中国ドラマ「風起花抄」は豪華な映像と歴史上の人物を題材にした期待作でしたが「つまらない」「面白くない」という声もありますね。
その最大の理由は主人公の不自然な男装。共感しにくいヒロイン像やシナリオにも原因があります。
この記事では、実際にドラマを見て「つまらない」「残念」と感じたポイントを紹介。それでもこのドラマが持つ魅力的な部分についても紹介します。
視聴を続けるか迷っている方もヒントにしてくださいね。
風起花抄が「つまらない」と感じる理由とは?
男装が不自然?ストーリーに集中できない違和感
このドラマがつまらないと思う最大の理由がここ!
主人公、琉璃(るり)の男装姿に恐ろしく違和感があります。
もうストーリーに集中できません。
なぜこんな姿にしているのか意味がわかりません。
宮殿の外で女装しているときよりも化粧が濃いのはどういうことでしょうか?
しかもグーリーナーザーはスタイルがいいので豆医官の服を着ていてもシルエットで女性だとわかってしまいます。
誰が見ても明らかに女性の姿なのに、どうして劇中の人物は誰も気づかないのでしょうか?
中国ドラマは男装が多いですが、ここまであからさまに女性の姿をしているのに誰も気づかないのは不自然です。
主人公はトラブルメーカー?共感できないヒロイン
子役は良かった
主人公の瑠璃の子供時代は子役のエクダ・アディリジャンさんが演じました。この子もウイグル系。中国ドラマにしては可愛いらしい子役で微笑ましく見ていられました。
成長して知能が低くなるヒロイン
ところが3話で瑠璃が成長して白塗りの男装姿になってからは見ていられなくなりました。問題は姿だけではありません。
主人公・琉璃の行動は正直に言って共感しにくい部分が多すぎます。後宮で目立たないように正体を偽って暮らしているにも関わらず。自己主張が強くトラブルメーカーに見えます。
良かれと思ってやったことが結果的に周りを不幸に巻き込んでいることもあります。
かと思えば、偽善者的にお人好しすぎる場面もあり。見ていてイライラしますし、都合の良い展開が多すぎます。
という中国ドラマにときどきみられる感じの悪い女主人公でした。
主人公なのに感情移入が難しいのはドラマとして致命的な欠点です。
主演の表情が乏しい?感情が伝わりにくい演技
グーリーナーザーはこの役には向いてない?
主演のグーリーナーザーとティミー・シューは確かに美形かもしれません。
グーリーナーザーはもともと感情表現が豊かな女優とはいえないかもしれませんが。それにしてもこのドラマでは表情のパターンが少なくていつも目を見開いてくってかかるような喋り方をしています。
美しく整った顔が災いして冷たい能面みたいな感じに見えてしまうこともあります。
「擇天記」のときのような神秘的な役やお姫様の役は向いてると思うのですが、豆医官のような下層階級で周囲に気を使い細かい立ち回りが要求される役には向いてないと思います。
裴行倹のイメージぶち壊し?
裴行倹を演じるティミー・シューの演技は上手くないです。この方は歌手なので仕方ないかなと思います。
なので表情が少ないのは「そういう人」なのだと思って見てました。
正義感が強く強い者にも媚びない名門のエリート士官なので、ぶっきらぼうでそういう振る舞いもあるだろうと。
だとしたらせめて役作りをして武術の得意な人らしい動きを出したり、不器用でも自分なりに愛情表現はしている感じを出してほしかったですね。
ストーリーはありきたり?
ドラマのストーリー展開は正直言って物足りません。
尚食局で勝手に皇后の服を作るなんてありえませんし。宮中の服のために引退している瑠璃の母・安氏が陥れられて瑠璃が牢で育つ流れは理不尽を通り越して意味不明。
あと「悪役の陰謀とそれに機転で立ち向かう主人公」という流れは他の中国ドラマでもよく見る定番のパターンです。
もちろん中国ドラマは似たような設定や流れ多いので、このドラマだけの欠点ではありません。
ただ、他でカバーできる部分が少ないので不満が溜まってしまうのですよね。
身勝手な李治に失望
ドラマの流れでは曹王の反乱を鎮圧して、李治が即位するまでがクライマックス。終盤の曹王との対決までは良かったと思います。
ここで終わらせても良かったのでは?どうせ続編があるし。
正直、この流れはいらないと思います。
瑠璃が女だと知って興味は持つけど、武才人に睨まれるか・戦友の裴行倹のことを思って諦めるとかすれば好感度は上がったと思います。
ラストが残念なのは仕方ない
李治の問題が解決しても瑠璃と裴行倹の結婚には障害が立ちふさがります。一族との揉め事はありがちですが、名門の裴家ならではの事情もあるのでこれはこれでいいと思います。
しかも相手が大長公主という皇族。この人も実在する人で。裴一族が名門だというのがよくわかります。
「風起西州」への橋渡し
最終回の盛り上がりが欠けるのは物語の流れでは仕方ないと思いますね。というのも原作小説ではまだ中盤。このあとも話が続くのです。
「風起西州」の序盤を見れば「風起花抄」のラストと話が繋がっているのがわかります。
「風起花抄」の最終回は本当の最終回ではなくまだ話の途中。だからモヤモヤ感が残るのですね。
でも見る価値あり?「風起花抄」本当の魅力
以上、悪いところばかり書いてきましたが。注目したい部分もあります。
歴史上の人物を新たな解釈でドラマ化
「風起花抄」は唐の太宗~高宗の時代を舞台にしたドラマ。中国時代劇でおなじみの太宗李世民や武則天、高宗 李治が登場。他の妃や皇子も登場。あまり詳しく描かれることのない太宗晩年が描かれています。
ヒロインの庫狄瑠璃は武則天に仕えた実在する女官・庫狄氏がモデルですし。裴行倹も高宗~武則天時代に国を守った実在の人物。
今までドラマ化されることはなかったので歴史好きにはたまらない素材です。
多民族国家を表現
唐は漢民族だけの国ではなく、様々な民族が共存している国です。
ヒロインの庫狄氏は史実では鮮卑系。
史実では母の素性はわかりませんが、ドラマでは安氏になっています。この安氏はソグド人(イラン系)の姓で。ドラマでも瑠璃の母や叔父たちはウイグルの人たちが演じています。
多民族国家の唐の雰囲気が再現されているのも良かったです。
映像と衣装の豪華さ
このドラマは美術セットや衣装は細かいところまでこだわりを感じ、色彩豊かな唐代の宮廷が見事に再現されていました。琉璃や宮中の人たちが身につける衣装は本当に華やかです。
ここで予算を使いすぎたのかと思うくらいです。
風起西州の予習
「風起花抄」はまだ話の途中。このあと舞台は瑠璃の母とゆかりのある西州に移動。そこでも様々なドラマが待っています。
個人的には「風起西州」の方が面白い。不自然な男装はなくなりますし、西域の服を着ている瑠璃を見ると「グーリーナーザーを使ったのはこのためか!」と思えるほど似合ってます。(相変わらずメイクは濃いですが)
「風起西州」の瑠璃はおバカな豆医官ではなく長官の夫人ですし、彼女なりに地域を良くしていこうと頑張ってる。まだ見ていられます。
でも「風起西州」は完全に「風起花抄」の続編として作られてますから。「風起花抄」を知らないと楽しめない部分もあるかもしれません。
まとめ:風起花抄はつまらない?
ここまで「風起花抄」の「つまらない」と感じる理由と、わずかながら存在する魅力について紹介しました。
不満なところは、男装の不自然さ、幼稚なストーリー展開、主演の演技力不足、原作からの大幅な改悪など。
最終的に観るかどうかは、個人の好みが大きいです。正直これ単体ではおすすめできるドラマではありませんが、「風起西州」を楽しみたいならこれも見ておいたほうがいいと思います。
「風起西州」は不自然な男装がないだけかなりマシに見えます。それを思うと「風起花抄」はあの男装でかなり損してると改めて思いました。
でも最終的にドラマの評価は個人の好みに大きく左右されます。この記事を参考にあなたがこのドラマをどう評価するか、ご自身の目で確かめてみてくださいね。
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