく、花芷や花家まで巻き込みかねません。
さらに「孝」の価値観では、父がどれほど問題を抱えていても息子が父を糾弾して裁くのは不孝に近い行為になります。顧晏惜は父を憎み切れず、かといって許しもできず、胸の中で矛盾を抱え続けてきました。
だから父が死んだ時、怒りと同時に「これで鎖が切れた」という安堵も混じります。許せないのに救われた気がしてしまう自分が嫌で、言葉がさらに詰まります。
結果として顧晏惜は沈黙するしかありません。本音は公の場では出せず、花芷の前でだけこぼれるのです。第23話はその重さを花芷が受け止めた回だと言えます。
惜花芷24話 花芷が北地へ出発する
花芷は流刑地の「人身請戻し」のため商隊を装って北地へ向かい、道中の襲撃をかわしながら三白城で花平陽と花屹正に再会します。
第24話あらすじ 流刑の地へ
顧晏惜は北地大営へ向かうため花芷に暇乞いしますが、花芷も人身請戻しのため北上すると知って喜びます。
花芷は家を夏金娥に託し鏢師と鍾叔を連れて商隊として出発しました。
道中、花芷は馬で駆ける自由を初めて体験し顧晏惜もその笑顔に救われます。司使を狙う刺客が見張っていましたが商隊と誤認して様子見。
ところが谷間では山賊が立ちはだかります。顧晏惜が頭目を人質に取り、花芷が家長として交渉し丸く収めめるのでした。
雪の中を越えて三白城に到着。花芷は久しぶりに家族と再開するのでした。
注目点:花芷が鏢師を雇った意味
花芷が鏢師を雇ったのは「旅の護衛が欲しい」だけではありません。北地へ向かう今回の移動は人身請戻しという目的があり、荷と人数も多いです。
しかも顧晏惜は七宿司に狙われる可能性があり、道中で揉め事が起きれば計画が台無しです。だから花芷は役所の支援や身分に頼るのではなく、商隊の形にして鏢師を付けました。
これで一行は「よくある商隊」に見え、刺客が様子見に回る余地が生まれます。つまり鏢師は戦うための剣ではなく、危険を寄せつけない看板です。さらに鏢師は、峠・谷間・宿場での言いがかりや通行料の要求を武力ではなく交渉で片付ける役目も持ちます。実際に谷間で山賊が出た時、顧晏惜が力で止め、花芷が金と衣で落としどころを作れたのは、鏢師たちの護衛があるからです。
役人が頼りにならないこの世界では、花芷が鏢師を雇ったのは人と荷物を北地まで運ぶための現実的な手段でした。
歴史上も鏢師・鏢局と呼ばれる人たちはいました。史実の鏢師についてはこちらの記事をご覧ください。
惜花芷25話 待ち伏せで顧晏惜が狙われる
花芷は北地で花屹正と向き合って別れを選び、帰路では刺客の待ち伏せで顧晏惜が殺されかけ、花芷が引き返します。
第25話あらすじ 守るべきもの
三白城で花屹正は花芷を上着も羽織らず迎え、林婉の簪を見て言葉少なに事情を飲み込みます。
花屹正は「国と家、君主と親」の間で迷い続けた胸の内を語ります。花芷は贖い戻す決意を伝えますが、花屹正は北地での暮らしを選び、柏瑜だけを連れ帰ってほしいと頼みます。
顧晏惜は呉永に司使の身分を明かし通謀疑惑を追いました。
帰路、刺客は牛横一味を殺して成り代わり、谷間で一行を分断しました。男たちが残された直後に殺害命令が出され、顧晏惜は集中攻撃を受けます。鏢師が逃げて危険を伝え、花芷は顧晏惜を救うため馬で引き返すのでした。
注目点:花屹正はなぜ「戻らない」と決意したのか?
花屹正は花芷が「贖い戻し」と言っても断りました。花屹正が戻らないのは、北地での暮らしが罰ではなく責任を取りたいと思ったからでしょう。彼は都で諫言した結果、男たちを流刑に巻き込みました。頭では「正しい」と思っていても、北地では家族たちが寒さと労役に苦しむ日々が続きました。そこで国の理屈より「家族の生活を破壊した重さ」が実感できたのでしょう。だから彼は「間違ったのか」と自問を止められません。
苦しさから逃げるように都へ戻るより、ここで背負い切るほうを選んだ、という決断です。
もう一つ、花屹正は自分の救出より花家の未来を優先しました。五十万は一人分しか買い戻せない。そこで彼は自分ではなく幼い柏瑜を都へ返してほしいと頼みます。柏瑜が戻れば、花家は次の世代を残せます。だから花屹正は今の花家を守りつつ、未来を都へ返す道を選んだのだと思います。
惜花芷26話
花芷は谷間の襲撃を仕掛けの岩落としで切り返して顧晏惜を救い、無事帰宅。北地からの手紙で花家に安堵を届ける一方、宮中では慶帝昏睡と六皇子失踪が表面化します。
第26話あらすじ 陰謀の影
谷で追い詰められた顧晏惜のもとへ花芷が馬で駆けつけ、袖箭で致命の一撃を避けさせます。
刺客は花芷にも襲いかかりますが顧晏惜が守って時間を稼ぎ、花芷は山の仕掛けに気づきます。縄を断つと岩が滑り落ちました。陳情と李猴は崖下へ退避し刺客は壊滅しました。
花芷は無事に帰宅。北地の旦那様たちからの手紙を夫人たちへ渡し、無事の知らせに家は宴で沸きます。
一方、顧晏惜は宮中へ。慶帝は朝議後に昏睡し意識がありません。顧晏惜は禁軍と七宿衛で禁宮を封鎖して聞き取りを開始します。さらに六皇子が行方不明と判明し、憲王府の監視も強化されました。
注目点:顧晏惜が「禁宮封鎖」まで踏み込むのは強引?
強引に見えて、ここは理にかなっています。皇帝が倒れた経緯を調べるためにも誰が出入りしたか、何を運び込んだかが重要です。
時間が経つほど証拠は消えます。だから顧晏惜は七宿衛と禁軍を動かし、宮人・内官への聞き取りを徹底しました。
宮廷では、毒や薬は「誰が持ち込んだか」が問題になりやすいです。重箱と養心湯の滓が問題なしでも、枕元の医官や警護の穴、寝所へ近づける立場の人間など、別口の手段が残ります。
また封鎖は犯人探しだけでなく「次の一手」を止める意味もあります。
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