中国ドラマ『楽游原』第27・28・29・30話のあらすじをまとめました。
崔琳救出の再会、洛陽返還の政治判断、皇太子擁立での決裂、そして李嶷襲撃と老鮑の最期。
この記事では、各話の流れをまとめながら。各話の注目点を紹介します。
この記事で分かること
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崔琳救出から再会に至る27話の核心と二人の関係の変化
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洛陽返還と奪彩戯を通じて深まる絆と、朝廷内での立場の推移
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皇太子問題が二人を引き裂いた理由と、その裏にある誤解
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李嶷襲撃、李俊の最期、老鮑の死が示す転換点としての意味
※この記事はドラマ『楽游原』のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。
他のエピソードを見たい方は 楽游原(らくゆうげん)あらすじとネタバレをどうぞ。
楽游原27話 あらすじ:崔琳救出と李嶷の決断
李嶷は柳承鋒の動きを予測し崔琳を救出。再会した二人は静かな蛍の夜に寄り添いながら、お互いの想いを確かめ合います。でも李嶷は皇帝の勅命を受け入れず、謹慎を命じられるのでした。
27話 あらすじ
崔琳が柳承鋒に連れ去られたと知った崔倚は、わずかな兵を率いて救出に向かいました。柳承鋒は阿恕を置いて逃げようとしますが、李嶷が進路を読みきって待ち伏せし、揭碩の陣を破って崔琳を奪還します。
その後、崔琳が目を覚ますと、そっと李嶷の手を握り返し、二人は再会の温もりを確かめました。夜になると仲間たちは焚き火を囲み、戦いの後に訪れる穏やかな日々を語り合います。川辺に漂う蛍を眺めながら、言葉を交わさずとも心を通わせる二人。やがて崔琳は静かに李嶷へ唇を寄せました。
李嶷は崔琳を無事に送り届けますが、皇太子への勅命を断ったことで、謹慎を言い渡されてしまいます。
今回の注目点
- 李嶷はどのように崔琳を救った?
柳承鋒の逃げ道を読み半道で待ち伏せ。揭碩の陣を崩して突撃し、崔琳を連れ戻しました。 - 蛍の場面は何を象徴している?
夜の蛍は、二人の儚くも大切な幸福を象徴しています。言葉にできない想いをそっと映し出す存在でした。 - 李嶷はなぜ勅命を拒んだ?
皇太子になれば崔倚の軍権が失われ、崔琳との関係が壊れてしまうと考えたため。彼はあえて謹慎を選びました。
楽游原28話 あらすじ:崔家軍撤退と洛陽返還
崔琳は洛陽を朝廷に返還。宴では奪彩戯を通じて李嶷と再び心を通わせます。皇后に気に入られた崔琳は京城での地位を高め李嶷との穏やかな時間を過ごすのでしたが。
あらすじ
崔琳が新皇帝に謁見するかどうかをめぐって、六部では前例の有無や財政上の問題が取り沙汰され、激しい議論が続きました。
そんな中、李嶷は崔琳の謁見を正当化できる古い記録を求め顧相がその史料を見つけ出します。最終的に朝廷は謁見を認め、崔琳は父に代わって洛陽返還の意思を正式に伝えました。
宴では奪彩戯が催され李嶷と崔琳は見事な勝負を披露します。幕の内側では崔琳がそっと李嶷に口づけし、その一瞬の駆け引きで勝利を手にしました。
皇后は崔琳を褒め褒美として簪を与えます。崔琳はその簪を李嶷と顧婉娘に分けて渡し、三人の結びつきが深まりました。
翌日、崔琳は李嶷とともに街へ出かけ束の間の自由を楽しみます。
今回の注目点
- 崔琳はなぜ洛陽を返還した?
崔家軍が私兵のように扱われる事態を避け、父の名誉を守りながら皇帝への忠誠を示すためでした。彼女自身が進んで撤退を申し出たのは崔家が疑われないようにするためです。 - 奪彩戯の場面での崔琳の行動は?
勝敗が決まらないまま競り合う中で、崔琳はそっと一歩踏み出し、李嶷に軽く口づけして動揺させました。その一瞬の隙を逃さず、彼を押し出して勝利をつかみます。大胆さと機転が光る、彼女らしい印象的な場面でした。 - 李俊と顧婉娘の動きの意味は?
李俊と顧婉娘はそれぞれが抱える想いを胸に李嶷と崔琳の関係に揺さぶりをかける存在として描かれています。李俊は崔琳への恋心からそばにいようと必死になり、顧婉娘も李嶷への想いと自身の立場を賭けて動いていました。
楽游原29話 あらすじ:皇太子擁立をめぐる決裂
あらすじ
烏洛は柳承鋒を使って中原へ潜り込み、崔倚は揭碩人の動きを探らせていました。その裏では李嶷を狙う暗殺の計画がひそかに進んでいたのです。
柳承鋒は李崃に近づき、李嶷を葬るだと明かしました。そのころ崔琳と李嶷は別れの会話の中で「もし敵として相まみえたら、三度だけ譲る」と約束。互いに割り切れぬ思いを胸に別れました。
京城では崔倚が李嶷を皇太子に推し立てたことで朝廷が揺れ、李嶷はその裏に崔琳の意図があると疑ってしまいます。彼は崔琳からの贈り物を突き返し、事実上の絶交を選びました。
ほどなくして乳母が毒入り饅頭によって息を引き取り、犯人が李俊だと知った李嶷は激怒。剣を手に信王府へ乗り込もうとしますが、裴源に止められます。
今回の注目点
- 崔倚はなぜ李嶷を皇太子に推挙した?
崔倚は戦での勢いを活かして乗じて崔家の忠誠を示そうとしましたが、その行動はかえって皇帝の不興を買い、李嶷と崔琳の関係までぎくしゃくさせてしまいました。 - 毒饅頭事件の真相は?
李俊に買収された乳母の息子が李嶷を害そうと企てましたが、饅頭を口にしたのは乳母本人でした。狙いとは違う形で命が奪われてしまった悲しい誤算でした。 - 崔琳はなぜ弔問に行けなかった?
今の立場では宮中の目を引くことを避けねばならず、直接訪ねることができませんでした。彼女は遠くから静かに李嶷を見守るしかなかったのです。
楽游原30話 あらすじ:李嶷襲撃と老鮑の最期
李俊が流罪を命じられた直後、揭碩人が皇帝の行列を襲撃。李嶷は途中で待ち伏せに遭い、戦いの中で李崃の裏切りにより重傷を負う。李俊は謀反を企て、李崃に討たれました。混戦の中、老鮑は李嶷を庇い命を落とすのでした。
あらすじ
桃子が信王府の一件を報告、崔琳は李嶷の激しさを見抜いた上で最終的には裴源が止めに入るだろうと見抜いていました。
一方、顧相と裴献は李俊の罪を見過ごすことができず、新皇帝に流罪を求めました。皇帝は気乗りしないながらもこれを受け入れ、李俊に生母の墓へ参る最後の機会を与えました。
そのころ李嶷は乳母の葬列を見送る途中で刺客に襲われ、背後に揭碩人がいることを知ります。急ぎ現場に駆けつけると、今度は皇帝の隊列までもが襲われていました。混乱の中で李俊が帝位を奪おうとした瞬間、李崃の刃が彼を貫き命を落とします。
李嶷自身も李崃の裏切りにあって戦場では仲間たちが次々と倒れていきました。その中で老鮑は身を挺して李嶷を守り抜き、静かに息を引き取ります。
今回の注目点
- 皇帝の行列が襲撃された理由は?
皇帝の行列を襲ったのは、烏洛と柳承鋒が放った揭碩人でした。彼らは大裕国を揺さぶるため、まず皇帝を狙って朝廷の中枢を混乱させ、政権そのものを不安定にしようとしていたのです。同時に別働隊で李嶷も待ち伏せし、皇帝と李嶷という国を支える要を一度に排除しようとする周到な作戦でした。外からの脅威と内側の乱れを同時に起こすことで中原を揺るがせるつもりで、行列の動きまで把握したうえで計画的に襲撃を仕掛けたのでした。 - 李俊の最期はどうなった?
李俊は襲撃の混乱の中で新皇帝を守ろうとする孝行息子を装っていました。しかし李嶷が不在だと気づくと、これこそ皇位を奪う好機だと判断。隠していた本性をあらわにします。ところが企みを感じ取った李崃が先に動き、李俊を逆賊として即座に斬り捨てました。最期の瞬間まで李俊は李崃こそが密かに機会をうかがっていた存在だと気づけず、野心と焦りが招いた悲しい結末を迎えることになりました。
感想と考察
忠臣の自己犠牲と中国的倫理観
老鮑の死は、中国文学で好んで用いられる「義による死」の典型といえますね。『三国志演義』での関羽の忠義や曹操を守って立ったまま殉死した典韋など。こうした例は中国文学によく出てきます。
老鮑は主君の命を救うために自分が盾となって主人を救いました。これはただお涙頂戴シーンを用意しているわけではなく。その行為が後の李嶷の覚悟を強くしたり、成長を促すきっかけになっているのです。こうした忠義者の犠牲はドラマ的には主人公が「真の君子」へ成長するための過程として設定されているといえますね。
歴史・文化の解説
皇太子問題と臣下の請願
古代中国では皇太子を決めることは国の行く末を左右するほど慎重に扱われた重要な出来事。歴史書『資治通鑑』には、唐の太宗の時代に魏徴が太子問題で諫めて怒りを買った記録も残っています。
臣下が後継者を推す行為は、しばしば皇后一族や軍閥が政治に介入していると受け取られ、反逆に近い重い意味を持っていました。
そのため崔倚の上奏も表向きは忠義を示す姿でしたが、皇帝から見れば自分の権威に踏み込む挑戦のように映ったのでしょう。
まとめと今後の展開
李崃の裏切りと老鮑の犠牲。これによって李嶷は兄弟と心を許せる仲間を失い、追い詰められた状況に立たされてしまいました。
皇帝からの信頼も大きく揺らぎ、彼が何よりも再会を願う崔琳(さいりん)の元へたどり着くのは、さらに難しくなりました。
今後の見どころ。
重傷を負った李嶷がどのように生き延びるのか、心身ともにボロボロになった彼が、この絶望的な状況からどうやって立ちあがるのか気になります。

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