如懿伝:璟瑟のモデル 固倫和敬公主の史実

固倫和敬公主は清朝の第代皇帝・乾隆帝けんりゅうていの娘。

母は孝賢純皇后 富察氏です。

乾隆帝にとっては三女になるので「三公主」と呼ばれていました。

ドラマ「如懿伝」では「愛新覚羅・璟瑟（けいしつ）」の名前で登場します。

乾隆帝には多くの娘がいました。その中でもとくに溺愛されていた娘です。

固倫和敬公主はモンゴルの王子セプテン・バルジュルと結婚しました。ところが乾隆帝は娘がモンゴルに行ってしまうのが寂しくてずっと北京で暮らさせました。

史実の固倫和敬公主はどんな人物だったのか紹介します。

固倫和敬公主　の史実

どんな人？

清王朝の第６代皇帝・乾隆帝の娘です。

日本では江戸時代になります。

家族

子供：エレケ・テムール・ババイ

固倫和敬公主の生涯

弘暦と富察氏の娘として生まれる

1731年6月28日（雍正9年）に生まれました。

父は愛新覚羅・弘暦（後の乾隆帝）。

母は嫡福晋（正室）・富察氏（後の孝賢純皇后）

弘暦（乾隆帝）の三女です。
富察皇后にとっては唯一の成人した娘です。

雍正帝の側室・勤太妃によって育てられました。

皇帝の嫡女

1735年（乾隆元年）。父の乾隆帝が即位。

「和敬公主」の称号が与えられました。

清朝の固倫公主（グルニグンジュ）と公主（グンジュ）の違いは
朝鮮王朝の公主（コンジュ）と翁主（オンジュ）の違いと同じです。

中華王朝は側室の娘でも「公主」と言いますが、冊封国（属国）の朝鮮では側室の娘は公主とは言えません。

モンゴルの王子と結婚した和敬公主

1747年（乾隆12年)。モンゴル・ホルチン部の王子・セプテン・バルジュル（色布騰巴爾珠爾）と結婚しました。

モンゴルに行かずに北京で別居生活

ところが乾隆帝は娘が遠くに行ってしまうのが嫌で和敬公主が北京で暮らすのを許可しました。

和敬公主はモンゴルの王族と結婚しながら北京で暮らした最初の皇女でした。

親王が暮らす「貝勒府」の隣に「和敬公主府」という屋敷が作られ、和敬公主はそこで暮らします。清朝で唯一の公主のための屋敷です。

和敬公主とセプテン・バルジュルは別居生活になってしまいましたが、二人の間には少なくとも５人の子供が生まれました。子どもたちの名前は乾隆帝が名付けました。

夫の父を見舞いにモンゴルに行く

1749年（乾隆14年)。セプテン・バルジュル（色布騰巴爾珠爾）の父・達爾罕親王ロブチベットアブ（羅卜藏袞布）が病気になりました。ロブチベットアブは順治帝の娘・固倫端敏公主の子供です。モンゴル王家は代々清朝と婚姻関係を結んでいました。

そこで乾隆帝の命令で和敬公主はお見舞いのためにモンゴルを訪問しました。内務大臣が同行しました。

1752年（乾隆14年)。義父ロブチベットアブが病死しました。

乾隆帝はすぐに戻って義父のために喪服を着るように和敬公主に伝えます。また夫セプテン・バルジュルの具合も気にして王室の医師の診察を受けるように言いました。

1771年‎（乾隆36年）。崇慶皇太后の80歳の祝賀会が行われました。和敬公主たち王女は崇慶皇太后にプレゼントを贈りました。

和敬公主の最後

1773年。‎（乾隆38年）。四川で反乱が起こり清軍が派遣されました。夫のセプテン・バルジュルも軍を率いて遠征しました。この戦いは長引きました。

1775年。‎（乾隆40年）。セプテン・バルジュルが遠征先で死亡。

和敬公主は未亡人になってしまいます。

その後は再婚しませんでした。

1792年（乾隆57年）。和敬公主が死去。享年62。

和敬公主は大金持ち

乾隆帝は和敬公主に毎年多くのお金を渡していました。1万5千両（そのうち銀8900両、中国では「両」は重さの単位、1両＝約37ｇ）を渡していたと言います。そのため和敬公主は贅沢な暮らしができました。

娘が結婚してもモンゴルに行かせずに北京に屋敷を作って暮らさせたり、乾隆帝は和敬公主を溺愛していたようです。

璟瑟：テレビドラマの固倫和敬公主

如懿傳〜紫禁城に散る宿命の王妃～

2018、中国
役名：三公女・愛新覚羅・璟瑟　演：關雪盈

傲慢な王女

璟瑟の名前で登場。
乾隆帝と富察皇后の娘。乾隆帝の唯一の嫡女のため傲慢。如懿は衛嬿婉のことも見下しています。

モンゴルの王子と結婚

皇太后 甄嬛に説得されモンゴルの王子と結婚。母・富察皇后が死亡。母と合うことはできませんでした。

モンゴルで王の息子を出産。夫の死後、乾隆帝によって北京に連れ戻され、豪華な館に住むことを許されます。

如懿との対立

璟瑟は母・富察皇后が死んだのは如懿のせいだと思っています。そのためことあるごとに如懿と対立。

衛嬿婉に息子が助けられたこともあり、衛嬿婉に味方。衛嬿婉を助け一緒に如懿を攻撃します。ところが衛嬿婉が皇后になるかもしれないと思うと。今度は如懿を助けるようになるのでした。

まとめ

固倫和敬公主は乾隆帝と富察皇后の娘で、成人した一の嫡女として溺愛されました。

和親公主となってモンゴルの王子と結婚しながらも北京で暮らし、豪華な生活を送ります。夫の死後も再婚しませんでした。和敬公主は清朝では珍しい、和親公主でありながら北京で暮らした最初の皇女として知られています。

ドラマ「如懿伝」では傲慢な王女として描かれ、母・富察皇后の死を如懿のせいだと信じ、彼女と対立する場面が描かれます。