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度華年 17・18・19・20話:愛と権力、すれ違う心の行方

度華年』第17・18・19・20話のあらすじをまとめました。

裴文宣の疾走から生還と李蓉の権力掌握、秦家の救出と荀川の旅立ち。そして金鳥花のすれ違い。協力していてもすれ違ってしまう李蓉と裴文宣のもどかしさが描かれました。

他のエピソードを見たい方は
度華年(どかねん)全40話あらすじ・ネタバレ一覧をご覧ください。

※この記事はドラマ『度華年』のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。

この記事で分かること

  • 裴文宣の生還と秦家救出の真相

  • 李蓉が督察司を設立し改革に乗り出す経緯

  • 金鳥花の渓谷で描かれる愛と誤解の意味

  • 蘇容卿が愛を失い権力を求めていく心理の変化

 

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度華年17話:駙馬の死と蘇容卿の求婚

裴文宣の死を知らされた李蓉は深い悲しみに沈み、そんな彼女に蘇容卿が求婚。処刑を目前にした秦家を救うかのように裴文宣が生還します。

 

17話 あらすじ

裴文宣は追っ手に襲われ、行方がわからなくなりました。李蓉は彼の無事を願いながら燕北塔へ向かい、これまで封じてきた過去と正面から向き合う覚悟を決めます。

一方、都では「裴文宣が崖から落ちた」という噂が広まり、李蓉は喪服に身を包み深い悲しみの中で日々を過ごしていました。それでも彼の生存を信じ続け、秦家の無実を証明しようと奔走します。そんな李蓉に蘇容卿は同盟と婚姻を提案しますが、彼女は毅然とその申し出を拒みました

秦家の者が刑場に連行される直前、重傷の裴文宣が現れ、陛下の前まで歩いて来たのでした。

北燕塔:
皇帝が后のために築いた高塔。のちに謹慎の地となり、権力と孤独を象徴する場に。

17話の注目点

李蓉が登った燕北塔の意味は?

李蓉が登った燕北塔はかつて皇帝と皇后が星を眺めた特別な場所。今は謹慎の象徴となった寂れた塔です。李蓉にとってここは過去の家族の温もりと現実の孤独が同居する場所。改めて自分が背負う使命と運命を自覚する場所にもなりました。

裴文宣は何をしていた?

裴文宣は崖から転落して死亡したという噂とは裏腹に、密かに死を偽装して行動していました。人に尾行されたことに気づいた彼は姿を消したように見せかけ、その陰で秦家の冤罪の真相を追っていたのです。誰にも知らせず危険を承知で動き続け、決定的な証拠を掴むために奔走していました。すべては李蓉を守り、世家の陰謀を暴くためでした。

 

感想と考察:蘇容卿の思惑

蘇容卿の婚姻提案には、自分の野心の匂いが強く漂っていますね。裴文宣の失踪で力を失った秦家を自分の勢力に取り込み、李蓉も手に入れて再び政治的な足場を固めようとしたのでしょう。

「同盟」と言いますが本音は彼女を支配下に置きたいのでしょう。さらに李蓉の孤独や悲嘆を利用して保護者の顔をしながら主導権を握ろうとしたとも考えられます。

何よりライバルの裴文宣がいなくなって李蓉を手に入れることができる。という野心もあったはずです。けれども李蓉は彼の計算を見抜いて自分の信念と誇りを守りました。

 

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度華年18話:裴文宣の帰還と蘇容卿の決意

裴文宣は秦家の冤罪を晴らし処刑寸前で命を救いました。しかし蘇容卿は愛も地位も失い苦しみます。李蓉は督察司の長官に任命されますが、上官家や蘇家との間に新たな火種が生まれます。

 

18話あらすじ

朝廷では裴文宣が秦家の冤罪を訴え、皇帝に刑の停止を直訴しました。その裏で秦真真が命懸けの救出に動き密かに情報を流した宦官の働きによって刑が中止されます。

秦家は一命を取り留めました。裴文宣は皇帝に軍費横領の調査を願い出ますが、世家の臣たちは激しく反発。朝堂は混乱に包まれました。

李蓉は裴文宣の帰還を知り北燕塔でその名を呼びながら涙を流します。蘇容卿は彼女への想いを断たれ、政敵として対峙する覚悟を固めました。

裴文宣と李蓉は再会。互いの想いを確かめ合います。翌朝、皇帝は李蓉を督察司の長に任命し、冤罪と軍費不正の調査を一任。上官旭は私情から調査の中止を訴えますが、李蓉はその願いをきっぱりと拒み、自らの使命を貫こうとするのでした。

 

18話の注目点

督察司の設立は何を意味するのか?

朝議では皇帝が秦家の処刑を勝手に前倒しした件を叱りつけ、一方で李蓉の働きを公の場で高く評価します。そしてついに督察司を正式に彼女に任せる決断を下しました。

両相六部を経ずに皇帝へ直接奏上できる特権、明盛校場を官署として使う許可、さらに毎年三万両を超える予算まで。「皇帝直轄の切り札」と言えるほどの大抜擢です。でもその一方で副官に蘇容華をつけることで、李蓉に権力が集中しすぎないよう、さりげなく牽制も加えています。

「これは自分への不信でもある」と李蓉が察してしまうところが、今回の政局のなんとも渋いところですね。

中国史でも御史台や都察院のように皇帝が百官や地方官を監督するための「監察機関」が存在していました。その長官は強大な権限を持つ一方で、皇帝の意向次第で立場が大きく揺らぐことも多い役職です。

直奏権があるというのは、見方を変えれば「失敗すればお前の責任だ」という重い意味も伴います。また、副官や同僚に別勢力の人物を組み込んで勢いを抑える「牽制人事」も歴代王朝でよく見られた手法でした。

李蓉が率いる督察司は皇帝が世家に対抗するための武器である一方、その刃先が自分へ向かないよう慎重に鞘を備えた存在でもあったと言えると思います。

 

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度華年19話:督察司設立と李蓉の新たな力

李蓉は正式に督察司を得て上官雅を新当主に推して上官家と和解。荀川は巡察使として西北へ旅立ち太子との別れに涙します。李蓉は次々と官僚の不正を摘発しますが裴文宣は暗殺者に襲われ負傷するのでした。
 

19話 あらすじ

上官旭李蓉に今の世家同士のバランスを保つよう静かに諫めます。でも李蓉は腐敗した旧い秩序を見過ごすつもりはなく、改革への強い覚悟を見せました。そして上官雅を後継に据えて新しい協力体制を築いていきます。

やがて督察司の設立式が行われ、裴文宣は妻・李蓉を支える決意を胸に深く刻みました。荀川は巡察使として地方へ旅立つことになり、李蓉や上官雅と別れの宴を交わして旅路へ向かいます。

督察司はついに本格的に活動を開始。李蓉は七十名に及ぶ官僚の不正を次々と摘発し、皇帝の信頼はこれまで以上に厚くなっていきました。

その一方で、世家からの弾劾が相次ぎ、朝廷全体が緊張に包まれていきます。そんな中、裴文宣が何者かの刺客に襲われ重傷を負ってしまいました。李蓉は怒りを抑えきれず、督察司に徹底的な捜査を命じます。

結果

改革の先頭に立つ李蓉は朝廷を揺るがす存在へと成長していきます。しかしその陰では暗殺と陰謀の波が押し寄せていました。

 

19話の注目点

上官家の権力交代は何を意味するの?

上官旭と李蓉のやり取りは「百年を迎えた王朝がどこで行き詰まるのか」という急所をかなりストレートに突いている場面だと思います。

上官旭は余計な波風を立てず、現状を守ることこそが一族を生かす最善の安全策だと主張します。

それに対して李蓉はすでに四代・百年を経た大夏は外では戦乱にさらされ、内では天災に揺さぶられている以上、もはや「誰かの利権のための遊び」に付き合っていられる余裕はないのだと正面から言い返します。上官家を潰すのではなく、かつてのような「清廉な家」に立て直したいのだと語り。上官雅を新たな当主に指名し、老いた上官旭に引退を受け入れさせました。

多くの王朝では建国からおよそ百年前後の時期になると「創業の勢い」が落ち名門門閥ががっちりと既得権益層に変わっていくと言われます。

歴史上の士族階層も最初は清廉さを誇っていた家が数代を重ねるうちに婚姻関係や賄賂で地位を固め、政争そのものを「ゲーム」のように扱うようになっていきました。

李蓉の「もう弄ぶ余裕はない」という一言葉は王朝の盛衰サイクルの中盤戦。つまり創業と崩壊のあいだで揺れている段階の発言です。上官家を排除するのではなく、自浄させて体制側の味方として抱え込むとの案も勧善懲悪で一掃するのではなく、現実味のある折衷策と言えます。

 

感想と考察:改革と代償

李蓉が督察司の長として本格的に動き出しました。彼女は正義を貫きますが、実際には多くの反感と危険を背負う選択でした。上官旭とのやり取りで放った「百年の王朝に遊びの余地はない」という言葉には、彼女の覚悟と厳しさがよく表れています。理想を貫く強さと、それによって孤立していく現実がこの回の大きな見どころです。

裴文宣はそんな李蓉をそっと支えていますが、二人の関係は“恋人”というよりも、同じ目標を共有する“戦友”のようになっています。愛情よりも理解と信頼で結ばれているようです。

荀川の旅立ちや裴文宣が襲われる事件は、改革が正しくても危険を伴うことを思い知らされます。正義のために動くほど、親しい人が危険にさらされ敵も増えていくのです。

 

度華年20話:血に染まる花の海と壊れた想い

裴文宣は李蓉のために渓谷いっぱいの金鳥花を咲かせました。しかし刺客が襲撃。李蓉は冷静に対応してあらかじめ仕掛けていた罠に敵を誘い込みました。二人は重傷を負いながらも脱出に成功しますが、裴文宣は李蓉が計画を知らせなかったことに深く傷つきます。

20話 あらすじ

怪我の裴文宣を世話しつつも軽口を交わす李蓉。彼は金鳥花を渓谷一面に咲かせ、李蓉のための秘密の花畑を準備します。しかし李蓉は裴文宣の行動を誤認し渓谷に伏兵を配置。双方の想いと警戒が食い違い悲劇の舞台が整ってしまいます。

当日、李蓉の行列は刺客に襲われ、彼女は単独で囮となって渓谷へ誘導。そこで裴文宣が駆けつけ、身を挺して李蓉を守ります。戦闘で金鳥花の海も古琴も壊れ、裴文宣は深く傷つき絶望のまま去っていきました。

一方、李蓉は捕えた刺客・藺飛白から背後に謝蘭清がいると聞き出します。さらに李川の愛妃・秦真真の死と皇太子の変貌が語られ、さらに楊家が敵国と通じた事実が発覚。

宮廷では楊婉の断末魔と楊燁の自白により、一族の罪が決定的となり裴文宣はその末路に重い思いを抱くのでした。

 

20話の注目点

李蓉が取引した七星堂って何者?

襲撃の首謀者として捕らえられたのは、江湖で名を馳せる七星堂の副堂主・藺飛白でした。李蓉は彼を処罰するのではなく、彼の勢力に領地の一部を貸し与え拠点を置かせる代わりに、雇い主の情報を吐かせました。藺飛白は刑部尚書・謝蘭清の名を挙げ、李蓉は斬首を決断します。この交渉の面白いところは「官」と「江湖」という、ふだん交わらない二つの世界が利益で結び付けてしまうところです。

武侠作品にもよく出てくる「江湖」は現実には存在しません。娯楽作品の中では朝廷の力が及ばない世界で武術門派・傭兵・地下組織が支配する世界です。でも最近の作品はその垣根が曖昧になり、アウトローな集団がいると江湖と表現されがちです。

七星堂は要は非合法な武装集団。そういう武装ヤクザ的な組織は史実にもいくらでも存在しました。

史実でも辺境では朝廷が盗賊や民間武装組織を「官軍まがい」に取り立てたり、秘密裏に利用したりすることがありました。唐時代に増えた節度使ももとは辺境の傭兵集団だった人が多くいます。反乱軍の首領を地方官にすることも史実ではあります。

李蓉が藺飛白と結んだのは、そうした非合法な集団との裏取引なわけです。

でも正義のヒロインが非合法な武装組織と裏取引はちょっとイメージ悪い。そこで「江湖」と言うとかっこよく聞こえるから不思議です。

 

登場人物別・行動まとめ(第17〜第20話)

李蓉(平楽公主)

第17話:北燕塔で裴文宣の無事を願うが死を知らされ、喪に服しながらも政治の糸を手放さない。
第18話:裴文宣の生還を喜び、督察司を掌握。秦家を救う。
第19話:上官雅を新当主に推す。督察司を正式に設立し、荀川を送り出す。
第20話:裴文宣の意図を誤解し伏兵を配置。結果として花海が血に染まり、彼との関係が悪化。

コメント
愛情より政治を優先し続けますが、政治的成功と個人の孤独を同時に招きます。

 

裴文宣

第17話:偽装死から生還し秦家の冤罪を晴らす。忠義を示して皇帝と李蓉の信頼を得る。
第18話:朝廷での発言力を強め李蓉を支える。愛情を言葉にし、夫婦としての距離を縮める。
第19話:李蓉を全面的に支援し、改革の伴侶として献身。彼女への愛情を深めていく。
第20話:金鳥花の渓谷を用意し愛を伝えようとするが、誤解と襲撃により想いは破綻。失意に沈む。

コメント
知的な忠臣から、愛情を寄せる伴侶となろうとしますが、李蓉の行動に傷つきます。

 

蘇容卿

第17話:裴文宣の死を機に李蓉へ求婚。駙馬の地位を狙う。
第18話:裴文宣の生還で望みを失い、李蓉への未練を胸に引き下がる。
第19話:柔妃と手を組み、宮廷内で再び影響力を取り戻そうと動く。
第20話:李蓉の襲撃事件を調査し、彼女の行動を注視。

コメント
李蓉の愛を得られず権謀家へと変貌。再び政治的駆け引きの道へと戻っていく。

 

まとめ

李蓉は理想と正義を求め成長しますが強硬な面も目立ちます。裴文宣は愛を求めますが誤解に苦しみ、蘇容卿は再び権力の道へ戻ります。三人は愛と正義の両立がいかに難しいかを表現しているようです。ドラマは“信じる心”が試される展開になっています。

 

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この記事を書いた人

歴史ブロガー・フミヤ

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京都在住。2017年から歴史ブログを運営し、これまでに1500本以上の記事を執筆。50本以上の中国歴史ドラマを視聴し、史実とドラマの違いを正史(『二十四史』『資治通鑑』など)に基づき初心者にもわかりやすく解説しています。

詳しい経歴や執筆方針は プロフィールをご覧ください。

運営者SNS: X(旧Twitter)

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